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staff blogスタッフブログ (川添久美子のブログ)

ジゴロウのその後

2022年4月3日

2021年7月26日にアオバネワライカワセミのジゴロウが20歳で亡くなりました。
アオバネワライカワセミ正面の姿

生前はキャンッキャンッという大きな鳴き声で前を通る人の目を釘付けにしていたジゴロウ。その名の通り美しい青い羽根が特徴の鳥でした。
オーストラリアに生息するのでカンガルー舎の目の前に手作りの獣舎を作ってもらって、大きな鳴き声は時にカンガルーも驚かせていました。
ヤクシカの解剖
   <解剖する前のヤクシカ>

動物園の動物は亡くなったらどうなるか?
まずやらなくてはならないのは「解剖」です。なぜ死んだのか原因を突き止めます。動物たちの死を次の命に繋ぐための大切な仕事です。
主に獣医さんが行います。ジゴロウの場合、解剖した時点では詳しい原因が分からず臓器を検査に出したところ「リンパ腫(血液のガン)」であった事が判明しました。

トレーニングに協力中のジゴロウ
   <スケールに乗るジゴロウ>
ジゴロウは2019年より健康管理のために体重測定トレーニングを行っていました。
採血も定期的に行えればもしかすると病気治療の余地があったのかもしれません。しかし、300gにも満たない小さな鳥から血を採り続けるのは身体に負担がかかります。また、人で行うような抗がん剤の治療を行うのも困難です。
この種では寿命と呼ばれる歳だったので老いによる病気の発生と進行を食い止めることは難しかったのかもしれません。
これまでに給餌内容の改良やトレーニング、展示スペースの改善など行ってきましたが、他にも工夫は考えられたのではないかと今も想いを巡らせることはあります。次に同様の鳥類を飼育する際に参考になるかもしれないので蓄積してきた体重のデータや給餌量や行動の記録などはまとめておくことにしました。

翼標本
さて、今回獣医にお願いしてジゴロウの左翼を切断しました。
冷蔵庫に入れて数カ月乾燥させてピンで形を整えます。
ケースに入れてラベルを付けたら・・・

ケースに入れた翼標本
翼標本(よくひょうほん)の完成です!
このように亡くなった動物を利用して標本を作製することで、じっくりと隅々まで観察することができます。ジゴロウの翼を改めて見るとグラデーションの美しさに見惚れてしまいました。
翼標本は初挑戦だったので翼の形ももっとかっこ良くできたな、とか♂特有の青い尾羽もとっとくべきだった、とか反省は尽きませんができあがった標本は来園者の皆様にも観察して頂きたいので動物資料館に展示します。

動物資料館に置いてます
 <動物資料館クイズBOX横に置いてます>
美しくてカッコいいジゴロウの翼、ぜひ見に来て下さい。

(飼育員 オーストラリア行きたいかわそえ)

2022年4月3日