×
閉じる

staff blogスタッフブログ (動物園ブログ)

飼育員のたまご、獣医のたまご

2016年9月22日

みなさんは動物園でお仕事をしてみたい!と思ったことはありますか?

また、動物園でお仕事をするって、どんなイメージでしょうか?
 

「毎日動物たちと一緒にいれて楽しそう♪」
「かわいい動物たちと働けるなんて幸せ!」

トラ・くつろぎ

シカと2ショット
というイメージをもたれる方が多いかもしれません。

でも、本当にそれだけなのかというと・・・


・動物園ではどんなことをしているのか?

・動物園は何のためにあるのか?

・その実現のために職員は何をしているのか?

・どうやったら飼育員になれるのか?


飼育員の仕事


など、具体的なことは意外と知られていないのが現実だと思います。


そう気づかせてくれるのが、来園者のみなさまでもあるのですが、
動物園で働くことを夢みる”実習生”でもあります。
今回は、動物でもイベントでもなく、”実習生”について、ちょっと紹介させてください。


 かみね動物園では実習生に、

・有意義な時間をすごしてもらうために

・動物園の役割や私たちの考えを知ってもらうために

・ひとつでも多くのことを学ぶ・考えてもらうために

 ”課題”を設けています。


課題は、実習の種類にもよりますが、動物についてのガイドだったり、看板づくりだったり…

実習生
普段から私たちも感じている、「伝える」ことの大切さや難しさを知ってもらいたくて、課題を設けることにしました。

といっても、私たちも、動物園職員としても人間としてもまだまだ新米。
果たしてそんな大きな意味のある実習にしてあげれているのか、いまいち自信はありません…。


毎年、飼育の実習生は多く来てくださるのですが、今年は獣医の実習生がきてくれたので、今回はその学生さんについてご紹介します。

獣医学部2年生(獣医学部は6年制の大学です)で、初めての実習をしに、かみね動物園に来てくれました~

今回は、剥製の作製を手伝ってもらいました。

獣医実習生 
 

動物園で展示している動物は、日本にいない動物や絶滅が危惧されている希少な動物がほとんどです。

でも、命がある限り、残念ながら命に終わりもあります。

動物が死んでしまって、その原因を追究した(これを”剖検”といいいます。)後は、希少な動物たちを剥製や標本などにして、なんらかの形で残しています。

 剥製


動物を剥製・標本にすることで、

・近くで、よーく観察できる

・触ることができる

・長く保存することができる

・動物の形や生活のしかた、進化の過程などの研究に活かせる

ようになります!


こんなふうに、動物たちの命は終わってしまっても、より多くのことを学べる・伝えられるようにしてくれるのが剥製・標本です。
 

この剥製や標本を作るということは、一般的には、獣医の仕事というよりは、”学芸員”の仕事です。

でも、日本の動物園に専属の学芸員さんがいることは少ないので・・・
業者さんや大学に頼むこともありますが、かみね動物園では、へたっぴなりに(泣)私たち獣医師がやっています。

剥製

 

先日、8月の台風に飛ばされてしまったのか(?)、衰弱したコアホウドリという鳥が保護されてきました。
 
コアホウドリ
(http://www.alohaainaecotours.com/wordpress/?p=1834 より)

日本では小笠原諸島で繁殖記録があるくらいで、普段はなかなか見ることのできない野鳥です。

自然に返せるよう治療を行ったものの、残念ながら亡くなってしまいました。


約30年勤めている先輩獣医師も、コアホウドリの保護は3回目くらいのようで・・・

単純に考えて、10年に一回しか出会えないという計算。希少です。


これは、来園者のみなさまに見てもらいたい!いつか研究用に利用していただきたい!
という思いがふつふつわいてきて、形に残すことにしました。

その名も仮剥製(かりはくせい)!
姿・形がしっかりしている本剥製(ほんはくせい)とは違って、臓器を取り除いて、羽や毛、一部の骨だけを残した簡易的な剥製です。

仮剥製
(↑仮剥製:皮膚に防腐処理をしています。体のふくらみは綿をいれてつくっています。一部の骨や筋肉だけを残します。)

本剥製

(↑本剥製:生きていた頃の形を再現しています。骨や筋肉もまるまる残っています。)
 

言葉で、”剥製をつくる”といえば簡単なのですが、これがまた大変な作業なんです。

今回の仮剥製作りにも、約5時間くらいかかりました・・・


実習生にとっても、強く印象に残ったようで、「実習で学んだこと、来園者に伝えたいと思うことを看板にする」という課題の題材にも選んでくれました。

そこで、完成したのがこちら!
仮剥製完成

実習生・看板完成

剥製がたくさん並んでいる、どうぶつ資料館に掲示してあります。


なんだか、実習生のことを紹介するつもりが、獣医の仕事の話、日本の動物園事情、剥製の話と、あっちゃこっちゃにいってしまいました・・・


とにかく、来園者のみなさまにもそうであるように、

私たちは

実習をしにくる未来あるたまごたちにも、
動物園が目指していること・私たちが考えていることを知って、なにか感じてもらえたらな~

という思いで実習を受け入れています。

集合写真 

熱くて、ゆであがりそうな・爆発しそうなたまご、大募集中です♪
実習の詳細は、HPでご確認ください。
http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/001/p050568.html 

(ゆであがりそうなたまごだった頃が懐かしい 獣医・あきば)
 

2016年9月22日