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staff blogスタッフブログ (山下のブログ)

ご質問にお答えします!!

2022年6月12日

園長への手紙

ある日のこと、園長に声をかけられ「園長への質問にクマに関する質問があったんだけど、担当者から答えてもらった方がいいよね?」とお話があり、1枚の紙をもらいました。

園内にある動物資料館には【園長への手紙】というコーナーがあり、日々来園者の皆様が記入した質問や感想に1つずつお答えしています。

いつもたくさんの質問に返信を書いている園長。

たくさんの返信をするのはすごいな~と思っていたのですが、今回はそんな園長直々にお話をいただきましたので、代わりに担当者の自分がご質問にお答えさせていただきます!

そのご質問お答えします!

今回いただいたご質問の内容がこちら。

 質問

(赤部分は個人情報なので塗りつぶさせてもらいました。)

まず内容を細かく分けさせていただくと、

(1)ツキノワグマ、ヒグマの飼育方法の違い。

(2)エサ (3)気温 (4)環境エンリッチメント  等で工夫していることの4つに分けてお答えしていきます。


まず(1)ツキノワグマ、ヒグマの飼育方法の違い。についてです。

飼育方法に特に違いはありませんが、ツキノワグマに比べヒグマの方が体も大きく、力も強いので何か新しいものを設置する際には同じものでもヒグマの方が耐久性などに気をつけています。

また当園のヒグマは2頭とも雌なのに対し、ツキノワグマは雌雄で飼育しています。

数年前にはナオ♂、べべ♀の繁殖を試み同居をしてみたのですが、妊娠出産まではいたらず、べべはツキノワグマとしては現在23歳と高齢となったため、繁殖の計画はありません。そのためヒグマは外の展示場に2頭一緒にいるのに対し、ツキノワグマは基本的に午前ナオ、午後べべと分けて外に出ています。

ちなみに本来クマは繁殖期以外は単独で行動する動物であり、オトナのクマが一緒に行動することはまずないのですが、ヒグマのアイ・エリコは北海道の動物園で生まれて以来、ずっと同じ場所・環境・同居などの条件で生活しているため2頭で同居できています。



次に(2)エサについてです。

毎日のエサの内容は同じものをあげていますが、前述したようにようにヒグマの方が体が大きいため量が少し多めです。

また、野生下では季節により採食量に変化があるため、2種ともに季節に合わせて当園でも季節に合わせ量を多少増減しています。

毎日のエサではないのですが、季節によって採れる木の新芽や果実などもあげています。

園内で採れる柿やカシの木の新芽、桑の葉や実、公園内に生えているジューンベリーなど、かみね動物園、公園内には自然の恵みがいっぱいです!

動物たちも同じエサだけではなく日本の四季に合わせたものは好きらしくよく食べてくれます。

か   こ

【園内で採れた桜の枝葉、実もついてます。】  【水で溶かした蜂蜜にリンゴをいれ凍らせたもの。】



次に(3)気温について。

2種共に日本に生息しているクマで、寒さには比較的強いため冬場は特別気をつけていることはありません。(それでも0度を下回るような日にはヒーターを入れます。)

逆に夏場の暑さは苦手なため、日中から水をまいたり、上記の凍らせた果物をあげたり、夜間は扇風機をかけたりと、体温を下げる工夫をしています。



最後の(4)環境エンリッチメントについて。

環境エンリッチメントについては様々なことを行っています。

環境エンリッチメントと一括りにすると、とても難しいのですが来園者の皆様から分かりやすいのは採食時間の延長や、行動の多様化を図ったフィーダーの設置などを行っています。

また3月の終わり頃に展示場にオオムギとイタリアンライグラスという種をまいたりもしました。

新芽が出てきた5月のはじめ頃にはツキノワグマ・ヒグマともによく食べていたのですが、すぐに食べ尽くしてしまったり、土を掘り返したことで現在はほんの少ししか残っていません…

クマは体も大きい上に力が強く、賢く、なおかつ木などにも登れるため展示場に何か設置したりする際にも、壊されないか?脱柵に繋がらないか?危なくないか?など、考えることが多くエンリッチメントに非常に気をつけています。

ぼ  い

【ヘイボールで遊ぶナオ】    【分かりにくいですが、種をまいた展示場】

答えになっていますか?

と、ご質問に回答させてもらいましたが、どうでしたでしょうか?

園長への質問は実は飼育員も回覧しており、来園していただいた皆様のご感想をダイレクトに聞くことができて毎回密かな楽しみにしています。

かみね動物園はとても大きい動物園ではありませんが、こういったアットホームなところが売りだと個人的に思っています。

動物園に来園された際にはぜひ飼育員に質問などしてみてください!

ちなみに当たり前ではありますが、自分はクマのすみかの近くにいる事が多いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ね

【仲良くお昼寝中のアイ・エリコ】

(質問された方はホッキョクグマがお好きのようですが、自分はクマはどの種でも好きです。 やました)

2022年6月12日

新米ゾウ担当奮闘記。第三章。

2022年6月5日

あっという間に3年目…

皆さん、こんにちは。

前回のブログから約1年ぶりということで、ゾウ班配属からあっという間に2年が経ちました。

前回、前々回とゾウ班に入ってからの心境や、2頭のアジアゾウのことについて書いてきましたが、今回もその続きです。

前々回   →   新米ゾウ担当奮闘記。

前回      →   新米ゾウ担当奮闘記。第二章。

今年度も自分個人の担当替えはなく、ゾウとクマ担当での日々を送ることになりそうです。

あお

(快晴の空の下、青草を食べるスズコ。)

日本にいるゾウの未来を考える。

ゾウ担当になり昨年行われた「ゾウ会議」にも出席させてもらいました。

全国のゾウ飼育園館とJAZA(日本動物園水族館協会)が中心に研究発表や、事例報告、情報共有などをして飼育方法、環境、研究などの向上を目的に行われている会議です。

今日の動物園において研究という分野に力をいれることはとても重要であり、飼育動物を通して野生動物ではまだまだ解明されていないことや、動物の未知な部分を研究していくことが必要とされており、そういった調査研究の発表の場としてもこのような会議が年に数回行われています。
ゾウに限らず、キリンやホッキョクグマなど様々な動物種でも同じような全国の会議が毎年行われています。
あいにくコロナ禍であったため全面リモートでの実施となりましたが、多くの発表を聞き当園のミネコ・スズコのために活かすことのできる情報があった有意義なものとなりました。


会議の内容を全てお話することはできませんが、今回の会議で自分が一番気になった話題を1つだけご紹介します。

日本にはアジアゾウ、アフリカゾウ、マルミミゾウが合計で約100頭飼育されています。

約100頭と聞くと多く感じる方もいるかもしれませんが、最盛期からは大幅にその数を減少させています。

日本の動物園にいるゾウはこれからどうなってしまうのでしょうか?

動物園に寄せられる質問で「どこから捕まえてきたのですか?」ということをたびたび聞かれるのですが、昨今の動物園では野生から捕まえてきた動物を飼育することはほぼありません。

日本の他の動物園で繁殖した個体や、海外の動物園から交換などでやってきた個体がほとんどです。

国際的な動物に関する法令が厳しくなる中で、海外からの動物の移動も難しくなりつつあります。

そのなかでもゾウの移動は厳しく制限されており、さらにゾウ自体の高齢化や、繁殖の難しさが日本での減少傾向に拍車をかけ、ゾウは遠くない未来日本で見られなくなる可能性が高いと言われている動物の1種です。



当園にいるアジアゾウのミネコ・スズコ。

ゾウの寿命が60年くらいといわれるなか、2頭の年齢も現在40才・41才と決して若くなく、もしも2頭が亡くなってしまったら今後かみね動物園ではゾウ飼育はどうなるのか…完全に未定の状態にあります。

少し重たいお話しをしましたが、明るい話もあります。

東京都の上野動物園では新しく2020年にオスのアジアゾウが生まれたり、北海道の円山動物園では2019年に4頭の、愛知県の豊橋総合動植物公園では2021年に3頭のアジアゾウが海外からやってきました。

前述したようにもちろん海外からの導入の過程は容易ではなかったと聞きます。

その過程のなかでゾウという動物を市民全体で考えなければならないという話がありました。

動物園のなかでも最も飼料費が高額であり、福祉や大きなからだに考慮した飼育スペースや環境も必要で、なおかつ新規の導入は厳しい状況。

かみね動物園は市で運営している動物園です。動物園もそこにいる動物たちも市民全体の大切な財産です。

ゾウを飼育するということ、それにかかる現実的な費用や施設、ゾウ達の福祉に考慮した飼育方法…

今いる動物たちを大切に飼育する一方で未来の動物園を考えたとき、その未来像は飼育員や市役所のなかだけではなく、市民の皆さんと一緒に考えていかなければならない重要な問題だと思いました。

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(2頭仲良く青草を食べる様子。)

ミネコ・スズコがより健康で、より長く暮らしてもらえたらと思います。2頭のためにかみね動物園のゾウ飼育の在り方がもっともっと良い方向に行けるように頑張らねばと会議を通して感じました。

これからも。

と、全国規模の大きな会議に出席させてもらい改めてゾウのことについて考える機会となりました。

学んだことを活かし、ミネコ・スズコがより健康で、より長生きしてもらえるように出来ることを探していこうと思います。

ゾウ担当も3年目になります。フレッシュな気持ちを忘れずに少しは成長していけるように日々精進していきたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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(春の陽気で外でも気持ち良さそうにお昼寝中のミネコ。)



【最近好きなスポーツでの衰えが著しい やました】



2022年6月5日

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