令和8年10月「オーストラリア・パース市のスマートシティについて
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市/共創プロジェクト推進監です
8月上旬、息子の短期語学留学に乗じてオーストラリアのパース市を訪問しました。日立市とはエネルギーなどを通じたご縁があり幸運にも2023年から3回の訪問機会がありました。今回はその地の利を活かした語学留学となりましたが、プライベートでは初めて訪れるパース。過去の3回とは違った視点でまちを観察できましたので、ここでは「スマートシティ」の視点からパース市の魅力を紹介してみます。
※本コラムで記載されている通貨レートは、来訪時の令和8年8月時点のものを参考にしています。
西オーストラリア州の州都「パース」は、人口約240万人。シドニー、メルボルン、ブリスベンに次ぐ第4の都市です。スワン川がインド洋に注ぐエリアにまちが整い、街のどこにいても海や川を感じられるウォーターフロント都市といった感じです。海と川、公園や近代的なビルが調和する様から、「世界で最も美しいまち」と称されています。
羽田空港を早朝便で出て、シドニーを経由してパース空港に到着したのは、23時近くでした。市中心部まででは車で20分程度なのでタクシー利用でも3,000円強ですが、今回は息子の社会勉強も兼ね、パース市が運営するTrans Perth(トランスパース)のエアポートライナーで最寄りのRedcliffe駅からPerth駅まで移動しました。
カード決済が定着しているヨーロッパと同様に、オーストラリアでもクレジットカードや携帯のウォレットによる公共交通機関の利用が可能です。昨夏訪問時には未導入でしたが、令和7年の12月から運用が開始されたようです。列車の場合、改札口の端末にカードをかざして入場し、目的地でも端末にカードをかざして退場します。
素晴らしいのは、3時間以内は約400円で乗り放題なことに加え、Smart Riderというチャージ式カードを利用する場合には約300円に割引されたり、タッチ決済を日曜日に利用する場合には終日無料とされたりすることです。
また、市内中心部に運航される「CATバス」(Central Area Transit Bus)は、Blue(青)、Green(緑)、Purple(紫)、Red(赤)、Yellow(黄)の5路線に完全無料の循環バスです。10~15分おきに運行され、学生や高齢者など、多くの市民が時間帯を問わず利用しており、60歳の私も数多く利用しましたが、満員乗車の中、学生から席を譲られた際には小さなショックを感じました。
思わず「Thanks, but I’m young.」 と言いました(笑)。白髪頭はダメですね。
オーストラリアのフルタイムワーカーの平均年収は約900万円(パース市は1,000万円超)と、日本の倍ほど高いのですが、その分、物価や住宅費用は高く、現地で食べたハンバーガーのセットメニューは約1,700円でしたし、中心部から少し離れた2ベッドルームのアパートの家賃が25万円はすると聞きましたし、マクドナルドのパートタイマー募集の張り紙には時給3,000円と書かれていました。
IMF(国際通貨基金)調べによれば、国内の貧しい地域と豊かな地域の格差が先進国で4番目に大きいとされるオーストラリアでは、こうした公共交通の無料施策がセイフティーネット的に求められているのかもしれません。
パース市のスマートシティの取組は、連邦政府から130万オーストラリアドルの支援を受けて、住民や企業の生活の質(QOL)向上と知識基盤の構築をめざし、データ基盤やIoT技術をベースに進められています。監視カメラや防犯カメラシステムを用いた交通量や人流の測定と制御、公園や緑地区の水管理としてスマート灌漑、前述のスマートライダーやクレジットカード等のタッチ決済導入のほか、CATバスの停留所には到着までの時間が表示されるなど、公共交通のスマート化が進められています。
スマートシティと聞くとすごく近未来的で難しいことが行われているように感じますが、市民の暮らしを便利にしようという思いを、デジタルの力を駆使して具体化する作業が本質です。年齢や性別、職業、所得に関係なく、誰もが等しく便利になること、その積み重ねでスマートな暮らしを実現することが、スマートシティのめざす未来につながります。
これまでのご縁で訪れる機会をいただいたパース市ですので、スマートシティの面でも、日立市の共創プロジェクトと何か連携できたら楽しくなりそうですね。
あー、またパースに行きたくなってしまった…。
しばらくは日立市で一番の「パース好き&パース通」を自負します。
