酉年なのにトリインフルエンザが全国で猛威を奮っているというなんとも皮肉な年となってしまった2017年。
でも、ピンチはチャンス!!
こんなときだからこそ鳥を飼っている動物園がメッセージを発信してナンボだと思います!
イベント内容を変更せざるを得なかったり、鳥の展示が見づらくなったり色々とマイナスな面が多いですが、少しでもプラスに変えられるようにブログを使ってお話できたらと思います。
ただし、私もそこまで詳しいわけではないので、皆様と一緒に勉強しながらお伝えしていければと思います!
<防鳥ネットで覆われたペンギン舎> <アヒルとバリケンは裏側へ>
初回は「鳥インフルエンザってなんだろう」ということで、鳥インフルエンザについて簡単にお話しします。
では、そもそもトリインフルエンザとはどんなものかといいますと、鳥がかかるインフルエンザのことです。
・・・ん?そのまんまじゃないかというツッコミが飛んできそうですが、そのまんまなんです。
インフルエンザとは「インフルエンザウイルス」に感染して起こる病気のことです。
インフルエンザウイルスにも様々な型があり、病院で言われるA型、B型、C型というのがこれです。さらに、同じ型の中でも細かく分かれています。Aソ連型とかA香港型なんて言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。専門的には「H」と「N」の組み合わせで「インフルエンザ○型H○N○亜型」と表記されます。例えば、先ほどの香港型とソ連型を正式な表記にすると、香港型は「A型H3N2亜型」、ソ連型は「A型H1N1亜型」となります。こういった感じで、A型の中だけでも100種類以上に分けられるそうです。
さぁ、だんだんブログがつまらなくなってきましたが、これがわからないと説明できないのでもう少しのご辛抱を!
この細かな型の違いによって感染しやすい動物が異なります!例えばA型は鳥類と人を含めた一部の哺乳類で感染例が見られるのに対し、B型とC型は人でのみ感染します。人間がかかるインフルエンザを「ヒトインフルエンザ」、鳥にかかるインフルエンザを「トリインフルエンザ」と総称しているのです。他にも「ウマインフルエンザ」「ブタインフルエンザ」「イヌインフルエンザ」なるものがあるそうです。また、おなじA型でも人はH1N1、H3N2等に感染するのに対し、鳥類はH5N2、H2N2等に感染します。従って、基本的には人はトリインフルエンザにはかかりませんし、鳥はヒトインフルエンザにかかりません。ただし、一つの型が1種の動物にだけ感染するわけではなく、ブタインフルエンザの型を見るとH1N1、H5N2といった具合に、人とも鳥とも同じ型のウイルスに感染する場合もあります。
<ヒト> <トリ>
<ウマ> <イヌ>
<ブタ>
みなさんついてきてますかー?この話でラストですよー!
さらに、型の違いによって感染力や症状が異なります。私たちが「やっちまった~」と仕事を休まなければならない体の節々が痛くなるインフルエンザはA型とB型で、症状が重い上に感染力も強いため家に閉じこもっていなければなりません。それに対しC型は免疫力が弱い子供で重い症状が出るくらいで、大人だと風邪と間違える程度の軽い症状になることが多いそうです。
トリインフルエンザも同様で、症状が重いものから軽いものまで様々です。全ての型において、病原性が高いもの(国際的な検査基準に基づいて決めれられます)は「高病原性トリインフルエンザ」に分けられます。また、「H5」と「H7」は「低病原性トリインフルエンザ」、それ以外の型は「トリインフルエンザ」に分けられ、死に至るような重い症状にはなりませんし、症状が出ないこと場合もあります。
そして、ビックリなことにトリインフルエンザは多くの鳥の体内に普通に存在しています。そう!トリインフルエンザは別に珍しい病気でもなんでもないんです。体内にいて症状がない場合もありますし、症状が出ても軽いので鳥が自力で治してしまうのです。そもそもウイルスは鳥や人など宿主となる生物がいなければ生きていけないため、宿主を殺してしまってはウイルス自身が生き残れないのです。宿主は死なない、でも自分も生きるがウイルスたちにとっては理想なのです。
しかし、その中で極一部の高病原性のウイルスが流行ってしまうと、瞬く間に広がり人間社会に影響が出てきてしまいます。なので、鳥インフルエンザだーと大騒ぎになるのは高病原性トリインフルエンザを指しているのです。このあたりの詳しい話は別の回でご紹介します。
<まとめ>
・インフルエンザはインフルエンザウイルスが原因
・インフルエンザウイルスには様々な型がある
・型によって発症する動物や症状が異なる
・トリインフルエンザは当たり前に存在する
・高病原性トリインフルエンザが危険!
以上!長々と書いてみましたがどうでしたか?
「へぇ~なるほど!」と思っていただけた方が数人でもいればありがたいです。
今回は概要だったので小難しい話しになってしまいましたが、次回からは動物園とのかかわりや私たちがどうトリインフルエンザと向き合っていけば良いかなど、もっと楽しい話にしたいと思いますので懲りずに読んでいただければと思います!
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ではでは、ピンチはチャンス!頑張りますよ~!
分かりやすいが一件もなかったら即終了 中本
※当園は本文にもあるように鳥インフルエンザ対策をしっかり行っております。安心してご来園下さい。
(鳥を担当してないお前がなんで書くんだ、と言っても書きたいという熱意でOKした園長より)