新ビーバー舎＆展望広場完成！

ビーバーファンの皆様（って、どれだけいるのでしょう？）、長らくお待たせしました。やっと新ビーバー舎が完成しました。新しいビーバー舎とお客様の休憩場所としての展望広場をセットで整備すること約1年。アメリカビーバーが皆様の前から姿を消して約10か月。その間、一体どこにいたんだろうと思う人もいるかも知れませんが、実は園内の動物病院敷地の池にひっそりと暮らしていました。ひっそりと、と言いましたが実はそのオスのコウコウにとって、嬉しいことがありました。コウコウが工事のために仮の池に引っ越してみるとなんとそこにはメスのビーバーが。その名も「のぞみ」ちゃん。コウコウが引っ越す3か月前に千葉市動物公園からやってきて先に仮池の住人（ひと？）となっていたのです。決して広いとは言えないその仮の池に、わりと仲睦まじく同居していた2頭を、この後、工事や水質の検査などを経ていよいよ新居へ引っ越すことになりました。現時点で、引っ越し日は未定ですが、決まり次第ホームページでお知らせしたいと思います。2頭が新居に慣れるまでしばらく時間がかかるかもしれませんが、これまでより広くなった池を泳ぎ回り、ダムを築くビーバーたちにご期待ください（夜行性のため、日中は寝ていることも多いかも知れません）。

もう一つオープンするのが展望広場。これまで動物園では多くの獣舎を整備してきました。動物にとってよりよい環境と来園者にとっても魅力的な獣舎整備のために限られた敷地の中でやりくりしてきましたが、その影響を受けたのがお客様が休んだりお弁当を広げたりする空間です。整備に伴いそうした空間が少しずつ削られていきました。そこで旧猛獣舎の跡を思い切って展望広場として整備し、休んだりお弁当を食べたりできるようにしたという訳です。暑い日差しを避けるため中央部には大きな日除けを設けました。小高い傾斜地にあるので階段状の木製シートで園内や遠く太平洋を眺めながらゆっくりくつろいでいただけたらと思います。なお、ビーバー舎と展望広場はエスケープルートとしてなだらかな傾斜を持ったスロープ園路でつなぎましたので、園内コース選択の一つとしてご活用ください。

そしてこれら工事の完成に伴い、皆さんにご不便をおかけしていたもう一つの難所が解消されました。新猛獣舎「がおーこく」と「クマのすみか」の間の観覧園路はこれまで工事により封鎖されていました。「がおーこく」まで来ると、まわれ右(または左！)をしてUターンせざるを得なかったのですが、ここが通行可となり通り抜けできるようになったのです。順番通り進むともう少しで出口、というところで「戻れ！」と、スゴロクやってるみたいだったのですが、これでスッキリ。そしてその「がおーこく」から「クマのすみか」までの間に、レッサーパンダ舎の2階部分の観覧も可能となりました。1度1階部分のレッサーパンダを見た後、タイミングが合えば帰り際にまたレッサーパンダを見ることができます（動物の移動状況にもよります。また、現時点で2階部分の整備や動物馴致が済んでないので、当分の間は見ることができません）。

このように、昨年の「がおーこく」建設とその流れでの工事完成に伴い、長年工事の影響でご不便をおおかけしていた、園内、特に私たちが北園といってるエリアがやっとスムーズな観覧が新獣舎とともに楽しめるようになりました。動物園では、2007年から長期リニューアルに取り組んでいます。第1弾はチンパンジーの森でした。思い起こせばそれからもう16年も経過しています。私たちの中ではここまでの歩みを第1次・第2次再整備事業と呼んでいましたが、この工事がひとまず終了したことになります。しかし、これでリニューアルの流れが完成したわけではありません。実は、この後も第3次再整備事業として計画書を昨年度策定したところであり、今年度はその1期目にあたる工事の設計を進めるところです。具体的な中身をまだお示しすることはできませんが、今度はふれあい広場周辺と高低差のある園路の解消に向けた整備を進める予定です。順調にいけば来年度以降、また工事により来園者の皆様にご不便をおかけすることになりますが、動物にとってもお客様にとっても、より快適で魅力的な空間づくりを進めていきたいと思いますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

（園長　生江　信孝）