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令和2年1月23日(木曜日)

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飼育員、国際会議に行く~発表編~

令和2年1月23日(木曜日)

 「国際会議に出席」その響きだけで何やらものすごく仕事ができる人のように感じますが、ここに書くのは大分背伸びして拙い英語で発表しちゃった飼育員の記録です。
 と、いうわけで行ってきました国際会議!その名も「第14回国際環境エンリッチメント会議」です。略称ICEE。International Conference on Environmental Enrichment.

6月22日から26日までの5日間京都大学で開催されました。

京大
 <初めて入った京都大学>

会議には世界中の動物園や水族館のスタッフ、並びに大学関係者や野生動物保護団体など様々な方が集まって環境エンリッチメントについての発表やワークショップが開催されます。

環境エンリッチメントEnvironmental Enrichmentとは「動物福祉の立場から、飼育動物の幸福な暮らしを実現するための具体的な方策(市民ZOOネットワークHPより)」のこと。動物にとって動物園での飼育環境は本来の生息地と比べると狭くて単調になりがちです。
この様な環境Environmentalを少しでも豊かで充実Enrichさせるための工夫を環境エンリッチメントと言います。
2年に一度開催されるこちらの国際会議、今年は日本開催との事でこれは国内並びに海外の様々な試みを聴けるチャンス!そしてどうせ出席するなら発表よね。口頭発表はみんなの前で英語で質問されたら答えられないから、なんとかなりそうなポスター発表にしよーっと、なノリで発表も決めちゃいました。

大学の研究室で 
 <小針先生の研究室で直し中・・・>

ポスターは私井上による「フラミンゴの繁殖ディスプレイ回数とお客様からの餌やりの関係性について」と西川飼育員の「ポニーとシマウマで行っているエンリッチメント」の2題がかみね動物園からは提出されることに。
国際会議なので要旨もポスターもメールでのやり取りも全て英語です。
発表に当たり北里大学の小倉先生や茨城大学の小針先生には大変お世話になりました。お世話になったというかほぼおんぶに抱っこだったと言うか・・・。締め切り直前まで指導して頂いた先生たち本当にありがとうございました。

ポスターと西川飼育員 ポスターと井上飼育員
 <西川飼育員はシマウマの発表。井上はフラミンゴの発表です>

ポスターを抱えていざ初京都大学!

到着して早々ポスターを貼ったら、聞きたい口頭発表の会場へ。期間中2つの会場で様々なお話が聞けます。どの話題を聴きたいかあらかじめ目星をつけて伺いました。

大牟田市動物園の発表 会議中
         <いろんな発表。もちろん、どれも英語です>

動物園・水族館だけでなく家畜の話題もたくさん出ていました。野生動物よりも研究が進んでいる家畜の環境エンリッチメントは実に興味深く動物園にも応用できるものがたくさんありました。どれもこれも行っている人の主観で「良さそう」ではなく行動学や生理学などを用いて科学的に検証されている事例ばかりです。
喋れない動物が本当に幸福かどうかをはかるにはとても大切なことです。

ポスター説明 ポスター説明
         <ポスター発表始まりました!>

刺激的な発表をたくさん聞いていたらあっという間にポスター発表の時間に。

サンドイッチとか
  <軽食も出されて和やかに開催>
会場内は夕飯が近いということもあってか軽食や飲み物などが用意されて皆食べながら思い思いにポスターを見ています。
発表者はこの時間基本的にポスターの前で質問者の応対をします。
日本人もたくさんいますがもちろん海外の方には英語で説明です。

ポスター発表
  <中央眼鏡かけてるのが私です>

有難いことにポスターに興味を持っていただき海外の方からもいくつか質問を頂きました。
今回私が発表したのは以前担当していたチリーフラミンゴのお話。
簡単に言うと、繁殖ディスプレイの回数にお客様からの餌やりが関係しているかどうか~という内容です。
変な汗が出ながら、英単語を必死に思い出してなんとか説明。なんとか通じてホッ。

鋭い質問も出て焦りましたが今後の調査に役立てそうなアドバイスも頂けました。分からないながらに毎日の飼育記録をまとめていて本当に良かった。発表して「はい終わり」ではなく次に繋げられるヒントを頂けたことが今回の収穫でした。

アイパッドで説明

西川飼育員はタブレット片手にシマウマのエンリッチメントツールの説明。動画を見せながら、こちらも多くの方に興味を持っていただけたようです。

私は現在フラミンゴ担当ではありませんがもしもまた担当につかせていただく機会があれば今回の発表と調査結果を生かしてより良い飼育に活かしていきたい。つかなかったとしてもフラミンゴの飼育におけるデータにはなったのでいつか役に立つかな。あ、他の動物でも応用できるデータと調査だったと思ってます。
とにかく英語で頑張って良かった、ノリだけどポスター出して良かったと思いました。

次はいつ発表するかな・・・

どうぶつ資料館

ちなみに私と西川飼育員のポスターは現在どうぶつ資料館にて絶賛貼り出し中です。英語ができる方は愛ある鞭を。できない方は雰囲気を味わってみて下さい。
次はワークショップ編です。やっぱり英語に大苦戦!?
お時間あればぜひ読んでみてください。

※写真は第14回国際環境エンリッチメント会議HP  www.iceekyoto.org/(新しいウインドウが開きます)、
茨城大学ーかみね動物園研究教育連携プロジェクトHP dklabo.wixsite.com/zoorep(新しいウインドウが開きます)より頂きました。

(出川Englishに勇気頂きました いのうえ)

 

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