人気・不人気ともに常に上位を占める、ヘビ。
ニシキヘビのふれあいをしていると、よく子供たちから『ヘビさんのおうちはドコ?』という質問を受けます。
実は動物園にはヘビの部屋が3部屋ありまして、そのうち2部屋はみなさんからご覧になれないところにあります。
どんなお部屋なのかしら?突撃訪問してみましょう!
コチラ、みなさんがご覧になれるヘビの部屋です。「サルの楽園」に居候しています。主にゆっくり休みたいビルマニシキヘビが住んでいます。
なぜココにいるかは動物園の七不思議のひとつ、あまりお気になさらないでください。
さて、これから突撃訪問開始!!
まずは一部屋目。ちなみに建物は鉄筋平屋建てです。
あらら、ビルマニシキヘビ、アルビノのナナコちゃん入浴中でした、失礼しました。
それほど広くないワンルーム、風呂ありです。
隣の102号室?の様子です。
ビルマニシキヘビのマルとボールニシキヘビ3匹が同居、こちらも風呂あり、ただし共同。
両部屋とも、秋口から春先にかけて暖房完備です。ビルマニシキヘビは体調などにより3部屋を行ったり来たりしています。
3メートル近くあるヘビたちには約1メートル四方くらいのお部屋は狭い感じがするかもしれませんね。ヘビはあまり動かないことが多いので、それほど大きな部屋は要りません。
ヘビは野生でも定期的にエサをとれるわけではありません。やっと見つけたエサも百発百中捕まえられるわけではなく、空振りの連続…何カ月も食べられないこともあるんですね。ですから、体力温存のために必要以上は動かない、じっとしていることが多いのです。
ヘビはとぐろを巻く、というイメージを持つ方も多いと思います。完全な渦巻き型の形ばかりではなく、上の写真、ボールニシキヘビがとっている体制のようにS字型にまとまって小さくなっている姿もとぐろを巻く、と表現されます。部屋の中でもとぐろを巻いていることが多いです。
そこで、3メートル近くあるマルちゃんのとぐろ状態を測定してみましょう。
綺麗な渦巻き型になっているマルちゃんの直径を計ってみます。
60センチメートル弱でした、こじんまりとまとまってしまうもんですね。
とぐろを巻くというのは、360度全方向警戒し、攻撃や防御を行うことが出来る意味と、すぐに動き出せるという意味があります。
前述については、伸びたままでは3メートル先の尻尾を攻撃されたとしてもすぐに反撃することはできません。小さくまとまっていれば小範囲で防御することもできます。
後述については、ヘビは名前の通り蛇行しながら進みます。体をくねらせ、S字になって支点を上手に使って進むのです。体が伸びていると一度くねらせるまでひと手間かかりますし、もともとある程度くねっていた方が動き出しが早いのです。
ですから、比較的小さな部屋でもOKというわけです。
ひきこもってばかりいないで、少し太陽を浴びて運動しろ!というわけで、主に休日に交代でヘビを外に出してみなさんにふれあってもらっているわけです。
ヘビにしてみれば気持ちいい?いい迷惑?
見ての通り、瞬きもできず表情ひとつかえないのでヘビの気持ちはわかりませんが、疲れることもあると思うので交代でふれあってもらっています。というわけで、『あれ?今日は白いヘビじゃないの?』という方もいますが、色々なヘビとふれあって感触を確かめてみてください。
将来はいつでもたくさんのヘビを見てもらえるお部屋に引っ越しできたらいいな、と思っているのでした。
(しいくいん たかはら)