実録9月8日

ページID1009296  更新日 令和6年1月24日

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令和5年9月8日の夕方5時半頃、日立市では台風13号の影響による線状降水帯が発生し、かつて経験したことのない大雨が短時間に降りました。1時間雨量が98ミリと日立市では観測史上初めての記録となりました。その日、公休だった私は近所の温浴施設から帰る途中すさまじい豪雨に見舞われました。家までは車で10分ほどの距離ですが、施設を出たとたんバケツをひっくり返したような土砂降りにたじろぎながらも、途中鉄道下のいわゆるアンダーパスを通らねばならず、嫌な予感はしたのですが他に行く道がないので進んでいくと、そこはあっという間に池のように水がたまっていました。

それでも何とか切り抜け家に帰りつくと、今度は国道6号(6国)を退勤途中の知人から「6国(ロッコク)が川のようになって車が何台も立ち往生で動けない、前から流木も流れてくる」とパニックのような電話が。近くが市役所だったので、とりあえず市役所に避難するように促すと、市役所のほうからも水が押し寄せてきてとても行ける状況ではない、と。実はこの時、市役所も大変なことになっており、災害対策本部が設置され多くの職員が総出で対応にあたっていました。たまたまそうした職員が車の近くにいたため、何とか安全なとこへ誘導され事なきを得たようですが、車の中は多分恐怖の時間だったでしょう。また、市の関連施設で働くある職員も退勤途中にがけ崩れにのまれ、車ごと土砂に流されて停車したもののドアが開かずにいたところ、近くの市の施設で災害対応にあたっていた職員に発見され、窓を破ってもらって脱出できたとのことでした。

この記録的な大雨は動物園に特に被害はもたらさなかったものの(一部配水管の破断などはありましたが)、市役所本庁舎が大変なことになっていました。本庁舎の裏手には小さな川が2本流れていて、これが合流し1本になって地下へ入るのですが、この合流個所から水が溢れ、一気に本庁舎方向へ流れ込んでいったのです。普段は水量もほとんどなく、せせらぎのような小川が突如暴れ川のごとく豹変し、1階に入った水はそのまま地下まで流れ地階は浸水しました。そこには庁舎用の非常電源設備があり当然電源消失です。水は本庁舎脇も抜け、先ほどの知人の話にあったように大量の氾濫水となって国道側へと流れていったのでした。

その後、大雨そのものは午後8時頃までには小康状態となったのですが、あの短時間で降った豪雨は各所に被害をもたらしました。市街地から山間部を結ぶ道路はあちこちで土砂崩れの影響で寸断、当園の職員もしばらくの間遠回りをして通勤する事態に。市内の中小河川もほとんどが溢水し、住宅地でも約200棟が床上床下浸水、日立市としてはまさに未曽有の災害となってしまいました。

あれから2か月以上経ち、市役所や道路などの機能は回復しましたが、本格的な復旧事業はこれからです。日立市では、大雨による大きな被害はこれまで特段なかったのですが、今回は突然の線状降水帯発生という予期できない気象条件の怖さをまざまざと見せつけられた格好となってしまいました。近年の気候変動は地球規模で進んでおり、改めて地球温暖化の影響を考えさせられました。

(園長 生江信孝)

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