みなさま、こんにちは!
獣医師の川瀬です。
今回は、ロバのハズバンダリートレーニングのご紹介をいたします。
当園には、オスのロバのチョムという個体がいます。
(ロバのチョム)
これまでチョムの健康診断は、麻酔かけたり物理的に保定して行っており、年に1回程度実施してきました。
しかし、もう若くない年となってきたために、もう少し、健康診断を実施できないかなと考えました。
そこで、多くの動物たちで取り入れているハズバンダリートレーニングを実施することにしました。
まずは採血が行えるように採血トレーニングを実施することに。
まずは採血する場所に誘導するところから始めました。
(棒の先にある黒い所にタッチするとご褒美(ニンジン)がもらえます)
そして展示場の内側の柵(ロバの展示場は2重の柵構造になっています)に顔を乗せてじっとするようにトレーニングしました。
そうすることによって首が伸び、首を走行している血管が見やすくなり採血がしやすいと考えたからです。
(柵に顔をのせてじっとしてもらいます。)
(触っても大丈夫なようにトレーニングします。)
チョムは非常に積極的にトレーニングに参加してくれて、あっという間に採血の姿勢を取れるまでに至りました。
その後、首を触っても動かないようにトレーニングし、いよいよ大丈夫となったら針を血管に刺してみました。
針を刺すというのは、練習ではできなくどんな反応をするのか心配でした。初めて針を刺した時は、少しびっくりしたようでその場から動いてしまい、採血ができませんでした。そのため、再度、首を触る練習を重ねていく事としました。
そうすることで、先日初めて、トレーニング下での採血に成功することができました。
針を刺しても動かずに実施することができ、採血者である私自身安心して採血することができました。
これからも継続して行い、定期的な採血が実施できるようにトレーニングを続けていき、さらに今後は多くの事が出来るようにしていきたいと思います。
獣医師 川瀬