最近動物園のニュースやホームページをチェックしていると「世界〇〇の日」「国際〇〇デー」なんて言葉を見る機会が増えてきました。
かみね動物園では先月10月24日に国際テナガザルデーイベントが開催されました。
<国際テナガザルデーパネル> <可愛らしい仔テナガザル発見!?>
イベント担当者が一所懸命準備をした甲斐あって、参加者はとても楽しんでいました。
詳細はブログをご覧ください。
www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/kimura/p047693.html(新しいウインドウが開きます)
このように特定の動物をピックアップした日はその動物を保護する機関などが提唱したものです。私がざっと調べただけでも・・・
2月27日世界ホッキョクグマの日
4月25日世界ペンギンの日
6月15日オウム・インコデー(日本動物園水族館協会<種の保存会>より)
6月21日世界キリンの日
7月29日世界トラの日
8月10日世界ライオンの日
8月12日世界ゾウの日
9月22日世界サイの日
9月第3土曜日国際レッサーパンダデー
10月4日世界動物の日
10月24日国際テナガザルデー
などなど・・・。他にもたくさんあるようです。
<国際レッサーパンダデーの様子>
これらは対象動物の事をもっと多くの人に知ってもらうために制定された日。
来園者に動物のことや彼らが野生下で置かれている現状を伝えようと、動物園・水族館の飼育担当者は様々なイベントを考えます。
<日本の動物園にすむ3種のサイのお話> <これからえさやり体験です!>
私の担当で言うと9月22日は世界サイの日イベントを行いました。
今年で3回目となり参加者の方も喜んでいるのですが、正直言うとまだまだ「世界サイの日」自体は皆様に浸透していないという印象です。
<間近で見るクロサイは迫力満点!!>
サイは現在密猟による角の乱獲が止まりません。その理由はアジア諸国で漢方薬として高値で取引されているためです。角はケラチンという成分でできており薬効は迷信なのですが・・・。
イベントではこういったサイの角にまつわるお話をして、その後えさやり体験をしながら角に触ってもらいました。
「動物園の動物は自然界からの親善大使」とかの千石正一先生はおっしゃっていました。
来園者が自然界に住む彼らの仲間に想いを馳せることができるような動物園になるよう、日々職員は考え努力していますが、なかなか難しいです。
動物園動物をみて自然界の事を考えるという図式は、職員の努力・工夫と来園者の意識変化が組み合って初めて成り立つように感じます。
その中でこの世界〇〇の日というのは、野生の彼らについて伝えることができるチャンス。
来園した際にこのような名前のイベント・掲示物を見かけたら少し足を止めてみてください。
「へぇ~」「そうなのか!」と思える気付きや発見がきっとあるはずです。
私も「親善大使マネージャー」としてサイの日に限らず皆様に動物たちのことをもっと伝えられるよう考え、実践していきます。
(飼育員 Rhino-ue)