気が付けば年も明けもう2月…
大変遅くなりましたがイチゴちゃんがお母さんになりましたブログ第5弾です!
イチゴちゃん
その1
https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/blog202109.html
その2
https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p098236.html
その3
https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p100483.html
その4
https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/blog202112.html
ブログではご紹介していなかったので今更ですが、赤ちゃんは「チヨ」と名付けました。
生後約1ヵ月のチヨちゃん
2011年に生まれたゴウちゃん、2012年に生まれたリョウマ君はそれぞれ両親の名前を取り入れ、さらに当時の担当者の一人が大河ドラマ好きという事から登場人物の名前を拝借していたので今回もその法則になぞって名付けました。
チヨちゃんの事は気になるけど上手く抱けない、もどかしい状況が続きました。この様子だとお母さんであるイチゴちゃんに戻すのはなかなか難しいかもしれない…そう考えることが増えていきました。
そんな中でイチゴちゃんに発情回帰の兆候がみられました。チンパンジーは赤ちゃんが生まれ子育てを始めると多くは発情がとまり、だいたい5年ほど経つと次の繁殖がみられます。
必ずとは言えませんが発情(排卵)が回帰するということは母乳がつくられなくなったり、十分な量が出なくなる可能性も高くなります。もし今イチゴちゃんがチヨちゃんを抱くことが出来ても、母乳が出なければ育つことが出来ません。もちろんミルクで補うことは出来ますがチンパンジーの赤ちゃんはずっとお母さんにくっついています。
マツコお母さんにくっついている1歳の頃のリョウマ君
お互いの安全面を考えチンパンジーと同じ空間に飼育員がはいることはありません。そうなると抱いている赤ちゃんを連れてきてもらい、格子越しでミルクをあげられるように顔を向けてもらうようにするか、一時的に赤ちゃんを置いて行ってもらうといったとても難しい行動をしてもらわなければいけなくなります。
絶対に無理ではありませんが行動を引き出すのにある程度時間がかかる事を考えた時に、チヨちゃん自身が自らミルクを飲みに来られるようになるまで人工保育を続けた方が早く群れの一員として過ごせる可能性が高くなると考えました。
長いチンパンジーの一生を考えた時に出来るだけ早い段階で群れの一員として過ごせるようになる事は大切です。群れで生きていく術を幼い頃から学んでいく必要があるからです。
ただ早い段階で群れに戻るには守ってくれる存在が必要となります。
人工保育となった後、1歳でヨウお母さんの元に戻り群れの一員となったゴウちゃん
イチゴちゃんは頑張ってはいるけれど抱くという行動が出来るようになるまでに時間がかかりそう…
そういった中で代理母に預けるという選択を考え始めました。
チヨちゃんとのお見合いではヨウちゃん、マツコちゃんの反応がとてもよく、格子越しながら常に優しく触ってくれました。フクちゃんも興味津々でしたがまだお引越ししてきて日も浅かったので今回候補からは外すことにしました。
代理母にはなれないけれど興味津々なリョウマ君とチヨちゃん
ヨウちゃんもマツコちゃんも最初は人工保育となってしまいましたがそれぞれゴウちゃん(昨年3月にズーラシアにお引っ越し)、リョウマ君を子育てしてくれたお母さんたちです。
ただヨウちゃんは51歳と高齢なことから無理ではないけど厳しいかなと考え、普段からの飼育員との関係性も考慮しマツコちゃんを代理母候補としました。
その5はここまで。
更新が遅くて毎回申し訳ないのですが最後まで必ず書ききりますので、のんびりお待ち頂ければと思います。
(チンパンジー担当 おおぐり)