4月27日チンパンジーのリョウマ君が3歳になりました。
前日の26日にはお誕生日会を開催。担当者のお話や、ケーキの盛り付けなどたくさんの方が一緒にお祝いをしてくれました!
ケーキは二人とも食べられるように2個盛り付けをしてもらいましたが果たしてどうなるか…
はい…リョウマほぼ食べられず…マツコお母さん必死で2個食べようとしています…
でも最終的には何とか食べられた様子です。よかったよかった
「自分ばっかり食べて子供に譲らないの?お母さん優しくない~」と思うかもしれませんが、マツコはとっても素晴らしいお母さんです。
今年で37歳になるのですがリョウマが初めての子供。チンパンジーは早いと10歳ちょっとで初産を迎えます。なのでマツコが妊娠した時は驚きました。初産としは国内最高齢(34歳)でした!
ただ色々な理由が重なりリョウマは未熟児で生まれてきました。平均出生体重の半分、950gしかありませんでした。これだけ小さいとベテランのお母さんでも育てるのは難しいことから飼育員が育てる人工哺育になりました。
マツコ自身も人工哺育のためチンパンジーがどうやって子育てするのかを知りませんでした。人工哺育の場合子供を生んでも理解が出来ず抱くことや育児ができないこともあるのですが、マツコはしっかりとリョウマを抱いていました。担当者たちはその事がとても嬉しかったため、引き離すのが辛かったのを覚えています。
あまりに小さいリョウマがしっかり育つのか不安もありましたが、体重もぐんぐん増え、体調を崩すこともなく元気に大きくなりました。
格子越しでの哺乳が出来るようになったこと、フルーツ類を口にするようになったことから約10カ月でマツコのもとへリョウマを返しました。
この時もマツコはすぐに受け入れ、抱っこをしてくれました。人工哺育中に子供のことを忘れてしまい、「この子は誰なの?」と受け入れないチンパンジーも少なくはありません。この時もマツコの対応に感動してしまいました…
リョウマはその後群れの一員としてすんなり認められ、みんなに可愛がられながら元気に大きくなっています!マツコリョウマ親子には実はこんな歴史があったんですよ。
リョウマは近頃ゴヒチお父さんの真似をしてディスプレイ(誇示行動)をしたり、マツコから離れて食事をしたり少しずつ子供から抜け出そうとする行動が見られます。でもまだまだ甘えたい年頃でもあるので、マツコの背中に乗っかって移動したり仲の良い姿も見られます。
(チンパンジー担当 大栗)