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staff blogスタッフブログ (大栗のブログ)

イチゴちゃんがお母さんになりました!その4

2021年12月1日

お待たせいたしました。ブログ第4弾です!

イチゴちゃん

イチゴちゃん

その1

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/blog202109.html

その2

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p098236.html

その3

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p100483.html

3日目の同居ではあともう少し!といった良い状態の同居でしたが、4日目の8月12日の同居では赤ちゃんの顔を触ったりもしていましたが、前日のような必死さはありませんでした。赤ちゃんに対する興味が少しずつ薄れているように感じられました…

赤ちゃんの顔を触るイチゴちゃん

赤ちゃんの顔を触るイチゴちゃん

さらに次の日以降は寝室に赤ちゃんを見せに行っても寄ってこず、寄ってきても自分の背中を見せて「触ってほしい!」、「遊んでほしい!」とアピールする事が多くなってしまいました。

ただ、イチゴ自身出産後のホルモンバランスなどの変化のせいかイライラしている様子で体を掻きむしったり、かじったりしてしまい日に日に傷が増えていきました。また母乳も少しずつ垂れてしまうのか胸の周辺がかさついてしまったり、赤ちゃんだけでなくイチゴちゃんのケアも改めてしっかりしてあげる必要がありました。

体に傷が増えてしまったイチゴちゃん

体に傷が増えてしまいました(現在は傷はありません)

他のチンパンジー達といつも通りに暮らしてもらう日々を過ごし、1週間ほど期間を置いた8月19日に再度赤ちゃんとの同居を行いました。

赤ちゃんは何かにくっついていないと不安になるため人工保育中はタオルやぬいぐるみを抱いてもらっていました。

タオルを抱く赤ちゃん

タオルを抱く赤ちゃん

しかし同居の時にはこれらを抱かせずに行ったため激しく鳴きだしイチゴちゃんはかなり興奮した状態になってしまいました。そのせいか一緒にしてすぐ赤ちゃんの腕を持って振り回してしまい、さらには投げ飛ばしてしまいました…

藁をたくさん敷いていたためケガはありませんでしたがこれにはかなり焦りました…

イチゴちゃんもすぐに冷静になり急いで胸へと抱き上げてくれました。

抱き上げる

急いで赤ちゃんを抱きあげようとする

とても良い状態で抱いていたので赤ちゃんも胸にしがみついていましたが、以前と同様やはり胸やお腹にくっつかれのるが嫌な様子でした。くっついているのを無理矢理はがしたりはしませんでしたが、ずり落ちてくる赤ちゃんを支えることはしませんでした。また、イチゴちゃん自身が体を揺らして赤ちゃんを少しずつ下に降ろしていました。お腹の下あたりにくるとしがみつかれても嫌ではない様子でお互い落ち着いていました。

赤ちゃんをお腹に抱くイチゴちゃん 赤ちゃんをお腹に抱くイチゴちゃん2

赤ちゃんをお腹の下辺りにくっつけています

しかし時間が経ちイチゴちゃんが動き始めると赤ちゃんは掴むものがなくなってしまい、再び鳴き始めてしまいました。「どうにかしなきゃ」、と思い一生懸命赤ちゃんにお尻を見せたり、口に指をいれたりしていました。

お尻を見せるイチゴちゃん

鳴いている赤ちゃんにお尻を見せています

何しているの?と思われるかもしれませんが、この行動はイチゴちゃん自身がユウ君などによく行う挨拶行動でした。イチゴちゃん自身も人工保育でかみね動物園にやって来てからチンパンジー同士のコミュニケーションを学んだため、挨拶行動が出来るようになるのにとても時間がかかりました。

どうして良いか分からない状況の中で必死に考えて、挨拶という形の親愛の態度を示そうとしている姿に少し胸が熱くなってしまいました。

しかしやはり赤ちゃんにその行動をしても鳴きやんではくれません…何とか藁を掴んで鳴きやんではくれましたが、それに安心してイチゴちゃんは上に登って行ってしまいそこからの進展はありませんでした。ただ同居を終了しようとすると赤ちゃんを気にして行ったり来たりを繰り返し、隣の寝室に移動するのに30分ほどかかりました。

気にはなるけど抱くことは出来ない。もどかしい状況でした。

同居終了後のイチゴちゃんは背中を触るとかなり熱く汗ばんでおり、もどかしい気持ちが体に表れているようでした。

赤ちゃんは体温が少し下がってしまい疲れた様子でした。

赤ちゃん

温めるとすぐに元気になった赤ちゃん

この状態での同居を繰り返すことが果たして両者にとっていい事なのか、ストレスが溜まってしまうだけではないのか…難しい状況でした。

赤ちゃんを見てもらったり格子越しに触れ合ってもらうことだけを1週間ほど続け、8月27日に再度同居を行いましたが全く同じような状況となってしまいました…

赤ちゃんをお腹に抱くイチゴちゃん

同じようにお腹の下に赤ちゃんがくっついています

そんな中、8月30日にはイチゴちゃんに発情回帰の兆候が見られました。

さて、その4はここまでです。毎回早く書こうと思って早く書けず大変申し訳ないのですが気長にその5を待って頂けたらと思います。

(チンパンジー担当 おおぐり)

2021年12月1日