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staff blogスタッフブログ (西野 勇人のブログ)

かみネイチャー Vol.2

令和5年9月16日

そろそろ第2弾を出したいなと思いつつ、でも外を歩くには暑すぎる。。。

と思っていたら9月になってしまいました。

もうすっかり秋!とはいかず、まだまだ残暑厳しい日々が続きますね。

秋ということで園内にある実のなるものを探してみました!

かみネイチャー Vol.2

まずは、こちらの木。ヤマボウシです。

ヤマボウシ

6月~7月に白い花(詳しくいうと白い花びらに見える部分は総苞片<そうほうへん>といい、花はその中心にある緑色の部分です。)を咲かせる落葉樹で、ご家庭のお庭に植えてある方もいるのではないでしょうか?自分の実家にもヤマボウシが植えてありました。

9月~10月には実をつけて、これがよく園路に落ちているのは見ていましたが調べてみると食べられるそうです。ということで実食!!

ヤマボウシの実

さすがに落ちているのは手が出せなかったので木になっている熟しているものを拝借。表面はつぶつぶしていてちょっとビジュアルが。。。

ヤマボウシの実の中身

中身は黄色く、細かい種があります。味はほんのり甘く、どことなくマンゴーに似てると思いました!(見た目にかなり影響されているかも)

特に中毒を起こすようなことはないようですが、道に植えてあるものには薬がまかれていたり、落ちた実は衛生的ではないのでそこは注意してください。また、人の家に植えてある実を採って食べるのもダメです!!

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続いて見つけたのはこちら!

この実なんの実

これは栗!?いえいえこれはトチの実です。

お隣の栃木県の県木になっているこのトチノキですが、ふれあい広場の所にひときわ大きくそびえたっています。

トチの実殻を割ったところ

分厚い果皮を割ると中に栗によく似た種子が出てきます。

トチの実の中身

その種子を割ってみるとこれまた栗のような中身が出てきました。

このままでは灰汁が強く、そのまま食べてしまうとお腹を壊してしますそうです。なので動物たちにあげても食べません。

さらに灰汁抜きにはなかなかの工程があるようですが、縄文時代から食べられていたようです。現在もとち餅に利用されています。興味がある方はご賞味ください。

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続いてはこちら!みなさんご存じのドングリです。

どんぐり

ドングリのなる木にはいくつか種類がありますが、園内に多くあるのはマテバシイという木になります。マテバシイのドングリは大きく細長いのが特徴です。

ホンシュウジカの前

園内にはホンシュウジカの展示場とカバのプール前の園路に植えてあります。

ドングリの中身

硬い殻を割ってみると中身はこんな感じ。小学校の校庭にも多く植えてあり、この硬い殻を割ろうと苦労した覚えがあります。しかし今はペンチという便利な道具が腰に刺さっているので難なく割ることができました。

少しかじってみると多少の渋みはありましたが小学生の頃に感じた程の苦味はなく、大人になったのかなと感じました。

どんぐりポスト

ホンシュウジカの展示場には「どんぐりポスト」が設置されています。

自然界では、これからの厳しい冬に備えて木の実などを食いこみます。クマやサル、シカやリスなどの森にすむ動物たちにとっては大切な栄養源になります。

動物園でもドングリをおやつとして与えることがあります。そこで園内のどんぐりを集めるお手伝いをみなさんにしてもらおうというのがこのポストになります。

ここで集めたドングリはきれいに洗い、虫食いドングリや割れて悪くなったドングリを除去するなどの処理をして与えています。なので、みなさんが直接動物にあげるのはご遠慮ください。

また、園外で拾ったドングリをたくさん持ってきたくださったり、遠方から郵送で送ってくださる方々もいます。お気持ちは大変ありがたいのですが、動物たちにはおやつ程度に与えているだけですので消費し切れずに大量に処分することになってしまいます。なのでこのどんぐりポストには園内で拾ったどんぐりだけ入れるようにお願いいたします。

ポストイン

園内の木の実に話からちょこっと重い話になってしまいましたが、季節が変わり雰囲気が変わっていくかみね動物園をこれからもお楽しみください。

       食欲の秋がだんだんと短くなってきているのがちょこっと不満の飼育員 西野

令和5年9月16日