5月16日、アジアゾウ「スズコ」のキバ切りを行いました。
ゾウといえば、長い鼻と大きなキバを想像します。
アフリカゾウには、オスメス共に大きなキバがありますが、アジアゾウの場合は、オスには大きなキバがありますが、メスは小さいか無いか、といわれています。当園はアジアゾウのメス2頭で、「ミネコ」のキバは抜け落ちてしまったのでありませんが、「スズコ」には左右にキバが生えています。キバは一生伸び続けるので、ある程度伸びるとキバを切ります。伸び具合を見つつ、だいたい2~3年に一度行います。
・なぜ切るの?
当園でキバを切る理由は3つあります。
⑴「ミネコ」を守るため
じゃれあっているとき、またはケンカのときにはキバが武器になってしまうので、「ミネコ」が不用意なケガをしないように…。
「きゃー、スズコやめて~」
⑵物を守るため
ゾウは好奇心旺盛な生き物。気になるものがあると取りたい(壊したい)という衝動にかられてしまうようで、体全体(鼻で巻く、押す、足でける、キバで押すなど)を使って任務を遂行しようとします。ゾウ舎自体は頑丈に作られていますが、ちょっとでもやわな所があると…。伸びたキバを上手に使うことができるので悪用?される前に…。
⑶飼育員を守るため
キバは位置的に私たち飼育員のちょうど頭の高さにあります。何かのはずみで、頭にゴンってきたら…。
「うー、スズコやめて~」
という事で、危険防止、回避の意味でキバを切ります。
・切る道具は?
ここでクイズです。硬いキバはどれを使って切るでしょう。
「はさみ」 「金属用金刃」
「木工用ノコギリ」 「チェンソー」
答えはのちほど。
・どうやって切るの?
ゾウが立ったままでは切れないので、横になってもらいます。
「座って~」 「横になって~」
「鼻上げて~」
次に鼻を上げさせて、切りやすい位置を決めたら一気に切ります。
「いっき」 「いっき」 「いっき」
「ふぅ、切れた!」 「ヤスリで整え出来上がり」
はい先ほどのクイズの答えです。正解は金属用金刃でした!
当初、3分くらいで切り終わる予定だったんですが、そのときの体力(飼育員)や切れ味(ノコギリ&飼育員)が今ひとつだったので、10分少々かかりました(いつも通り)。
「手のひらサイズの9cm」
今ひとつの原因
その日は暑い日で必要以上に汗が出た(飼育員)。
中古のノコギリ(右キバを落とした後のノコギリ)だったので、切れが悪くテンションが下がった(飼育員)
・短くなっても大丈夫?
心配ご無用。困ることはありません!
あっ、「ミネコ」と見分けるポイントの一つなので、みなさんが困るかも…。
「あれっ?どっちがスズコ?」
キバを切っている最中は、ムズかゆいのか体を動かします(痛くはありません)。その時にノコギリの刃が折れてしまうこともあります(今日ところは3本で済みました。300円相当)
そんなこんなで汗水垂らして切り落とし、ヤスリで擦って完成です!!
「バッチリ!」
今回のキバ切りも無事に終わり、ホッとしたのと同時に、なかなか収まらない呼吸の乱れに、次回のキバ切りまで体力が持てばいいな~と思う年頃。
まだまだキバるよ~ 飼育員 おおうち