【ひたちファンクラブ版】地域おこしデザイナー中村茉由さん
ヒタチで活躍する様々なヒトタチにインタビューする、「ヒタチノヒトタチ」。
今回お話を伺ったのは、日立市出身で現在は群馬と茨城、二つの地域を行き来しながら活動する、「地域おこしデザイナー」中村茉由さん。
日立で育った自身の原点となる活動や地域おこし協力隊としての歩み、そして「次の世代へ想いを渡していく」という活動の軸。ふるさとへの想いと、中村さんが描く未来について伺いました!
Q現在、主にどのような活動をされているんですか?
A 地域おこしデザイナーとして、地域と挑戦する人をつなぎ、そのサポートやコーディネートを行っています。
また、総務省の地域おこし協力隊OGとして、現役隊員の支援にも携わっています。
群馬県では、社会事業家のプラットフォーム「一般社団法人ちもり」を設立し、共助の風土を広域的に育んでいくことを目指しています。
ふるさとである茨城県では、「株式会社しびっくぱわー」に所属し、基本はフルリモートで、県北エリアでの起業支援などに関わっています。
また、結婚・出産を経験したことで、地域の捉え方にも新しい視点が増え、未来へ想いをはせることも多くなりました。群馬と茨城でキャリアを「分ける」のではなく、「組み合わせる」感覚になったというか…そういった感覚を持って、山あいの村と海に近いまちという二つの地域を行き来しています。
Q 現在の活動に至るまでの経緯を簡単に教えてください
A 日立市で生まれて、高校卒業までを日立で過ごしました。大学は山梨県の都留文科大学に進学し、そこでは環境とコミュニティについて学びました。
卒業後は茨城県内の飲食系企業に勤めました。その後、北海道のNPOで観光地域づくりや子どもの自然体験事業の業務に携わりました。学びや仕事を通じて「その土地の可能性を耕し、育むことで心根が張り、本当の意味で積み重なっていく」という想いが強まっていったんです。
2015年に、山があり水が美味しい土地、尾瀬国立公園のある群馬県片品村に、地域おこし協力隊一期生として移住しました。任期終了後の2018年に、農と食の活性化を目指し「北毛(ほくもう)茶屋」を起業。2023年に地域で活動をともにしてきた産官学金の専門家の皆さまと「一般社団法人ちもり」を設立しました。
Q 日立で育った中で、特に心に残っている風景や出来事はありますか?
A 特に心に残っているのは、小学5年生のときに参加した「山中友子隊体験村」という29泊30日の日立市主催のキャンプで、私の原点となった体験です。
「山中友子(さんちゅうともこ)」とは、かつて日立市にあった日本の代表的な鉱山である「日立鉱山」に根付いた仲間の絆の文化のことで、同じ釜の飯を食べる仲間として、技術と心を受け継いでいく精神のことなんです。
キャンプでは、久慈川でいかだを作って川を下ったり、そのいかだが思うように進まずにぐるぐる回ったり(笑)、ママチャリで84kmを走ったり、会瀬海岸の磯探検でアメフラシから紫の液体が出てびっくりしたり…。
当時は夢中で楽しんでいただけでしたが、振り返るとあのキャンプが自分の原点を育んでくれたと感じます。基本的に毎食自炊だったので、自身の運営する北毛茶屋の「食を通じた交流」というコンセプトにもつながっていると思います。
Q 子どもの頃の経験で、今の活動につながっていると感じることはありますか?
A キャンプの後もスタッフの方に節目ごとに色々お世話になり、「受けた恩をそのまま返すのではなく、次の世代に渡していく」という大切な考え方を学びました。
大学生の頃から地域活動に関わるようになり、今住んでいる群馬県でも地域おこしの実践研究を続けています。茨城での活動でも、多くの方と出会い、助けてもらってきました。その恩を次の地域人財へ手渡し、未来へ繋げていくことが、私を成長させてくれた方々への恩返しだと思っています。
Q 日立で暮らしていた時に感じていた"地元の良さ"はどんなところでしたか?
A 正直に言うと、当時は特に「いいところだな」とは感じていなかったんですよね(笑)不自由することは何もない、それが当たり前でした。
でも日立市を離れてみて、新しい技術や挑戦がまちの中に存在していると気づきました。
自分が生まれた日立市内の病院で子どもを出産したとき、なんとも言えない感慨がありましたね。当時の「普通」が、実は恵まれていた環境だったと外の視点を得て気づきました。
Q 日立を離れて初めて気づいた、地元の魅力はありますか?
A 大学で外に出て初めて、日立が「ものづくりのまち」として知られていることに気付かされました。
また、群馬県の片品村という山に囲まれた地域で暮らすようになってからは、海がすぐそばにあることのありがたさも強く感じるようになりました。帰省すると海を見に行くんですが、その度に海と山が近い日立の地形の良さを感じています。
日立が持つ自然の豊かさ、山中友子隊のような体験を子どもに届けてきた文化、それらが自分の根っこを作ってくれたんだなと、振り返って感じています。
Q 日立での活動を続ける中で、「やっぱり地元が好きだ」と感じた瞬間はどんなときですか?
A 2024年の夏に、群馬県の青少年育成事業として行っている「利根沼田夢大学」のサマーキャンプを日立で開催したんです。その時に、群馬と茨城、それぞれの地域で頑張っている人達が繋がっていく様子を目の当たりにした時に、心が温かくなるのを感じました。
先日、ひたちファンクラブのワークショップでお話させていただく機会をもらったんですが、その時に地域に想いを持って活動する大学生に出会えました。日立にも地域に関わりたい若者がいる。そういう人たちと仕事を通じて繋がれた時に、やっぱり地元が好きだなという気持ちになりますね。
Q これから日立でやっていきたいことは何ですか?
A 日立を含む県北エリアで、地域で挑戦する人を応援し続けていきたいです。
群馬の山あいの村と、茨城・日立という海のまち、それぞれの良さが行き来することで生まれる新しい価値にも可能性を感じています。
いつか、息子世代の若者たちが「このまちが好きだ」と胸を張って言えるように、その土台づくりに関わっていけたらと思っています。
Q 日立の若い世代や、これから地元を離れる人たちに向けて、どんなメッセージを届けたいですか?
A 自分の心が何を感じているのか、どんなことを大切にしたいのかに、耳を傾けてみてください。
その中で出会う経験やつながりを大切にすることで、日々の幸せを感じることができると信じています。「ふるさと」を知識ではなく、体験と人の縁からくる自分の言葉で語れるようになってほしいんです。そして、ふるさとで受け取ったものを、それぞれの場所で育て、また次の誰かへと渡していってほしいです。
私を育ててくれた「ふるさと」と「家族」に心から感謝しています。
プロフィール
中村 茉由
地域おこしデザイナー/株式会社しびっくぱわー/一般社団法人ちもり 専務理事
茨城県日立市出身。ジモトでの体験を原点に、大学で地域と人との関わりに関心を持つ。都留分科大学 環境・コミュニティ創造専攻卒業後、各地での実務経験を経て、2015年に群馬県片品村の地域おこし協力隊として移住・起業・定住。農山村の資源を活かした事業づくりや、地域に根ざした暮らしの実践を重ねてきた。
現在は、起業支援や地域プロジェクトの伴走を通じて、各地で「続いていく仕事」を生み出す支援に取り組む。総務省の地域おこし協力隊研修アドバイザーも務める。
日立で育った原体験を起点に、北関東を横断しながら、人と地域の可能性をつなぐ活動を続けている。
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