サルの楽園には8種類のサルが暮らしています。今回はその中から「ブラッザグエノン」についてお話します。
まるでサンタのヒゲのような長い毛があごにあるのが特徴のブラッザグエノン、一応世界でもっとも美しいサルとも言われています。ちなみにかみね動物園には3頭のブラッザグエノンが暮らしていますので、少しご紹介。
ゴマ(♀)一番若く、とっても元気な女の子。
モモ(♀)のんびり屋です。何を考えているのか一番わかりにくい。
ピット(♂)唯一のオスです。年齢は今年で29歳!高齢です。
メンバーは上記の通りです。ヒゲのような毛が生えているので「おじいちゃん」と言われることがよくありますが、メスでも、どんなに若くてもこのあごの毛は生えています。
さて、こんなメンバーで和やかに暮らしていた彼らですが、ここ最近その関係性に微妙な変化がみられるようになってきました。
(ゴマ(左)とピット(右)で仲良く餌を探しています。穏やかに暮らしていた彼らに何が…?)
ピットはそんなに老けて見えませんが、実は今年で29歳。飼育下の寿命が約30年と言われているため、こちらは見た目通りのおじいちゃんです。自分の強さをアピールするディスプレイ(壁をけって激しく音を鳴らしたりします)も最近めっきり減りましたし、動きも「よっこらせ」と、つい掛け声を入れたくなるような感じ。加齢に伴い行動にも変化が出てきたな~と思っていたら、彼の行動だけでなくともに暮らすメスにも変化が見られるようになりました。
…なんと、自分より体の大きなピットに対して攻撃したり、追っかけまわしたりするようになってしまったのです。しかもしつこい。様子をみながら3頭で展示を続けていましたが、日を増すごとにピットへの襲撃は増える一方でした。あまりにもピットが一方的にやられるので、ここ最近は3頭ではなく、メンバーチェンジをしながら2頭ずつで展示をしています。3頭だと起きる闘争も、2頭であれば起きない、むしろ毛づくろいしたり穏やか過ごしているので不思議なものです。
(ピット(右)に毛づくろいするモモ(左)。3頭一緒でも労わってくれたらいいのですが…。)
3頭一緒に過ごせないのはさみしい気もしますが、一人で過ごしている時間もゆったりしているので、これはこれで彼にとってリラックスできる時間なのかな?とも感じたりします。と言うことで、ブラッザグエノンは当面入れ替えをしながら2頭での展示となりますので、ご理解いただけたらと思います(これが言いたかった…)。そっくりな顔で見分けがつきにくいと思いますが、展示場前に写真を載せとくので、頑張って個体識別にチャレンジしてみてください!
(ちなみに私はピットです)
(ピットと同い年の飼育員 木村か)