先日の土曜日曜は、そこに合わせてくれたかのように動物園内の桜が満開を迎えていて、初夏のような暖かな陽気も相まってたくさんのお客様で賑わいをみせていました。
年度初め、希望の春に合わせて、私たちを楽しませてくれる桜。癒しや前向きな気持ちにもさせてくれます。
膨らんでいく期待のつぼみの頃、開花し、咲き始め、満開の桜もそれぞれ楽しいものですが、これからの散りゆく桜、葉桜もまたなんとも良いものです。
桜と動物というのも良いものです。
寒く厳しい冬を過ごしてきた動物たちも、暖かな春の日を気持ちよさそうに過ごしています。
より活発に行動し始め、冬毛から夏毛へと換毛をする時期でもあります。
クジャクは盛んに羽を広げ、シカの角は取れ、新しい角がぐんぐん伸び始めています。
子育てをし易いこれからの時期に合わせ出産をする動物も数多くいます。
桜だけでなく、様々な種類の植物が新しい芽を吹き始める時期でもあります。
春の山菜、タラの芽、コシアブラ、コゴミ、タケノコ…てんぷらや煮物でいただく春の味覚は何とも言えません。
私たちの目を楽しませてくれて、野菜や果物、葉といった食料も提供してくれる植物。
私たち生き物は、植物と共に生きていて、その恩恵なしには存続していけないといってもよいかもしれません。
食物としてだけでなく、住居、生活のすべてという種も多くいます。休息場所、移動手段、日陰として、隠れ家として利用させてもらっています。
二酸化炭素を大量に吸収して酸素を提供してくれて、大気や気候の調整も行ってくれている植物に感謝の気持ちを忘れてはならないなぁと改めて思いました。
リスザル ヤマモモの木を利用しています。
マーラ 生い茂ったキウイの葉の下を日陰として使っています。
キウイの実は、隣のアナグマ、チンパンジー、サルの仲間たちにおすそ分けしました。
チンパンジー 参加者に苗木や樹木を植えてもらっている森づくりイベント
桜吹雪、春の心地の良い陽気の中、
植物のありがたみと併せて、温暖化や感染症のこと、地球の環境のことを考えてみるのも良いかもしれません。
(飼育員やまうち)