クマさん教室開催しました!

ページID1008257  更新日 令和6年1月24日

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暑さが本格化するなか、先日(7月15日)、動物園では初めてとなるイベントを行いました。主催は日本クマネットワーク(以下、JBN)さんでしたが、その名も「クマさん教室・茨城にクマはいんのけ?(クマはいますか?というこの辺の方言です)」。JBNの活動の一環として日本のクマに関する知識や話題を提供しながらクマと人間との関係を考える取り組みで、大きなトランクケースにはツキノワグマの本物の毛皮や頭骨、ウンチなどの標本、足型のレプリカ、生まれたばかりの赤ちゃんのぬいぐるみ、その他数々のクマに関するグッズや資料が入っており、それをテントの中に展示し、来たお客様に見てもらいながらクマの生態や習性、生活などを知ってもらうというものでした。午前10時30分から15時まで、園内のクマの展示場「クマのすみか」前で「店」を構え、同時に動物園からも実際のクマを目の前にしながら、エサや一日の生活などを紹介していきました。「クマのすみか」は、動物園の観覧コースからすると一番最後の箇所にあるため、割と疲れて早めに通り過ぎる傾向があるのですが、その日はテント前にはたくさんのお客さんが足を止め、実際の毛皮や赤ちゃんぬいぐるみ、ウンチ標本などに触れ興味津々の様子が見てとれました。

また、この公開教室とは別に、課外授業と称してJBNさんからの特別講義を動物資料館で行いました。11時30分からは「茨城県にクマは生息するのか」というテーマで東京農大の山崎先生から、13時30分からは「クマにあったら」というテーマで多摩動物公園にも勤務する中島様からお話を頂きました。どちらもとても興味深い話で、特に近年、茨城におけるクマの目撃情報が相次いでおり、実際定着しているかどうかはまだ不明の部分もあるものの、着実に入ってることは間違いないようです。会場からの質疑でも、実際見たという人が、その時の状況を興奮気味に話していました(ただ、全身を見たわけではなく体の一部だったそうです)。先生の話では、特に福島第一原発の爆発以降、人の居住できなくなった地域に顕著にクマが増えており、行動範囲の広いオスなら一時的に入ってもおかしくはないし、もし仔を抱えたメスなら行動範囲は狭く定着される可能性もあるでしょうとのことでした。「クマにあったら」というお話も面白く(と言ったら語弊がありますが)、会いたくはないけど見たい気持ちはある、でも会いたくない、という複雑な心境の私なども単独で山へ行く機会があり、非常に参考になりました。特に、人間の存在を知らせるために鈴や呼び笛以外にも、恥ずかしさをこらえて「ほいほーい」と大きな声を出すということも貴重なお話でした。もし会った場合の対処法なども実演を交えて展開していただき、会場も大いに盛り上がりました。

1日だけのイベントでしたが、多くの方に今回のイベントは影響を与えたのではないでしょうか。クマは本来私たち人間と同じように昔からこの日本に生息していました。それはシカやウサギなどと同じように自然の生態系の一部であったに過ぎません。人間の社会活動が拡大化していくにつれ元々交わることのなかった生息域がクロスするようになっていき、様々な事故やトラブルが発生するようになりました。悲惨な事故は決して起こしたくはありませんが、この狭い国土の中でいかに共存していくかを考えるきっかけになったのではないでしょうか。JBNさんの活動が、これからも継続され多くの方にクマと人間というテーマを伝えていけることを期待したいと思います。JBNさん、そして参加された皆様、ありがとうございました。

(園長 生江信孝)

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