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令和元年11月16日(土曜日)

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パラパラパラパラパラ

令和元年11月16日(土曜日)

 

ホンシュウジカ舎の運動場を掃除している時にお客さんとの会話でよくあるのが

客「しいくいんさーん、シカの角って抜けるんですか?」

シカのオスには2本の大きな角が生えています。

飼育員「春に抜けてすぐ新しいのが生えてきますよ、シカの角は1年に1回生え変わるんです」

客「へ~ ソウナンデスネ~」

飼育員(・・・あんまりピンときてないかな)

という場面です。せっかく質問してくれたのに不甲斐ない・・・。

 シカつの

  (この角、年1で抜け替わります)

そりゃ確かにあの立派な角が抜けてしまうというのはなかなか想像しにくいかもしれません。ましてや1年に1回生え変わるとは!目の前の飼育員の言動を疑うのも無理ありません。でも事実なんです。言葉だけじゃ伝わらないこの想い、どうしたら信じてもらえるのか・・・

 

ということでシカの角がどんな風に生えてくるのか、まずは記録を撮ってみることにしました!論より証拠!小学校の頃の日記なんて三日ももたなかった僕に、果たして記録を撮り続けることはできるのでしょうか(笑)

 カミ

   (モデルはこのシカ。愛称"カミ")

証拠集めに協力してもらったのはある1頭のオスのシカです。目標は角が伸び始める4月上旬から、硬くて白い角になるまで、できるだけ同じ角度で写真を撮り続ること。もちろん相手は動物なのでじっとはしてくれないしポーズも決めてくれません。なかなか手ごわい相手でしたが、なんとか無事!角が完成するまで写真を撮ることができました!

 角度

      (この角度ね)

さてこの証拠をどうやって披露したらお客さんに納得してもらえるか。悩みに悩みました。ちなみに写真は70枚ほどあります。写真をバーッと全部張り出してもきちんと見てもらえるかどうかわかりません。僕なら見ている途中で多分飽きます(笑)。何か面白いアイディアはないかな~。ぱ・・・ら、パ・・ラ・・パラパラ・・・パラパラ漫画だ!

誰しも1度はノートの端っこに書いたことありますよね!(僕は棒人間のストーリーを描いてました)これなら角の変化の様子も分かりやすい!ただひとつ問題は、ここはちびっこ怪獣が集まる動物園。安全かつ頑丈なパラパラ漫画をつくる必要があります。悩んだ末に匠が出した答えとは・・・

 

(ビフォー〇フター風に)

ぱら1

シカ舎の展示場に現れた小さな黒い箱。そこにはシカの角の変貌を伝えたい匠の大きな大きな思いが詰まっています。

 ぱら2

箱の名前は「幸村」。箱の上部にある本物のシカの角が、戦国武将真田幸村の兜を彷彿とさせることから、匠の巧みなネーミングセンスによって付けられました。

 ぱら3

箱の横の赤い取っ手をまわしてみると

なんていうことでしょう

写真がパラパラと動きはじめたではありませんか。これには園長もびっくり!

  https://www.facebook.com/kaminezoo/videos/957911621230617/

https://twitter.com/HitachiCity_Zoo/status/1178211072458678272

(本当はここで動画を貼りたかった・・・。動く様子は当園SNSでご覧ください)

子供がぐるんぐるん回しても壊れないように頑丈につくりました。(すでに2回ほど壊れましたが、完ぺきに修理したのでもう大丈夫です)

手回しパラパラ漫画の完成です!

 

角の成長は遊びに来てもらった時にじっくりみてもらうとして、ざっくり言うと4月に伸び始めた角は枝分かれしながら7月には形が完成します。そこから角が固くなり、9月後半には皮がむけて立派な角が完成します。そして3月後半に角が抜け落ち、またすぐに角が伸びてくるわけですね。(動物園では角が完成すると安全のために切ってしまいます。)形ができるまでは3ヶ月!ものすごいスピードで成長していきます!このように角がない期間が短いので、シカの角はずっと生えているように感じますが、「シカの角は毎年生え変わる」ということ、このパラパラマシンを回してもらえば納得してもらえるのではないでしょうか!!!!! かなりの自信作です(笑)

 4月

(4月上旬、まだまだ生え始め)

こうしてある動物の変化をずっと撮り続けることは、動物園で動物を飼育しているからこそできることですね。私たちには身近な動物であるシカでさえ、野生の同じ個体をずっと追い続けて記録を取るのはなかなか難しいことだと思います。(近年では技術も発達して動物に小型装置やカメラをつけて行動等を記録し続けるバイオロギングという手法もありますが、技術や機材が必要ですね・・・)。今回はシカの角の変化に焦点を当てましたが、色々な発見があってとても面白かったので、ぜひ他の動物の変化も追いかけてみたいものです。これからも飼育員だからこそできる、飼育員目線の動物の面白い変化を皆さんにお届け出来ればいいなと思います。お楽しみに!!

(動物園のカラクリ博士  日野)

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