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staff blogスタッフブログ (飯田伸弥のブログ)

カンガルー対人間

2020年10月14日

  カンガルー病

 みなさん、カンガルー病なるものをご存じでしょうか?

 カンガルー病は、口の中の小さな傷から入った細菌によって顎が腫れる病気で、カンガルーが罹りやすい病気です。

かみねでも、この病気には悩まされています。

          カンガルー頭部

          (マスクにて吸入麻酔をかけているところ)

 先日、アカカンガルー(サンタロウ)の右頬が腫れているとの事で麻酔をかけ検査することとなりました。すると、虫歯があって化膿していることがわかり、後日再度麻酔をかけ抜歯することとなりました。

 みなさんは、お気付きになられましたでしょうか? 

 抜歯をするまでに2回も麻酔をかけなければならないことを…。   実は、カンガルーの麻酔は非常に大変なのです。

         カンガルー治療

         (カンガルーを抑えて麻酔をかけている様子)

  カンガルーの麻酔

 アカカンガルーは体が大きく、シッポも長く太いです。アカカンガルーに麻酔をかける場合、ひとりがシッポを掴んで動きを封じ、そのスキにもう一人が体を抑え、すかさずもう一人がお尻に注射します。最低3人は必要になります。注射後は静かに麻酔がかかるのを待ちます。

 実は、麻酔をかける時よりも、覚醒といって麻酔から覚める時の方が大変です。注射麻酔ですと、覚醒するまでに時間がかかり、放置しておくとフラついたりしてバランスが取れず、シッポが太いカンガルーはシッポで体を支えようとします。なので、後ろにひっくり返ったりして危険です。

 そのため、覚醒するまで体を支えたりして、ひっくり返ったりしないように体を支えていなければなりません。実際には、3人がかりで2~3時間ほど支えています。私の足がプルプルしたりします。

     カンガルーシッポ

        (アカカンガルーの尻尾)

 でも、最近では覚醒に時間のかかる注射麻酔をやめて、覚醒が早く、スムーズな吸入麻酔のみを使うようになりました。これだとすぐに覚醒するため、時間がかからず安全に覚醒させることができます。

 画期的な方法だったのですが、麻酔をかける時は4~5人でカンガルーを抑え、マスクを顔にはめ、麻酔がかかるまで抑えておかなければなりません。大体5~10分程度ですが、カンガルーも必死なのでこちらも大変です。

 噛みついて来たり、蹴ったり、鋭いパンチも飛んできます。先日、私も3発ほどパンチをくらい、危うく手を放してしまうところでした。今度は、麻酔をかける時が大変になってしまいました。このような危険が人間には及ぶのですが、カンガルーの安全のため危険をかいくぐり、安全に抑えられるよう頑張っています。

        吸入麻酔器

          (吸入麻酔器)

                                  (みんなに笑われるのを楽しんでる獣医の飯田)

2020年10月14日

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