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staff blogスタッフブログ (スタッフブログ)

飼育員の仕事って?

2023年4月30日

飼育員の仕事って?

4(し)月19(いく)日はその語呂合わせから「飼育の日」とされており、動物園・水族館の役割や、飼育員の仕事の裏側を多くの人に知ってもらうことを目的に制定された日です。かみね動物園に限らず、全国各地の動物園で飼育の日ちなんだイベントが開催されています。

今年は小学校低学年を対象に飼育体験を行いました!題して「集まれ!ちびっこ飼育員」。

15日16日の2日間行ないましたが、15日はあいにくの雨模様。どのくらい参加してくれるかなと不安に思っていましたが、たくさんのちびっこ飼育員が参加してくれました!16日は前日と打って変わって天気に恵まれ、これまた多くのちびっこ飼育員が活躍してくれました!

そこでイベントの様子を写真でちょこっとご紹介!まずは初日の15日から!

キリン キリンエサ

<普段は入れないキリンの寝室におじゃましまーす!葉を食べる姿を観察しました>

エサ切り エサやり

<ニホンザルは何を食べるかのクイズをして、その後は自分たちで準備したエサをあげました>

サイ カバ

<クロサイやカバに大接近!食べる音までよく聞こえました。>

雨だったので屋内での作業が多かったのですが、そのおかげでより近くに動物たちを見ることができて楽しく飼育員の仕事を知ることができたのではないでしょうか?特にクロサイとカバにはこんなにも接近してエサを食べている姿が見られて、サイのくちびるの器用さやカバの口の大きさがよくわかったと思います!

続いて2日目!

ライオン扉 ライオン室内

<この日はキリンの他にライオンの寝室と屋内展示場に入って動物の気持ちになりました!>

ヤギクイズ ヤギエサ

<ヤギのエサクイズをしたり、頭骨を見て前歯の秘密を見たり。その後、ニンジンや牧草をあげました>

ポニーブラシ ポニー顔

<ポニーにブラシをかけて毛のお手入れ。その時の表情を見てポニーは今どんな気持ち?>

天気も良くてこの日もイベントは大盛況!普段入れないライオンの寝室に入って実際にライオンが通っている通路を通って屋内展示場へ。ライオンでも壊せない頑丈な扉を飼育員と一緒に開け閉めして、これなら逃げる心配もないですね!

飼育の日のイベントに参加してくれたみなさんありがとうございました!なんと2日連続で参加してくれたちびっこ飼育員もいて大成功に終わりました。

このイベントで体験した作業はほんの一部です。飼育員はエサ作りや掃除だけでなく色々な仕事をしています。みなさんに動物の魅力を伝えるためにイベントを行ったり、ブログを書いたりするのもその一つです。このイベントを通して少しでも動物園の飼育員に興味を持ってもらえたら幸いです。今年はコロナも落ち着きイベントが例年のように行えそうなので楽しみにお待ちください!!

2023年4月30日

チンパンジー「リョウマ」11歳のお誕生日

2023年4月27日

2012年4月27日に950g(平均出生体重は約1800g)と小さな体で生まれたチンパンジーのリョウマ君。

リョウマとマツコ

マツコお母さんと1歳の頃のリョウマ

元気に11歳をむかえました!

リョウマ

現在のリョウマ

少し早めの4月23日にはお誕生日会を開催。たくさんの方が一緒にお祝いをしてくれました。

レタスを土台に色々な果物を使った特製ケーキと果物を詰め込んだ特製バッグをプレゼント。昨年は勢いよく出てきてケーキを蹴散らしていましたが果たして今年は…

特製ケーキ

特製ケーキ

走って勢いよく向かってきたリョウマ君、まずは皆様にディスプレイ(自分の格好良さをアピールするための行動)をしながら特製バッグを投げたりしていましたが、少し落ち着くとケーキを一気に口に頬張ってくれました。

走って来るリョウマ プレゼントを投げるリョウマ

勢いよく走って来てプレゼントを投げ飛ばす…

跳ぶリョウマ

ディスプレイ中のカッコいいリョウマ

大き目のケーキでしたが思った以上に速いスピードで食べる姿を見て、成長したな~と改めて感じました。

ケーキを食べるリョウマ

一気に食べる

冒頭でも述べたようにとても小さく生まれたため、最初は色々と心配していましたが、ここ数年で一気に体は大きくなり一安心。

その一方で犬歯の乳歯から永久歯への生え変わりがとても遅く、成長がゆっくりな部分もみられました。

ゴヒチとリョウマ

ゴヒチお父さん(左)より大きくなりました

ただ健康には何の問題もなく、大きな病気やケガを経験することなく11歳をむかえることができました。

体が大きくなるにつれて心の成長も著しく、現在は思春期真っ只中の難しいお年頃です。ここ最近群れの中で騒ぎが起きる時はほぼリョウマ君の行動がきっかけで起きています…

でも感情を爆発させ、その中で怒られることも必要なこと。色々な経験をしてこの先立派な群れのリーダーになることを願っています。

マツコとリョウマ

マツコお母さん(左)にはまだ甘えています。しつこくねだり、キャベツをもらっていました。

(チンパンジー担当 おおぐり)

2023年4月27日

身近な自然に目を向けて

2023年4月26日

みなさま、こんにちは!

かみね動物園のかわせです。

急に暑くなったと思ったら、急に寒くなる、そんな日々が続きておりますが、みなさまはお変わりないですか?

昨秋、10月にある昆虫を見つけました。
それはこの虫

ナナフシ
普段見かけるようなナナフシモドキとは違い、立派な翅が生えている。そして、捕まるとなんとなく臭いにおいを出している。
そこで、この種について調べてみると、タイワントビナナフシという種であることがわかりました。
普段なら、へぇ、こんなのもいるんだと終わってるのですが、先輩職員から、もしかしたらその虫、茨城県では珍しいかもよ!とのコメント。
そこで、いろいろと調べてみる&博物館や茨城の昆虫類に詳しい方々にお聞きすることにしました。
すると、こんなことがわかりました。
・この虫、タイワントビナナフシは基本的には西日本で生息していること。
・近年になり、関東でも発見されるようになってきた。
なんと、もしかしたら茨城県ではまだ発見されていないかも?なんて考えもよぎりました。
そんなこともあり、せっかくの機会なので、記録に残すことにいたしました。
雑誌

雑誌の一部

(茨城生物という雑誌の中で紹介させていただきました。)
その記事を作成しているときに、つくばでの発見があり、今回の例は茨城県で2例目?の発見となりました。
そんなタイワントビナナフシですが、見つけた当時、園内の資料館で秋の昆虫(コオロギ等)の展示を行っていたので、一緒に展示させてもらいました。
いろいろな方々に見てもらえたかなと思います。

身近な生物たちからも新た発見があるのだな、と再確認できました。
動物園には、飼育動物のみならず、さまざまな生き物(鳥や昆虫、植物)がいます。
今は春の季節、花が一斉に咲き始め、昆虫たちが花の蜜をすったり、鳥たちが一生懸命、子育てをする姿を見ることができます。
ぜひ、ご来園の際はそんな生き物たちの姿も観察していただければと思います。
そこに、新たな発見もあるかもしれません。


参考文献(茨城県日立市におけるタイワントビナナフシSipyloidea sipylusの採集記録.茨城生物.43: 30‐31. (2023))

獣医師 かわせ

2023年4月26日

マツコとチヨの関係は?その3

2023年4月23日

前回のブログから危うく1年経ってしまうところでした…大変お待たせ致しました。これって何の話だったっけ?と内容を覚えていない方も多いと思いますので興味がありましたら振り返ってみて下さい。

その1

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/blog202109.html

その2

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p098236.html

その3

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p100483.html

その4

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/blog202112.html

その5

日立市かみね動物園|イチゴちゃんがお母さんになりました!その5 (hitachi.lg.jp)

その6(最終回)

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p103883.html

マツコとチヨの関係は?

www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/blog202203.html

マツコとチヨの関係は?その2

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p107656.html

チンパンジーの「チヨ」が1歳をむかえました!

日立市かみね動物園|チンパンジーの「チヨ」が1歳をむかえました! (hitachi.lg.jp)

2022年6月の段階でマツコちゃん、ヨウちゃんとは同居をしていたチヨちゃん。仲良くはしていましたがしばらく経っても抱き着いて一緒に移動するような大きな変化は見られませんでした。

マツコとチヨ

マツコとチヨ

そんな中で7月5,6日と2日間連続での休園日があったため初めて運動場へ出てもらうことにしました。

いつもと違う環境に出すことでマツコちゃんに頼って抱き着いてくれるのではないか、と少し強硬手段でしたが、体も大きくなり活発に動いていたこともありやってみようとなりました。

1日目新しい場所に驚いて不安そうなチヨちゃんはマツコちゃんが出てくるとすぐに抱き着いてくれました。

やった!と思っていましたが、抱き着き方がどうにも不自然…お腹にくっつくというよりも首や腕に手をまわしており、マツコちゃんも抱きにくそうにしていました。

それでもしばらくはタワーの上で落ちてついていたのですが、急に不安な声を出してチヨちゃん自ら離れてしまったのでこの日は終了としました。

 マツコとチヨ マツコとチヨ

とても良い雰囲気に見えたのですが…

2日目も同じように不安からかすぐに抱き着いたものの、しばらくするとやはり自ら離れてしまいました。

マツコちゃんも最初は心配そうに近寄ってはいったのですが、それを無視してチヨちゃんが歩きまわるため途中からは諦めた様子で遠くから眺めていました。最終的に自ら寝室に戻りタオルを抱えて落ち着いていました。

この様子からマツコちゃんに抱き付いて一緒に行動する、というのはかなり難しいのではないかと感じました。

それでもお見合いや同居の様子を見ているとチヨちゃん自身チンパンジーたちの事を怖がったり嫌がったりはしていません。

誰かに抱き着かないにしても群れの一員として過ごせるよう、焦らずに数年かかっても良いから一歩一歩進めていく事が大事だなと改めて思いました。

次に同居を進めたのは日本一心が広い(と勝手に思っている)ゴヒチ君。今までも人工保育から群れに戻った子供たちを優しく受け入れてくれました。

ゴヒチとゴウ

ゴウ(現在はよこはま動物園ズーラシア)と楽しそうに遊ぶゴヒチ

格子越しのお見合いで攻撃的な様子がなかったので7月9日に初めての同居に踏み切りました。

仕切りの扉を開けると最初はマツコちゃんも心配してかチヨちゃんとゴヒチ君の間に座って様子を伺っていました。ただゴヒチ君は流石の対応でチヨちゃんが近づいてくるまでは声も出さず動かずにじっと待ってくれており、とても紳士的でした。

ゴヒチとチヨ ゴヒチとチヨ

ゆっくり近づき怖がらせないようにしてくれました

2日ほど経つと楽しそうな笑い声をあげながら仲良く遊んでいる姿が確認されました!

ゴヒチとチヨ ゴヒチとチヨ

お腹をくすぐったり、プロレスごっこをしたり、追いかけっこをしたりとても楽しそう

今回のブログはここまで。次回はすぐに更新しますので少しお待ち下さい。

ゴヒチとチヨ

ぶれてますがマツコとゴヒチとチヨ

(チンパンジー担当 おおぐり)

2023年4月23日

新米ゾウ担当奮闘記。最終章!?

2023年4月9日

春は別れの季節…

皆さん、こんにちは。

前回のブログから約1年ぶりで、ゾウ班配属で3年が経っていました。

前回、前々回とゾウ班に入ってからの心境や、2頭のアジアゾウのことについて書いてきましたが、今回はその続きと今後のお話です。

前々々回   →   新米ゾウ担当奮闘記。

前々回      →   新米ゾウ担当奮闘記。第二章。

前回  →  新米ゾウ担当奮闘記。第三章。

春は卒業・入学、退職・入社など年度の切り替えにあたり様々なことで変化の多い季節となります。

 前回のブログで「今年度も自分個人の担当替えはなく、ゾウとクマ担当での日々を送ることになりそうです。」と書いてから1年が経ちましたが、皆さんも会社等で部署や支店、担当業務の変更があるように動物園内でも担当が変わることがあり、今回の担当替えでゾウ班を離れることになり、この新米ゾウ担当奮闘記もこれで一時終了となります。

と、なんだかとても悲しい文面になっているのですが、実際の所こういったことはよくあることですし、本人はさほど気にしていないといったところが本音でもあります。

1

(鼻をのばすスズコ。と、おしりをむけるミネコ。)

3年で。

3年前、ゾウ班に配属することになりスタートしたゾウ達との3年間。

最初は「誰だこいつ?」といっているかのようにゾウも自分自身もお互い手探りの状況から始まりました。

ゾウは関係性が重要な動物で頭が良く、なおかつ大型なため関係性の構築が非常に重要となります。

始めの頃は毎日の健康管理のトレーニングで足を上げたり、座って寝たりなどの号令も聞いたり、聞いてもらえなかったたりの毎日でした。

号令のかけ方やゾウとの距離感、関係性の構築方法など多くのことをゾウ班の先輩方に教えていただきました。

そして今では号令もしっかりと聞いてもらえており、「あぁ、いつもの人間ね。」くらいには覚えてもらえてるんじゃないかと思います。

ゾウの健康管理の話を以前のブログでも度々させてもらいましたが、飼育員が毎日行うなかでゾウの足のケアは欠かすことができません。

大きなからだのゾウは1本の足にかかる体重も相当なもので、足の病気やケガは命に直結するといわれており、当園では洗浄をはじめ、蹄や足裏の手入れなど多くを行っています。

その中でも削蹄(さくてい)と言われる伸びた蹄を切る人間の爪切りみたいな作業があるのですが、これがスズコはあまり好きではありません。

削蹄をしたくても慣れない人間がやろうとすると怖がって足をぷらぷらとなかなかじっとしてくれません。

かといって無理に行おうとすれば嫌になってしまい削蹄させてくれなくなってしまったり、その上危険でもあります。

うまく関係性を構築しながら少しずつ少しずつ削蹄の練習を行い、今では足を脚立にのせながらじっとして削蹄をさせてくれるようになりました!

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(スズコの蹄を大きなやすりで削っている様子。)

担当替えはすれども…

担当替えでゾウ班からは離れるものの、入園口にある事務所で作業することはほぼ毎日あるので、入園口の一番近くにいる2頭の顔を見ない日はありません。

2頭が日々健康で長生きをしてくれることを願っています…と言いつつ、またゾウ班に戻る可能性も大いにあり!?…全くしんみりとはしていません。

 むしろ新担当で覚えることも多く、今度はそちらに悪戦苦闘しています。

新米ではなくなりますが、その際にはこのブログも復活するのではないかと考えています。

新天地で待ち受けるのはどんな動物なのか…「次回、新米ポニー副担当奮闘記!?」

最後までお読みいただきありがとうございました。

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(顔出しは恥ずかしいので黒塗りに。エサを欲しがるスズコと圧に負けるやました。)

【ゾウは離れるけど、まだまだクマのお兄さん?は続きます! やました】

2023年4月9日