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P067457

平成30年6月20日(水曜日)

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飛び出せ動物園!ボルネオ編part9

平成30年6月20日(水曜日)

前回のブログ

part8
http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/inoue/p066618.html
 

ボルネオと日本の意外なつながり


念願の野生オランウータンと出会うことができて大満足なボルネオ旅行。

実は密林でたくましく生きる彼らの背景にはこんな事実もあります。

ウッドデッキ ブタオザル
  <リハビリテーションセンター>       <野生のブタオザルにも遭遇!>

こちらpart2で登場するスカウ川に向かう途中で立ち寄った「セピロクオランウータンリハビリテーションセンター」。
ここではわざわざジャングルに入らなくても飼育しているオランウータン、特に子供を多く見ることができるので観光客にも大人気のスポットです。

オランウータン3

当園で言う「もぐもぐタイム」のようにごはんの時間が決まっています。観光客はこの時間帯のみ観察ポイントに入ることを許されています。飼育員がフルーツを置くとどこからかわらわら・・・。

オランウータン2 オランウータン

愛らしい姿に思わず顔もほころびますが彼らの多くは傷ついたり、母親を亡くして自力で生きていくことができず保護された個体ばかり。

リハビリテーションセンターの目的はこのオランウータンたちを野生に返すこと。
将来、自らの力で生きていけるよう訓練を行っています。
どうしてこのような施設が必要なのでしょうか。

森
 <ブロッコリー集合体のような熱帯林>

その主な原因の一つとして彼らの住処である熱帯林の減少が挙げられます。
特にボルネオ島は世界で最も多く消費される植物油「パーム油」を生産するためアブラヤシ農園の拡大が近年著しい場所。
アブラヤシは効率よく油がとれ、安値で食品、洗剤、化粧品などあらゆるものに使用することができます。

成分表示
   <皆さんの台所も見てみてね>

試しに我が家の台所をのぞいてみたところありました、わんさかとパーム油を使用した商品。原材料名に植物油、または植物油脂と表示してあるものはほとんどこのパーム油です。

もしお暇があればぜひ自宅の冷蔵庫をのぞいてみて下さいね。
そしてこの油の原産国はほとんどがインドネシアとマレーシアです。

パーム油のトラック
   <パーム油を運ぶトラック>

農園が拡大し、原生林が減少すると本来そこで生息していた野生動植物の住処が奪われます。オランウータンは主に果実食の動物でありアブラヤシ農園が広がればその分彼らのごはんや移動手段兼ねぐらになる高木が減っていきます。

誤って農園に出没したオランウータンは畑を荒らす害獣として殺されたり捕らえられてペットとして売り飛ばされる事もあります。その際、命を落とすの力が強く人では制御のきかない成獣がほとんど。リハビリテーションセンターではそういった理由で親を亡くしたオランウータンが保護されてやってくるのです。

ここまで書いたら彼らを守るためにどうしたら良いか、もう分かりますよね。

「パーム油を使った商品を買わない!作らせない!」

私たちが使わなければ良いんです。これに限ります。

アブラヤシ畑

しかし残念ながら、仮にその生産をやめたとしても結局別の作物(例えば身近なところだとコーンや菜種など)と別の場所へ問題が移るだけ。

植物油無しではもはや人間の生活は成り立たず、またパーム油は他の植物に比べて少ない面積で多くの油を生産できるという利点もあります。

そして現地で暮らす人々にとってアブラヤシは大きな収入源の一つ。彼らの生計や働き口の事も考えると「商品を買わなきゃいい」という単純な問題では済まされないのです。

認証パーム油マーク

でも、私たちの便利な暮らしの陰で悲しい想いをする生き物がいるのはやるせないこと。

パーム油消費者として何か具体的にできることは?
すぐにできるのは「環境や人権に配慮されたパーム油が欲しい」と求めることです。
「RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)」という認証制度があります。

これは手つかずの自然や保護価値の高い森で新たに農地を開発しない事、野生動物の保護、労働者の安全や権利保護に関する基準を作成。それを満たす農園を認証し、そこで生産されたパーム油を含む製品にはマークがついています。
問題の多くは生産地で起きていますが、消費地からも声を上げることがオランウータン含むボルネオの動物を守ることに繋がるのです。

そうは言ってもすぐに実行するのは簡単ではないですよね。
今回のブログ、少し話が壮大で難しいものになったかもしれませんが最も大切なのは自分に何ができるか考える事。

私は野生動物を見るためにボルネオに行き、そしてその素晴らしさと現状は絶対に動物園のブログを通して皆様に伝えたいと考えました。

この拙い文章でどれだけそれができたか分かりませんが、読者の方が一人でもこの話に興味を持ってボルネオに行きたい、知りたいと思ってくれたら幸いです。
動物園で働いているだけでは分からない事、生息地に行って改めて肌で感じてきました。
フィールドで学んだ経験を糧により良い動物園作りに生かしていきますね。

 さて、次なる飛び出せ動物園!してきたのは大栗飼育員。
動物園で働く職員ならだれもが一度は憧れるアフリカの大地に降り立ったようです。
あ、園長も最近タンザニアに行ったのでそっちの話の方が先かな?
書きたくてうずうずしてるようですから(笑)

どんなお話が飛び出すか・・・お楽しみにー♪

 おまけ

帰り路、コタキナバル空港からクアラルンプールを経由した際に何気なく腰に手を当てるとなんと服にも手にも血がべったり!!真っ赤!!でも痛みは全く感じない。

なんで!?!?と非常に動揺しながらトイレに駆け込み友人に腰のあたりを見てもらったところ・・・

ヒルとの遭遇 

つぶれたヒルが出てきました。
ボルネオのジャングルはヒルが大量にいるため皮膚の露出はできるだけ控えて万全の装備で行ったつもりだったのですがどこからか入り込んでいたようです。

まさかここまで痛みを感じないとは。そして大量に血を吸っていたようですね。

血でべったりのTシャツと下着は変えざるを得ず、異国の薬局で10枚300円のパンツを買ったのがボルネオ最後のトホホな思い出なのでした。

(飼育員 いのうえ)

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