正しく知ろう! 認知症のこと

ページID1001795  更新日 令和6年1月24日

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認知症は誰にでも起こる可能性のある身近な病気です

認知症は、年齢を重ねるほど発症しやすく、誰にでも起こる可能性のある脳の病気です。そのため、認知症になっても、ご本人とそのご家族が住み慣れた地域で安心して暮らしていくための取り組みがとても大切です。

認知症に対する正しい理解の普及や、認知症の人とその家族を地域で支え合う環境づくりを推進するために、茨城県は9月を「認知症を知る月間」として定めています。日立市においても、この月間に合わせて、認知症のことを知ってもらえるように、市報やケーブルテレビ等で普及啓発を行っています。

今回、認知症について知ってほしいポイントをご紹介します。

認知症とは

認知症とは、脳や身体の病気などが原因で、脳の働きが低下し、もの忘れのほかに、今日の日付や場所が分からない、計算ができない、計画を立てて段取りをすることができないなどの日常生活が、うまく行えなくなる状態がおよそ6か月以上継続している状態をいいます。

認知症の主な種類

認知症には、主に次の4つの種類があります。

1 アルツハイマー型認知症

最も多い認知症で、軽度のもの忘れから少しずつ進行します。うつ・妄想などが出やすい特徴があります。

2 脳血管性認知症

脳梗塞や脳出血などが原因で起こる認知症です。障害された脳の部位によって症状が異なるため、一部の認知機能は保たれるのが特徴です。

3 レビー小体型認知症

いないはずの虫や動物・人が見えたり、症状が変動しやすい特徴があります。

4 前頭側頭型認知症

信号無視、物を盗るなどの社会性の欠如や、協調性がなくなり自分勝手な行動をとるなどが見られます。

認知症によく見られる症状の例

  • 同じことを何回も言ったり聞いたりする
  • 日付けや時間が分からなくなる
  • 道に迷ったり、家などから出ていこうとする
  • 置き忘れやしまい忘れが目立つようになり、よく探し物をしている
  • 以前はあった興味や関心や意欲がなくなった
  • 仕事や家等の段取りが悪くなり、時間がかかる
  • 同じ食材を何回も買ってしまう
  • 財布やお金などを「盗まれた」と言うようになる
  • いないはずの虫や動物、人がいると言う
  • 感情が抑えられず、怒りっぽくなる
  • 新しいことを覚えることが苦手になる
  • 自動販売機、自動改札機、銀行のATM等の使い方が分からなくなる

など

若年性認知症について

高齢者の認知症と比べると、数は少ないのですが、65歳未満でも発症することがあります。これを若年性認知症といい、多くは働き盛りの年齢で発症するため、仕事や家庭への影響が大きいという特徴があります。

症状は、高齢者の認知症と同様ですが、「日々の疲れのせい」等とほかの原因を考えてしまい、気付くまでに時間がかかってしまう場合もあります。症状が軽いうちの対応が大切です。

認知症は、早期発見・早期対応が大切です

認知症は、早期発見(気づき)、早期対応(受診・診断・治療など)することで、進行を遅らせたり、その人らしい生活を続けることが可能となります。

認知症のはじまりは、ご本人もご家族も何らかの変化に対して戸惑うことがあります。しかし、「年齢の影響かな」「生活はできているし」などと、様子をみてしまうことがあり、受診までに時間がかかってしまうことが見られます。

ご自身もご家族の方も、心配だと思ったら、早めに相談や医療機関を受診することが大切です。

認知症を理解し、寄り添う気持ちで支援しましょう

認知症の方は、何をするにも「考える時間」が必要になるため、物事が以前のようにうまく行うことが難しくなり、自分でも「何かおかしい」「認知症だなんて」というやり場のない怒りや悲しみ、不安が強くなっていたりします。

もの忘れがあったり、理解するスピードがゆっくりになっていたとしても、心はとても敏感です。否定したり、失敗を指摘されたりすると、「否定された(失敗した)事柄」は忘れても、「怒られた・嫌だな」という感情だけ残り、お互いに信頼関係を築くことが難しくなるため、余計に症状が悪化しかねません。

周囲の方は、以下の3つの「ない」を心掛けましょう。

1 驚かせない

ご本人の正面から声をかけ、しっかりと目を合わせて話しましょう。

2 急がせない

せかされることが非常に苦手です。聞きたいことはひとつずつ、ゆったりとした気持ちで聞きましょう。

3 自尊心を傷つけない

出来なくなっていることなどを指摘したり、深く追求しないようにしましょう。

認知症の予防

脳血管性認知症は、生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病など)の予防対策をとることが有効です。

また、認知症の多くを占めるアルツハイマー型認知症でも、生活習慣病対策が発症のリスクを減らすことが示されています。

軽度の認知障害(認知症と正常な状態の中間)の場合は、早期に生活習慣を見直し、望ましい対応をすることにより、半数近くが正常な状態に戻ると言われています。

次のような点に気を配り、脳に良い生活習慣(バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、社会参加活動など)で認知機能の低下を防ぎましょう。

バランスの良い食事を取りましょう

脳の栄養源である

  1. ブドウ糖(ご飯・パン・うどん等)
  2. タンパク質(魚・肉・卵・大豆製品等)
  3. ビタミン類(野菜・果物・海藻類等)

をバランスよく摂取しましょう。

また、下記の食品も食事に上手にとり入れると良いでしょう。

  • さんま・さば・いわし等の青背の魚
    血液をサラサラにするEPA(エイコサペンタエン酸)や神経細胞に良いDHA(ドコサヘキサエン酸)などが多く含まれています。
  • 大豆製品(豆腐、納豆、味噌、おから等)
    血中コレステロールや中性脂肪を低下させる働きがある成分を多く含みます。納豆に含まれるナットウキナーゼも血栓予防に有効だと言われています。
  • 緑黄色野菜、ベリー類、アーモンド・ナッツ類、黒ゴマ等
    血管の老化を防ぐ抗酸化作用を多く含んでおり、神経細胞のダメージを減らす作用があると言われています。

運動して脳の血流を良くしましょう

1日30分以上のウォーキングなどの有酸素運動は、生活習慣病を予防し、脳の海馬(記憶を司る)の血流を良くします。

また、ウォーキングなどの運動が出来なくても、皮膚や筋肉、関節をさすったり、動かしたりするだけでも、脳に良い刺激となり、血流が良くなると言われています。

十分な睡眠をとりましょう

睡眠不足は、認知症の原因物質と言われているタンパク質(アミロイドβ)が脳内に蓄積し、脳の神経細胞を破壊すると言われています。個人差はありますが、健康づくりのための成人の睡眠時間は、6時間以上8時間未満が望ましいと言われていますので、十分な睡眠をとるよう心がけましょう。

脳の活性化を図りましょう

脳を使わないことが認知症の発症や進行を早めます。日頃から、色々なことに興味や関心を持ったり、音読や簡単な計算などの「学習」、トランプなどの「ゲーム」、絵を描くことや、脳トレをしましょう。

さらに、デュアルタスク(ウォーキングしながらしりとりするなど)と言って、同時に2つのことをすることがさらに効果を高めると言われています。

社会参加をしましょう

スポーツやボランティア、趣味のグループなどへの社会参加は、認知症やうつ、転倒のリスクが低くなることが分かっています。積極的な社会参加をし、認知機能の維持を図りましょう。

介護する方の息抜きが大切

認知症は進行するにつれて、家族だけで介護することは心身ともに難しくなってきます。家族だけでなく、近所の方や友人のほか、介護保険を申請し介護サービスを上手に利用するなど、いろいろな方のサポートを受けていくことが必要です。また、介護者自身が疲れやストレスを溜めぬよう、休息やリフレッシュも大切です。

介護者同士、同じ境遇の方が悩みを相談し合える「日立市そよかぜの会」は、認知症の方を介護する家族の会です。参加や見学を希望される方は、高齢福祉課までお問い合わせください。

主な相談先

  • 地域包括支援センター
    (医療や福祉の専門職で、認知症の専門研修修了者である認知症地域支援推進員や専門のスタッフがいます。市HP地域包括支援センター参照)
  • かかりつけ医や認知症相談医(市HP認知症相談医参照)
  • 茨城県指定認知症疾患医療センター(日立梅ヶ丘病院内) 電話 080-2236-0360
  • 茨城県若年性認知症相談窓口
    • 栗田病院内(那珂市) 電話029-295-0005
    • 池田病院(龍ヶ崎市) 電話0297-64-6582

など

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保健福祉部 高齢福祉課
所在地:〒317-8601 茨城県日立市助川町1-1-1 本庁舎1階
代表電話番号:0294-22-3111(内線:477、229、290)
IP電話番号 :050-5528-5072
ファクス番号:0294-24-2281
保健福祉部高齢福祉課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。