共創プロジェクトのビジョン


共創プロジェクトがめざす方向や、将来実現したいことをビジョン(未来像、めざす姿)として表しました。

長期目標として、将来こうありたいと願う「2050年(令和32年)の日立市の未来像」を掲げ、その実現に向けての中期目標として、「2031年(令和13年)の各テーマにおける日立市のめざす姿」を描きました。

中期目標は、日立市の最上位計画である「日立市総合計画」の最終年度に合わせて2031年に定めています。

共創プロジェクトの未来像

長期目標 2050年の日立市の未来像

本プロジェクトでは、「デジタルと共に、みんなでひらく豊かな未来 ~産業が生み出す価値の循環により、一人ひとりの生活がより豊かに~」を2050年における日立市の未来像として掲げました。

日立市が産業都市として培ってきたイノベーションの精神を礎に、環境/幸福/経済成長が調和する、一人ひとりが主役の持続可能な未来をめざします。

 

この未来像は、大きく3つの要素に支えられます。

 

成長する産業と進化し続けるインフラ

技術の進化と共に、産業は成長を続け、経済をはじめとした様々な価値を創出し、それを支えるインフラも、デジタルの活用により、南北に伸びた日立市の地理的特性に合わせて持続的な進化を続けます。

あなたのためのサービス

データに基づいたサービスや政策が立案・実行されることにより、一人ひとりのニーズに寄り添ったサービスが当たり前になります。これらデジタルの浸透により、人々の気持ちや時間にゆとりが生まれることで思いやりの行動と、地域とのつながりが増え、自身の居場所と役割を感じられることで、幸福度の向上を実現します。

市民がまちづくりの主役

未来の複雑な社会課題を乗り越えるためには、市民がまちづくりの主役となり、市民の思いを中心に行政や企業などが一体となりまちづくりを進める必要があります。一人ひとりがデジタルに支えられ、地域の課題から小さな困りごとまでみんなが自分事として解決に向け行動している誰もが活躍できる社会をめざします。

 

産業が生み出す経済をはじめとした価値、そして便利になったインフラは、このまちのサービスや市民の皆さんの暮らしの質を高め、皆さんの幸福度を向上させます。心が豊かになることで、働く意欲や想像力が高まり、それが産業の成長を後押しして、更なる産業やインフラの発展につながります。この持続的な成長の循環の中心となるのが、市民の皆さんです。本プロジェクトでは、市民の皆さんと行政、企業とが一体となりまちづくりを進めることで、「デジタルと共に、みんなでひらく豊かな未来」の実現をめざします。

グリーン産業都市の構築

中期目標 2031年の日立市のめざす姿

日立市は2022年(令和4年)3月、「ゼロカーボンシティひたち」を表明し、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロをめざしています。ゼロカーボンシティひたちに向けては、CO2排出量の約7割を産業部門が占める「ものづくりのまち」であることなどの地域特徴を踏まえ、地域が一体となって、脱炭素化を促進し、更なる産業の振興、発展、成長へつなげる必要があります。

本プロジェクトでは、2031年のめざす姿を「グリーンエネルギーで産業を豊かにするまち」と描きました。地域内で作り出したグリーンエネルギーの活用により地域全体の脱炭素化を促進して「環境にやさしいものづくりのまち」への住民の誇りを醸成し、脱炭素化の潮流に沿った産業競争力の向上により更なる産業の発展と町の成長へとつなげた、「世界に誇れる産業脱炭素都市」をめざします。

具体的には、デジタル技術などを活用して以下のような姿をめざしています。

  1. 地域企業の脱炭素化が進み、企業価値や産業競争力が向上する
  2. 新たなエネルギー産業が地域内で創出される
  3. 地域内でつくられた再生エネルギー供給量の増加とエネルギーの供給手段が多様化する
  4. EV(電気自動車)/中古EVバッテリーが地域内で循環・再利用されている

デジタル健康・医療・介護の推進

中期目標 2031年のめざす姿(デジタル健康・医療・介護の推進)

日立市では、全国的な傾向である少子高齢化などによる医療・介護従事者の減少や医療費の高騰を踏まえ、市民の健康と暮らしを支える地域医療体制の確保や、ライフステージに合わせた「切れ目のない子育て支援」とともに、明るく活力ある健康長寿社会の実現に向けた施策を推進しています。

本プロジェクトでは、2031年のめざす姿を「住めば健康になるまち」と描きました。デジタルを活用した健康を支える環境づくり、医療・介護連携による在宅ケアの質向上、医療サービスへのアクセス向上などを推進し、一人ひとりに合った健康・医療・介護サービスの提供によって、誰もが安心して健康に生活できるまちをめざします。

具体的には、デジタル技術などを活用して以下のような姿をめざしています。

  1. 生活スタイルにあった受診や医療相談の提供
  2. 健診・日々の活動データを活用した一人ひとりへの適切なアドバイスの提供
  3. 健康行動の習慣化による健康寿命の延伸
  4. 地域で支えあう安全・安心な暮らしの実現

公共交通のスマート化

中期目標 2031年のめざす姿(公共交通のスマート化)

日立市では、慢性的な交通渋滞や高齢者の移動手段の確保など、いくつかの交通・移動に関する課題に対して、「地域公共交通計画」などをもとに、幹線道路の整備や、地域の移動手段の確保といった取組を継続的に進めています。

本プロジェクトでは、2031年のめざす姿を「多様な移動手段を組み合わせた、誰もが移動しやすいまち」と描きました。デジタル技術を活用した移動の効率化や次世代モビリティの導入などを通じて、交通・移動に関する課題が解決された誰もが移動しやすいまちをめざします。

具体的には、デジタル技術などを活用して以下のような姿をめざしています。

  1. 誰でも簡単に次世代モビリティ(※)や公共交通を利用できる
  2. 高齢者も移動に困らない
  3. 慢性的な渋滞が緩和される
  4. 移動の活性化によるまちのにぎわい創出

※1人または2人用の超小型モビリティである「パーソナルモビリティ」や、「自動走行車」をはじめとした次世代の交通手段のこと