動物たちの名前(愛称)のつけ方は、当園で生まれた場合、
(1)両親にちなんだ字をとる。
(2)一般公募で多いものを選ぶ。
(3)担当者まかせ。
などなどのいずれかによって決められます。また、新しく入ってきた動物の場合、
(1)以前飼われていた所の愛称を引き継ぐ。
(2)一般公募。
(3)担当者まかせ。
などになります。
タンチョウ舎
タンチョウ舎のケージには、「鶴正(つるまさ)」「鶴夫(つるお)」という名前(愛称)が貼ってあります。「タンチョウ」という種名よりも大きく表示されているため、誰もがタンチョウと発するよりも先に「鶴正、鶴夫、すごいねぇ~、立派な名前だねぇ~」と口にします。
「鶴夫」 「鶴正」
タンチョウの語源は、漢字で書くと「丹頂」→「丹」あか。「頂」一番高いところ、あたま。
頭が赤いところからきています。この赤い所は羽根ではなく、皮膚になっています。
小屋を清掃している時、通りかかったお客さんに「日本の国鳥はなぁに?」というクイズを出します。時折、タンチョウと答えてくれますが、残念ながらタンチョウは、特別天然記念物の指定で千円札の裏の印刷止まり…。ももたろうのお供のニホンキジに国鳥の座(一万円札の裏の座)を譲ってしまいましたが、首と風切羽の黒い羽根がなければ、日本の国旗と同じく、赤と白の完全なるツートンカラーで間違いなく国の代表になれた。はずなのに…。
今いる2羽は親子関係で、父親の1985年生れの「鶴夫」と、1998年当園で生れた息子の「鶴正」。性格は「鶴夫」の方がおっとり型で、「鶴正」は神経質。と言っても、性格と見た目では判断がつかないので、見分けるポイントは足を見て足環(あしかん)がついているのが「鶴夫」です。
若かりし頃の「鶴正」 足環
「前担当者の初恋の名前なのだろうか?」そんな勝手な瞑想に思いを馳せつつ、名もなき2羽に授けた愛称「鶴正」「鶴夫」。見たら一度は呼んでみたい、実に味わいのある響きに、決して単調な名前ではない。と思うのは自分だけでしょうか?
(頂きがツルっとしている飼育員 おおうち)