動物園のクマのイメージと言えば?同じ所をウロウロと歩いていること?と多くのお声を耳にします。
かみね動物園でも2012年にクマのすみかがオープンしてからエゾヒグマたちは毎日こんなに掘るの?と思うほど想像を絶する穴掘りとバケツの水が凍っている冬の日でも関係ないプールでのボール遊びで毎日パワフルに過ごして退屈していないように見えますが、やっぱり夕方近くになると時間を持て余して同じ所をウロウロと動いてしまう常同行動が現れてしまいます。
でもこれには理由があるんです。
野生のクマは1日の移動距離がとても長く、約10キロメートルも移動して多くの時間を採食行動(餌を捜索、採る、食べる)に費やしています。どうしても動物園の限られた飼育環境では大きな体の体力が消費されず、時間を持て余して同じ所をウロウロと動いてしまうのです。
そこで、少しでも常同行動が現れなくなるような工夫を考えて??作戦開始です!
まず、コンクリートの壁を有効活用してコの字金具を付けました。
今後の参考にクマに消防ホースを噛んでもらい耐久性の実験です。結果は良好。
そして・・・どんな遊具を付けようかな?使い方は無限大ですが、アイとエリコの行動パターンを参考に消防ホース、フロート、丸太を使いこんな感じにしました。
フロートのフィーダー。中にペレットが入っています。なかなか出てこないのでホースを掴み力技で振り回します。
アイは他力本願で落ちてくるのを待って、楽をすることが多いです・・・
丸太にも穴を開けて餌を詰めています。
丸太は匂いを付けたり、仁王立ちになって爪でガリガリするのを想像して観覧側から一番近くで見えるところに設置。初日は盛んに遊んでいましたが、以外にも遊ぶのはそれっきりで見向きもしません。今はあまーい蜜を塗って使っています。
消防ホースの中にはクルミや木の実を隠します。内側のゴムで滑りにくくなかなか出てきません。
活動量が増えて日中は遊び疲れのお昼寝タイムです。
やることが増えて忙しくなっても毎日せっせと。穴掘りとボール遊びは別格の楽しみみたいです。
遊具が増え、以前より時間を持て余す暇がなくなり常同行動は減りました。
だけど!!熱しやすくて冷めやすい!?
クマは物に対してとても執着心を持ちます。しかし、飽きっぽくすぐに興味がなくなってしまいます。アイとエリコに飽きられる前に新作のフィーダーや遊具を考えていかなければ・・・面白い提案ありましたらよろしくお願いします。
担当 きむら