森を歩いていると赤毛のサルに出会いました。
レッドリーフモンキー。マルーン(栗色)ラングールとも呼ばれています。このサルもテングザルと同じように木の葉を主食としています。燃えるようなオレンジの毛がとても美しいサル。
尾もなんだか手足のようです。赤ちゃんの時は毛が白く大人になるにつれて赤くなっていきます。ただ、ダナンバレーでは面白いことに大人になっても白いままの個体がいるとのこと。
<子供のころはクリーム色です>
今回の旅では出会えませんでしたが、古来より白い生き物というのは神聖なものの象徴。レッドリーフモンキーの白化個体ももしかするとこの辺りでは神様の使いとして崇められているかもしれません。
ボルネオモリドラゴン。体長20~30cmほどのトカゲです。森を歩いているとよく見かけました。近づいてみてもじっとしていて自分を周囲の環境に溶け込ませています。
目もくりっとしていて可愛らしいトカゲです。
<コシアカキヌバネドリ>
ボルネオではとにかく多くの野鳥を見ることができました。写真ではとても撮りきれていません。年中餌をとることができる熱帯のジャングルなので鳥たちの楽園とも呼べるのでしょう。色合いが本当にカラフルで見ていてとても楽しいです。
コシラヒゲカンムリアマツバメ。橋を支えるワイヤーにとまっていました。結構近づいても逃げません。ひげを生やして鉢巻をしめているような顔でちょこちょこ飛び回っていました。
クビワヒロハシ。ロッジの窓から見られました。その名の通り顔の周りが白いリングを巻いているようです。鳴き声も聞くことができたのですが「ヒョーーヒョーヒョヒョヒョ・・・」という日本では聞いたことが無い独特な鳴き方でした。
名前は分からないのですが綺麗な緑の鳥。ジャングルに溶け込んでいました。
コウハシショウビン?大きさはカワセミより一周り、いや二周りくらい大きいでしょうか。カワセミの仲間は英名をKing fisherと言いその名の通り魚捕りの名人です。近くに川が流れていたのでおそらくそこで狩りをしているのだと思います。
さて、1日歩いて宿に戻ると宿泊者たちが何やらテラスの前でカメラを構えています。
何事かと思い覗いてみると・・・
ナメクジ???
いや、あれは・・・「ヒヨケザル」!!!
思わず「うわぁー!」と声を上げてしまいガイドからしーっと言われてしまいました。
正しくはマレーヒヨケザル。サル(霊長目)という名前はついていますが皮翼目という全くべつのグループに分類されています。くりっとした大きな目に両足に大きく広がるマントのような皮膚が特徴です。
長年研究者の間ではこの動物が一体何の仲間か議論が交わされてきましたが最近の研究でどうやら私たち人に近いのではないかということが分かってきました。
東南アジアでは時々見るよーという話は聞きましたが、夜行性である上に周囲の環境に溶け込んでしまうような毛色なのでいまだにあまりよく分かっていないことが多い動物です。もちろん日本で見ることはできません。
<木の幹とそっくり!>
このように木の幹にじっとしていると分からない。。。もしかしたら今日のジャングルトレッキングでも見逃していたかも。
遠目に見ると巨大なナメクジに見えました。
大きなゾウやキリン、可愛いウサギやパンダ。日本で人気のある動物たちも大変魅力的ですが、一般にはあまり知られていないこの不思議な生き物もとっても素敵。
予期せぬ出会いも多種多様な生き物が住むジャングルならでは。
毎日の新しい発見にワクワクする日々なのでした。
おまけ
旅行中、出会う生き物を写真に収めて宿に帰った後名前を調べていました。
役に立ったのが現地で購入した図鑑。これは鳥のみの図鑑で簡単なイラストと名前しか書いてありませんが、観光客の私には十分。記憶が新しいうちにできるだけ書き留めておきたいのです。
夜はビールを飲んで撮った写真を見ながら生き物との出会いを反芻してニヤニヤするのでした。嗚呼、至福の時間。
(飼育員 いのうえ)