1ヶ月前のご報告となってしまいますが、2月7日でチンパンジーの「ゴウ」ちゃんが4歳になりました!
当日は土曜日ということでお誕生日会を開催!集まってくれた方々と食パンにヨーグルトを塗った土台にフルーツを盛り付けケーキを作成しました。(ヨウお母さんに取られてもいいように2個作りました)
ヨウお母さんに奪われそうになりましたが何とか一つはゲット!他のチンパンジーたちに奪われぬようタワーの上で食べていました。
元気にチンパンジーの群れの中で4歳をむかえられたのは生まれた時のことを思い返すとちょっと信じられず、嬉しい気持ちです。
ゴウは生まれた時から1歳をむかえる少し前まで人工哺育といって飼育員が育てていました。
人工哺育をしていると「母親代わりになれて良いな」「可愛い時期を一緒に過ごせるなんてうらやましい」と言われることもあります。
実際に可愛いですし、母親代わりになるのですが、飼育員としては出来るだけ人工哺育は避けたいと思っていました。これは大変だからということではありません。
人間が育てるということは赤ちゃんにとって頼るべき存在が人間となり、自分がチンパンジーであるという意識が薄くなってしまう可能性が高くなります。また群れで生活するのに必要なコミュニケーションの取り方などを学ぶこともできません。
こうなると大きくなってからチンパンジーの仲間に入りづらくなります。「ずっと一緒にいればいいんじゃないですか?」とも言われますが、チンパンジーも大人になれば体重が40~60kgちかくになります。また力もとても強くなり、本人に悪気がなくても飼育員が怪我をしてしまうこともあります。もしチンパンジーによって怪我をした場合みなさんはどう思いますか?凶暴で野蛮な動物なんだ、と思ってしまいませんか?こうした間違ったイメージがついてしまうのはとても悲しいことです…
実際のチンパンジー達は子供が大好きで大人も一緒に遊びます。仲間を大切にし、群れの空気を読みながら生活しています。野蛮なんてことはありませんよ。
さらに50年前後と長い寿命をもつため、もし仲間に入れなかった場合長い長い期間をずっとひとりで暮らしていかなければなりません…
そんな人生(チンパンジー生?)を送ってほしくなかったため、ゴウにはできるだけ早く群れに帰ってほしいと思い試みを続けていきました。
小さなゴウにとって辛い時期もあったかもしれませんが、母親のヨウも一生懸命に愛情を注いでくれ1年とちょっとで群れの仲間として認められみんなと過ごせるようになりました。
ゴウとヨウ親子。右の写真は1歳のお誕生日に一緒にケーキを食べているところ
なんだか長いブログとなってしまいましたが、とりあえずゴウが無事にみんなと一緒に4歳を迎えられたことは何よりも幸せなこと!
まだまだ遊びたい年頃のゴウは毎日元気に駆け回っています。花粉が辛いですが、少しずつ暖かくなり動物園日和も増えてきます。ぜひ遊びに来てくださいね☆
(チンパンジー担当 大栗)