健康診断
健康診断といえば、毎年行うのが当たり前と思う方が多いのではないでしょうか?かく言う、私も毎年受けています。でも、動物たちはどうでしょう。毎年、受けていると思いますか?
動物たちの健康診断といえば、どんなことをやっていると思いますか?
(チンパンジーのエコー検査)
基本的には、人間と同じなのですが、毎年となると難しい場合もあります。それは、人間とは違って協力してくれることはなく、激しく抵抗するからです。そのため、健康診断をするには麻酔をかけなければならず、頻繁に麻酔をかけるのは動物への負担が大きいからです。
また、なんの異常もない動物に麻酔をかけるのは抵抗があります。それに、検査機器が高額なため予算がつかず、買えないなどお金がかかるため、検査ができませんでした。
(ベンガルトラのレントゲン撮影)
最近の健康診断事情
でも、最近の健康診断事情は違います。たとえ健康に見える元気な動物も、健康であるとは言えない!となっています。それは、検査機器の発展がめまぐるしく、調べると病気が見つかったりするためです。人間でいうとガンなどがそれにあたるのではないでしょうか?
なので、健康診断のために麻酔もいとわない。むしろ、麻酔技術を上げ、危険がないようにするべきである。また、ハズバンダリートレーニングを取り入れ、麻酔をかけなくてもできるようにして、健康診断を実施するべきだとなっています。
ただし、麻酔技術が向上しても、何が起こるかわからないなど少なからず危険がともないます。トレーニングも個体によってはできますが、個体によっては全くできない場合もあります。検査機器は高価であり、多少はそろってきていますが、まだまだ必要な機器があります。
今年度は、血球計数機と麻酔モニターの下記2機種を購入できました。血球計数機により、今まで外部の検査機関に検査をお願いしていたものが、当園で実施できることとなりました。採血後、速やかに行わなければならない検査のため、よりスピーディーに実施することが可能となりました。また、麻酔モニターにより、麻酔中の動物の状態をより正確に把握できることとなり、より安全な麻酔が可能になります。
(血球計数機) (麻酔モニター)
まだまだ課題もありますが、こうした検査機器をそろえながらこれからは定期的に健康診断ができるように、努めていきたいと思います。
(みんなに笑われるのを楽しんでる獣医の飯田)