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平成30年1月31日(水曜日)

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カワウソのあれこれ

平成30年1月31日(水曜日)

かみね動物園のコツメカワウソの獣舎は見たことがある方はお分かりかと思いますが、コンクリートの陸地があり、その周りに水が流れているような何とも簡素な造りになっています。

獣舎

     <こんな獣舎です>

実はこの獣舎はずっと前からここにあり、歴代数多くの動物たちが暮らしてきました。なので、カワウソのための造りにはなっていないのです。このような簡素な造りの獣舎だと刺激が少なく、暇な時間が多くなってしまいます。これを改善しようと先輩飼育員たちが行ってきたのがイキイキ計画です。

そんなコツメカワウソの担当になった新米飼育員があれやこれやと行ってきたことをちょこっと紹介します。

タワーの改築

新米飼育員がまず手を付けたのはハンモック付きのタワーの改築です。

平面だけでは限られたスペースしか使えませんが、そこにタワーを作ると縦に使えるスペースも増える!のぼったりおりたりという行動が増える!!そこにハンモックを付けると日当たりのいい場所で昼寝ができる!!!といい事ばかりのタワーですが、使っているうちにだんだんとボロボロに、、、。それだけ使ってくれているということは新しいものを作らなくては!ということで作り始めました。

旧タワー

      <以前のタワー>

新作タワーのポイントは不安定なハシゴ格子状の壁です!!

以前はハンモックに続くハシゴが丈夫な木の板でできていました。そこをカワウソたちは足を引っかけるところもないのに平気でスイスイのっていきます。そこでもう少し難しくしようと、消防ホースと木でできたゆらゆら揺れるハシゴを付けました。これで踏ん張らないとのぼれないのでいい運動になるなという魂胆です。

そして格子状の壁も付けました。材料は近くの100円ショップで購入!以前のイキイキカップはだいたい同じような場所に設置していました。これをいろんな場所に設置できれば変化をつけられる!さらにはイキイキカップの他にも簡単に付けられる!!という思いで設置しました。

新タワー

 <かなり使用感が出ていますが、、、>

初めはビックリしてなかなか使ってくれませんでしたが、慣れたら気持ちよさそうにハンモックで寝てくれました。

驚いたことに不安定でのぼりにくいだろうと思っていたハシゴもスイスイとのぼっていきました。これにはコツメカワウソの運動能力をなめていたと反省しました。しかし格子状の壁の方は何とか成功。イキイキカップを設置し、ここは取りにくいな、ここにつけるとこんな態勢で取るのかぁ、と試行錯誤しながら設置してます。

カップ 昼寝

      <奮闘タイム>               <お昼寝タイム>

イキイキタッパー 改

次はイキイキタッパーの改良です。

自然界で石の下や隙間などの狭い所に隠れている小魚や貝などを探すのが得意なカワウソはとても手先が器用な動物です。その狩猟本能を刺激するために作られたのが「イキイキタッパー」です。底の部分に前足が入るくらいの穴をあけたタッパーにエサとなる魚を入れます。そうすることでこの穴から手をつっこんでエサを取ろうとします。最初はなかなか取れず2時間も夢中になっていたそうですが、だんだんと慣れてきてヒョイっと取ってしまうようになっていました。この穴の大きさを変えて何度も改良を重ねてきたイキイキタッパーですが、今回変えるのは穴の大きさではなく、穴の場所です!

この場所に変化をつけてあげることで、今までは「こっちから手を入れれば取れる」と慣れているカワウソたちの虚をつくことができるのでは?と思いついたのです。そこで穴をタッパーの底ではなく横にあけてみました。そして更にふたの部分に空気穴をあけることで沈む時間が早くなり、より取るのが難しくなるようにしました。

タッパー タッパー

  <底バージョンと横バージョン>      <見えるのに取れないもどかしさ>

やはり最初は底の部分から取ろうとする様子が見られなかなか取れないといった具合に格闘している間にどんどん沈んでいきました。しかし穴を見つけてからは早かったです。上手にエサを取っていきました。それからは日替わりで底に穴があるタッパーと横に穴があるタッパーと使用しています。

イキイキ筒 陸バージョン

本来ならば水の中でエサを取るカワウソですが、寒くなってくると水の中には入りたくないようです。イキイキタッパーを投げ入れても後ろ足で踏ん張り、水面に浮いているタッパーを器用にたぐり寄せてエサを取るといった様子です。カワウソは2種類の長さの違う毛が生えていて二層構造になっています。そこに空気を貯めることができるためとても保温効果が高い体になっています。しかしその毛をもってしても寒いもんは寒い!!そこで陸の上で長くエサを食べることはできないかなと考えました。そこで「イキイキ筒」の登場です。イキイキ筒は竹の節と節の間に前足が入るような穴をあけてその中にエサを入れます。竹でできているため中身が見えず、手探りで探さなければいけません。エサがあってもなくても手をつっこんで探すというのがこのイキイキ筒のポイントでした。これをタワーの足場に設置してみました。

筒 筒2

やはり狭いところに手をつっこむのは得意のようで、ペレットという固形飼料を入れるとすぐに食いついてきました!

寒くなると全く水に入らないというわけではないのですが、食べ方のバリエーションの一つとしては成功なのかなと思います。もちろん小屋の中は暖かくなっていて、濡れた体をふくためのタオルもありますのでご心配なく!

こうやって振り返ると思い知らされるのは、動物は自分の思い通りに動いてくれない。ということです。しかし、そこが面白い!!

ここをこうしたらこんな反応をするかな?ここをこうしたら動物にとって楽しくなるかな?と考えることがとても楽しいです。そしてそれを実行して動物の反応を見るのがまた楽しい!!

そんな動物対飼育員の異種格闘技戦を楽しいなと思ってもらえるととても嬉しいです。

まだまだ改良できる部分が多くあるのでこれからもお待ちください。

ぬくぬく

              ウインタースポーツは好きだけど寒いのはニガテな飼育員 にしの

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