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staff blogスタッフブログ (スタッフブログ)

チョムのこと

2022年12月25日

ロバのチョムが10月15日亡くなりました。23歳でした。
朝、チョムの寝室を覗いた職員が発見した時はまだ息をしていましたが間もなく絶えたとのことです。

死因は「胃破裂」でした。胃が破裂して中の内容物が出ていたとの事。
前の晩まで餌をよく食べて普通に過ごしており、私を含めてみんな驚きました。
こうなってしまった原因は不明ですがどんなに痛かっただろうと考えてしまいます。
チョム
<ロバのチョム>
私がチョムを担当していたのは2018年の約半年間でした。
当時の事は以下のブログに記しているのでよかったらお読みください↓
チョムの問題行動?
「噛みつく」という話から始めは先入観を持ってビクビク接していましたが、決してそんなことはなく懐っこい個体でした。
その後、後輩の獣医がトレーニングを頑張って採血ができるようになりました↓
ロバの採血トレーニング
削蹄の様子
<削蹄中>
また、削蹄師さんによる削蹄も最初の頃は嫌がる素振りをみせてなかなかやらせてくれなかったのですが、
昨今はおやつをあげている間に足を上げてくれてとてもやりやすくできていました。
私はもう担当ではありませんが、削蹄の見学に行ったときその様子を見て感動しました。

体こするブラシ
<毛のついたブラシ>
アマゾンほしいものリストで買ってもらったブラシは最後まで体を擦る様子をさつえいできませんでいたが、
びっしりついた毛はしっかり使ってくれていた証拠。

フィーダーを上手に使うチョム
<上手に引き出しています>
乾草フィーダーは網の目から少しづつ引き出して上手に食べていました。
自分の尾を噛むなどの改善したい行動も時々ありましたが、チョムの事を気にかける人が増えてきてくれたのはとても嬉しく思っていました。
その矢先の死亡であり残念でなりません。もっと色んな姿を来園者に見せたかったと心から思います。

うさぎのひろば
<うさぎのひろばになりました>
現在チョムがいた運動場は先輩が改装してウサギが使っています。
楽しそうに穴を掘ったりトンネルで休んだりしている姿を見るとこちらも嬉しくなってきます。
私にとってはたった半年の担当動物でしたが多くの事を教えてくれたチョム。
今とこれからの動物たちに還元できるよう日々勉強・実践していこうと思います。

(飼育員 ロバの元担当かわそえ)

2022年12月25日

もしも動物が逃げたら

2022年12月17日

「もしクマやライオンが獣舎から逃げたら?」
動物の脱走は絶対にあってはならない事ですが、もし起こった場合どのように対処すべきか動物園では職員間で情報共有しています。
その確認作業の一つが「猛獣脱出対策訓練」です。12月7日に今年度1回目の訓練が行われました。
クマが逃げる
<逃げるクマ>
今回はクマが逃げた設定です。
第1発見者の飼育員は常にクマを見張りながら無線で全職員とやり取りします。
他の職員は動物の位置を把握しながら、来園者の安全確保と捕獲・収容の準備に取り掛かります。
網が張られた園路 網が張られた園路の中を逃げるクマ
<遮断網が張られた園路>
一刻を争う事態なので全員真剣です。
クマが他のエリアに行かないよう、捕獲班は遮断網を各エリアに張って道を塞ぎます。一見頼りなく見えるかもしれませんが、網は頑丈なので簡単に破ることはできません。
また、視覚的に行く手を阻む効果もあります。

車でクマを追い詰める
<壁際に追い込まれるクマ>
猛獣に生身で近づくことは出来ないので車で追い込んでいきます。
麻酔銃を発射する獣医
壁まで追い詰めたら獣医がクマに向かって麻酔銃を撃ちます(訓練なのでもちろん打つフリです)

網にくるまれるクマ くるまれて寝室に入るクマ
麻酔が効いて完全に寝たところで素早く網にくるんで寝室へ。
クマが逃げた一報が入ってから約30分でした。
今回訓練を行ってみて遮断網を張るのに思ったより時間がかかるなど課題が見つかりました。また、実際に来園者を避難させながら動物捕獲を行うとなると無線のやり取りも多くなり混乱する可能性があります。
職員一人一人が普段からやるべき事を認識して共有することが大事だと改めて感じました。
今年度中にもう一度訓練があるので反省を活かしてより安全により素早く動けるよう職員間で話します。
(飼育員兼安全管理(猛獣脱出対策)班 川添)

2022年12月17日

アジアゾウと消防ホースのフィーダー そのいち(作製編)

2022年12月4日

フィーダーって? 

フィーダーというのは、日本語でいうと給餌器のようなものです。

そのままドーンとごはんを置いてあげるよりも、フィーダーを使ってあげることでごはんを探す行動やごはんを食べることに関わる時間が増えます。飼育されている動物のたいくつな時間が少しでも減るように動物園ではよく使われているもので、動物ごとの習性や食べ物に合ったものが設置されています。

カワウソ (揺らして出すタイプのカワウソ用フィーダー)           ポニー (ポニーが転がしながら使う牧草フィーダー)

 今回はアジアゾウに消防ホースのフィーダーを作成してみました。

ゾウは、力がとても強い動物なので簡単に壊されないものを作らなければなりません。

そこで、先輩方に事前聞き込みをおこなったところ…

・以前、設置したことがある木箱のフィーダーはバンバンぶつけて壊されちゃったよ

・硬い材料で作るとガンガン振り回して色々なところにぶつけるから、展示場が壊れるかも

・転がすタイプは踏んづけてゾウも転がっちゃう可能性があるかも

などなど、色んなお話を聞いたので、硬くない材料でゾウが振り回すのが大変そうなものを考えてみました。

アジアゾウ

(ミネコとスズコ いろんなフィーダーやおもちゃを壊してきたツワモノたちです)

まず、材料は消防ホース。

消防ホース

さすがにゾウがバンバン振り回しても消防ホースは柔らかい素材なので展示場は壊れないでしょう!

次に、振り回すのが大変そうなもの…。ゾウが振り回すのが、大変なものを人が動かせるわけもありません。振り回すことが大変そうなものを作ることは無理だ~。

ということで、今回は振り回すのが大変そうなところに設置することにしました。

展示場(どこにしようかなぁ…。)

展示場(ここに決めた!)

消防ホースを編んでフィーダーを作り・・・

完成&設置。

フィーダー(サツマイモやニンジンを差し込みました!)

ここなら、大丈夫!(きっと…)

フィーダーとゾウ

(設置したばかりのフィーダーとそれを見に来たスズコ)

次回、ゾウに使ってもらってみたに続く…。

(消防ホースフィーダーの作り方を毎回忘れて調べなおすアジアゾウ担当 にしかわ)

2022年12月4日

安心してください!とっても仲良しですよ!

2022年12月1日

かみね動物園では、展望デッキとビーバー舎を建設中です。来年(令和5年)の春に完成予定です。

そのため、アメリカビーバー2頭は、獣医室にて飼育中、非展示となっています。

 アメリカビーバー2頭
(隔離池のアメリカビーバー2頭。手前がオスのコウコウで、奥がメスのノゾミ)

アメリカビーバーは、北アメリカに広く分布し、河川や湖などに生息、ダムを作ることでも知られています。ネズミの仲間で夜行性です。そのため、日中は寝ていることが多く、夕方動き出します。樹皮や木の枝、葉、根などを食べています。

ビーバーの尾

特徴的な尾を持っています。尻尾にはほとんど毛がなく、ボートを漕ぐオールのようになっていて、上下に振って巧みに泳ぐことができます。最大で15分程も潜っていることができると言われています。

ビーバーの毛並み

また、ビーバーの体毛は独特で、個人的には触り心地、No.1!と思っています。

当園のアメリカビーバー♂コウコウの相方モグモグが、残念ながら、令和3年5月13日に食道癌のため亡くなったため、新たに♀のノゾミを千葉市動物公園より、お嫁さんとして迎え入れることとなりました。

♀ノゾミ 
       (♀ノゾミ)


お嫁さんを迎え入れたときには、ビーバー舎の工事は始まっていて、獣医室の隔離池でお見合いをすることになりました。動物とは言っても、相性みたいなものがあって、ケンカしたりしないか不安に思いながら一緒にしたのですが、、、。

仲良し

一緒にしてみると、ケンカをするどころか非常に仲が良く、その夜からお互いの尻尾を枕にして仲睦まじく一緒に寝ていました。最近では、お互いの尻尾を枕にすることは少なくなりましたが、いつも一緒に寝ています。

仲良し2

1頭が起きると、もう1頭も起きて、餌をねだるときも一緒で、ちょっと仲良すぎね!!と嫉妬するほどです。ビーバーは一夫一婦で妊娠期間は3か月ほど、普通は3~4子を出産します。

巣
 (枝などを利用して、巣を作っている)

ビーバーは手で子供を運ぶとか、運ぶところを見てみたい私は、来年の春ごろ子供が生まれることを待ち望んでいます。

(獣医 飯 田)

2022年12月1日