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平成27年3月19日(木曜日)

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ハンコを買いに行ったら

平成27年3月19日(木曜日)

ブログのリンク名からお察しの方もいるかと思いますが昨年結婚しました。
色んな方からお祝いしていただき至極恐縮。でもとても嬉しかったです。

はんこ

さて、結婚後に女性は名前変更の手続きが大変と聞いていたのですがまさに現在その状況。
名前が変わったので、実印・銀行印も変えなくてはならない事に。
そこで近所のハンコ屋さんへ向かいました。

はんこをえらぶ

ハンコの素材って色々あるんですね。恥ずかしながらこんなに種類がある事初めて知りました。プラスチック、石、木、水牛の角・・・。
その中で目を引いたのがこれでした。
象牙

ゾウの牙。いわゆる「象牙」です。
象牙で作られた判子が最高級品として数十万円の値段で売られていました。

その日は結局お店で判子は買わずインターネットで金属製の物を購入したのですが、どのサイトを見ても象牙のハンコがありました。

密猟

この象牙、どのように手に入るのか。
日本では合法的に象牙製品を入手できますが、なかには密猟や密輸など違法に取引されたものもあると言われています。

日本だけでなく中国や東南アジア諸国でも象牙を使った判子や彫刻品が高値で売られており、密猟で殺されたアフリカゾウ・アジアゾウから採取されたものも横行しているとの事。
アフリカゾウに関して言えばこのペースで密猟がすすむと今後10年で地球上からいなくなってしまうかもしれないと言われています。

象牙の取引について

実は1989年にアフリカゾウの絶滅を防ぐために商業目的の象牙取引が禁止されたのですが、97年にボツワナやナミビアからの象牙が事実上「禁止解除」。2000年に試験的に日本が約50tの象牙を輸入します。
なぜ取引禁止の解除がされたのか。アフリカの国の多くは貧困に喘いでおり、ゾウ1頭分の象牙は年収相当のお金が手に入ります。つまり重要な収入源になるのです。
自然死や害獣として殺されたゾウの象牙のみであれば違法にはならないため、これらの象牙が取引されます。

日本が象牙を買った

日本はその後も一度きりの販売という約束で中国と共に108tの象牙を輸入しています。
書類上ではもちろん合法。日本ではきちんと届けを出されたものに関しては販売を認めています。
ところが、この試験的な禁止解除が多くの密猟者や消費者に「象牙取引再開」という間違った認識を植え付けてしまっているのではないでしょうか。


合法象牙(自然死などで手に入ったもの)を市場に出して密猟が減れば良いのですが、残念ながら年々増える一方。
需要が高まったことで、その供給もハイスピードで進んでいます。
野生動物の絶滅なんて遠い国の話のようですが、どうやら私たちの生活も無関係ではないようです。

東武ZOO(東武動物公園 アフリカゾウ) 金沢動物園(横浜市立金沢動物園 アジアゾウ)

象牙は生きているゾウに生えているから美しく価値があるのだと私は思います。
身近に使っているハンコから色々と考えさせられる今日この頃なのでした。


参考資料  WWF  Japan 会報&ホームページ www.wwf.or.jp/activities/2013/03/1122105.html

      TEARS OF THE AFRICAN ELEPHANT tearsofelephants.jimdo.com/

 

(飼育員 いのうえ)

 

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