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平成30年1月17日(水曜日)

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飛び出せ動物園!ボルネオ編part5

平成30年1月17日(水曜日)

 ダナンバレー:魅惑のムシ王国

 ※昆虫愛からいつもにも増して長いです。飽きたよ!という方は写真だけでも流れ見してください。

 スカウから車で移動すること約4時間。ボルネオ島東に位置するラハダトゥ。

ここにはダナンバレーという保護区域があり多くの野生動物が暮らしています。森の中には観光客用にロッジが開設されここに宿泊して周辺をトレッキングしながら多くの生き物を探します。
伐採されていない巨木が多く立ち並び人の手が入っていない原生林でもあります。
私が夢にまで見たいわゆる「熱帯雨林のジャングル」!
今回の旅、このジャングルを訪れた最大の目的は野生のオランウータンを見ること。
そしてもう一つ、日本では絶対見られない昆虫をたくさん見たいと思っていました。

トレッキング開始! 
ガイドと共に早速ジャングルをトレッキング!
出会いは突然訪れます。

タマヤスデ

んーー、可愛い!!!たまらんのお。
ネッタイタマヤスデです。昆虫ではありませんが会いたかった生き物。
私たちの目の前をとことこ歩いていました。
まるまるタマヤスデ

敵からの防御はこのようにまるまること。
硬い外皮が身を守ってくれます。ダンゴムシのようですがダンゴムシとは別種です。
日本にもヤスデはいますがここまで巨大できれいにまるまるものはいません。

ヤスデの一種

ヤスデと言えばこちらも。Tractor millipedeの1種。和名が分かりませんが
Tractor(トラクター)の名の通り?キャタピラのような形態です。実にユニークな形。彼らは落葉土を食べてその糞はまた土壌の栄養となり木々の成長に欠かせないものです。
苦手な方はいるかと思いますが生態系における大切な分解者の役割を担っています。

トラフタテハ トリバネアゲハ
蝶2種。
トラフタテハとアカエリトリバネアゲハ(オス)です。
トラフタテハは東南アジアに広く分布する蝶で過去には沖縄での発見例もあります。
地域ごとに微妙に色や形状が違います。私はぱっと見たときに模様が緻密な細工が特徴の日本の伝統工芸品みたいだと思いました。羽が欠けていますが、なかなか俊敏に動き回る蝶でした。
アカエリトリバネアゲハは突然のスコール(大雨)の後に葉っぱの裏で休息しているところでした。漆黒のとエメラルドのコントラストがとても美しい大型の蝶です。マレーシアの国蝶にもなっています。
この蝶の仲間はその美しさ故、標本にされることも多く以前より数を減らしています。国外に持ち出されてしまうことも多くアカエリトリバネアゲハは国際取引には国同士の正式な書類が必要です。

地域によっては彼らが群生する場所もあるようでその光景はとても美しいとガイドが言っていました。いつか見てみたいものです。

大型アリ 小型アリ
腹が赤い1.5cmほどの大型アリと樹木に列を作る小型アリ集団。

世界には1万種ほどのアリがいると言われていて調べてみましたがこの種がなんというアリなのかは残念ながら分かりませんでした。(分かる方教えてください!)

テングビワハゴロモ

テングビワハゴロモ。とってもカラフルで奇妙な形をしていますがこの森ではごくごくふつうに見られる昆虫だそうです。

セミの仲間で、大きさも日本のツクツクホウシくらいはありそうでした。樹液が彼らの主なごはんです。
特徴的な頭部はどうしてこの形なのか実はよく分かっていません。そして何故にこんなにカラフルなのか。
鳥類もそうですがどうして熱帯の生き物はこんなにカラフルで形も多様性に富んでいるのか。派手な方がメスにモテるからだとか、天敵への警戒色だとか様々なことが言われていますがまだはっきりとしたことは分かっていません。
マレーシアの様な熱帯地域は気候が安定しており進化が進みやすいのであらゆる種が多様化しやすい、というのが一因にはなっているようですが・・・。

ツノゼミ

多様性に富んでいると言えばこちらも。ツノゼミの一種です。
先ほどのテングビワハゴロモと同様セミの仲間で世界中に多くの色や形態を持つものが分布しています。日本にもいますよ。

私が見たものは白黒のモダンな模様をしたツノゼミ。

彼らの中には天敵から逃れられるよう鳥の糞に擬態化したものやねじ曲がった頭部のもの、角が2つに分かれてるものなど、ツノゼミ専門の図鑑が出るほど多種多様です。
南米のジャングルに特に奇妙奇天烈な形のものが多いように思います。いつかほかのツノゼミを見るためにこちらにも行ってみたいものです。

モーレンカンプオオカブト

きっと子供たちが狂喜乱舞する!モーレンカンプオオカブト。

ハナカマキリ

あーこちらも野生のものについに会えた!!
ハナカマキリです。
ハナカマキリ

ハナカマキリというとこのイラストのようなもっとピンクっぽくよりランのような花に似せたものを想像するかもしれませんがこれは幼体です。まだ若い個体なのです。

ハナカマキリ

大人になるにつれて脱皮し、段々と花っぽさは無くなってきます。胸や翅の模様はどちらかと言うと枯れかけた花っぽい。
植物に自らの体を似せることで天敵から身を守り、さらに餌となる他の昆虫たちを騙すことができます。お見事!としか言いようがないデザイン。会えて嬉しい。
ダナンバレーでずっと案内をしてくれたガイドが見つけてきてくれました。

グラスホッパー?

ガイドが「~grass hopper」と言っていたのでバッタの一種なのは分かるのですが残念ながらきちんとした種が分かりません。この一帯では見られることが少なくなってきた貴重な大型バッタだと言っていました。葉のようなのでガイドに教えてもらえなかったら見落としてた。

トゲグモの一種

最早宇宙戦艦みたいなフォルムの生き物。トゲグモの一種です。つまりクモ!糸張ってます。
日本にも本州より南に生息していますが東南アジアの方があらゆる色形の種類が生息しています。
メタリックでトゲが生えているのでロックンローラーな印象を持ちました。

憧れのジャングルで大好きな昆虫・蟲をたくさん見ることができて幸せ。

でも今回の旅で見ることができた種はボルネオに生息するほんの小指のつま先くらい、いやそれ以下の数でしょう。
次回行ったときはもっと多くの種が見たいと早くも2回目のボルネオに想いを募らせるのでした。

おまけ

トレッキング仲間で

ダナンバレーを3日間案内してくれたのはジェフリー(Jeffery)というガイドさんです。
観光客がここで楽しい想い出を作ってくれれば森林保護への関心を高めるきっかけになっるという気持ちでツアーガイドをやっているそうです。
ちなみに1日だけ一緒に周ったウィルソンはなんとダナンバレーの近所に住んでいるとの事。

ダナンバレーは近場ながら全然知らないので来てみた、と言っていました。
その国の自然や文化の素晴らしさは案外住んでる人の方が気付きにくいものなのかもしれません。
私は日本の自然の豊かさをもう一度見直す必要がありそうです。

(飼育員 いのうえ)

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