1963年生まれ、私の大先輩であるカバの「バシャン」が3月12日に53歳となりました!
飼育下のカバはおよそ45~50年が寿命といわれておりバシャンはちょうどその平均寿命を過ぎたところ。
室内で過ごすことが多くなっていますが旺盛な食欲はまだまだ健在です。
当日は毎年恒例の誕生日会を開催して多くの方に祝っていただきました。
今年のケーキのポイントは春らしくイチゴを混ぜたピンクのおから、イモで作った「53」の字、そして気持ちがこもったデコレーション!!
果たして食べてくれるのでしょうか?
じっ・・・・
なかなか陸から上がってきません。
食いしん坊のバシャン。ケーキに気付いたらすぐ上がってきてくれると思っていたのですが、いつもと違う雰囲気に少し警戒していたのかもしれません。
15分後、ようやく上がって食べてくれました。
ムッシャムッシャしてます。
生い立ちガイドです。
大分県の動物園で生まれて、その後6歳のときに日立へやってきたバシャン。
ドボン(平成6年に亡くなりました)というオスとの間に14頭の子供をもうけます。
<少し見づらいかも。ごめんなさい>
実は当日のガイドには間に合わなかったのですがこんなものを作りました。
こうして見ると全国各地にバシャンの子供達がいることが分かります。
また第1仔ドン、第4仔ズー、第7仔ドンには子供がおり、そのまた子供もうまれているので孫・ひ孫も多く暮らしています。
当時、子供を他園館に送るため部屋を分けた際に2本足で立ち上がり(!)扉に体当たりしてきたという伝説を持つバシャン。
愛情深く育てた我が子との別れは悲しく、飼育員を憎く思ったことでしょう。
母の気持ちを考えると辛くなりますが、日本の動物園で多くの命を繋いでくれた彼女の功績は本当に素晴らしいです。
<何これ?>
そんなバシャンの近況報告。ようやくブログタイトルの説明です。
日々の触診や歯の健康チェックを簡単に行うことが出来るようトレーニングを始めました。
脚が悪いため負担をかけないよう現在は水中で行っています。
まだまだ始めたばかりですが、「白いターゲットにタッチする→ごほうびのおやつがもらえる」という練習を繰り返しています。
今後はタッチしている時間を長くして、その間に頬や首にクリームを塗れるようにしたいです。
<タッチ> <ちょーだい!!>
少しずつですが覚えてくれているようです。
またこのトレーニングは本来群れで生活する彼女にとって自分以外の誰かとコミュニケーションを取れる時間にもなってるのではないかと考えています。
私はカバになることは出来ませんが室内で1頭で過ごすことも多くなってきたので、精神的な面でのケアも考えていかないとなりません。
<左がバシャン、右がチャポン>
青草が出る時期になったらまたチャポンと一緒に外に出してやろうと思います。
何はともあれ、53歳おめでとうございます!バシャン!!
(飼育員 いのうえはバシャンの2○歳下)