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staff blogスタッフブログ (スタッフブログ)

なかよし大作戦!?

2022年7月31日

朝、カンガルー舎に集まる職員たち。
カンガルー舎裏に集まる職員
運動場に入って・・・
カンガルーに挨拶する職員
カンガルーにごあいさつ。「おはよう」
朝ごはんを準備する職員
そして朝ごはんを色んな場所に設置してもらいます。
朝ごはんの様子を観察する職員
その後はみんなで朝ごはんを食べるカンガルーを見学。
そして食べるのを見届けたら解散です。「お疲れさまでした~」
これ何なのかというと実は練習なんです。
今年のサマースクールはカンガルーの飼育体験。子供たちと朝ごはんを準備してその後食べている様子を見学するのですが、これまでに大勢のお客さんが運動場に入るなどのイベントを経験したことがない当園の個体は全く慣れていません。
初回、試しに10人程度で入ってみたところ、びっくりして朝ごはんを食べてくれなかったのでこれはいかんと入る人数を少なくして練習を始めたのでした。

カンガルーが多くの人に慣れてくれればこんな良いこともあります。
カンガルーにおやつをあげているところ 注射器で尾をつついているところ
これはおやつをあげている間に尾を注射器で突いているところ。
大分じっとしてくれるようになったのでこのまま採血ができるようになることを目指します。
忌避剤を噴霧しているところ
<虫よけをシュッシュ>

個体によりますがサシバエ除けの忌避剤もかけられるようになりました。
野生動物が人に馴れると様々な問題が発生しますが、動物園動物はある程度人に馴れていた方が安全にストレスなく健康管理できます。

さて、始めにお伝えしたサマースクール本番は一体どうなったでしょう。
実は私自身子供たちと話すのに夢中になって写真を撮り忘れるという大失態・・・
けれど、10人ほどの子どもたちの接近にもほぼ動じず、その後も落ち着いて朝ごはんを食べてくれました。
大好きなサクラの葉や固型飼料を先に食べて乾草を食べてくれないというハプニングもありましたがそれはご愛嬌ということで。
子供たちともっと観察していたかったな~。大雨で2日間のうち1日しかやれなかったのが心残りなので
来園者と朝ごはん準備するイベント開催しても良いかも!?
もし、カンガルーの運動場に複数人で入って触ったりおやつをあげたりしていたら、それはなかよし大作戦の最中なので心の中で応援して頂けると嬉しいです。

(飼育員 今年はカンガルー推しますかわそえ)

2022年7月31日

七夕イベント開催しました!

2022年7月25日

☆七夕イベント開催しました☆

7月7日は七夕!ということで、7月3日、一足先に七夕イベントを行いました!

入口笹飾り 来園者笹飾り

<七夕恒例笹飾り!動物園職員だけでなく、来園者の皆さまにも願い事を書いて頂きました。願いは叶ったかな…?>

さて、当日は笹飾りだけでなく、チンパンジーとニホンザルに笹や豪華フルーツのプレゼントしました。写真多めで、その様子をご紹介します!

~チンパンジーに笹のプレゼント~

フルーツ 笹に飾りつけ

<皆でフルーツを笹に飾りつけ♪つけるのがやや難しかったけど、一生懸命付けてくれました!ありがとう!!>

サツマイモを食べるチンパンジー 笹は食べない

<早速食べてくれています!笹は食べずに野菜やフルーツだけ器用に取って食べていました>

大きい竹 竹をお尻に敷くフク

<大きな竹は前日に設置しました!当日チンパンジーたちは食べることなく、お尻に敷いていました。>

~ニホンザルに笹のプレゼント~

飾りつけ前 飾りつけ中 盛り付け完成

<飾りつけ前は緑一色だったプレートも、飾りつけ後には色とりどりに!フルーツ盛りだくさんの美味しそうな七夕プレートが完成しました!>

ニホンザルフルーツ堪能 フルーツを食べるニホンザル

<たくさん用意した甲斐もあり、穏やかにめいめい好きな場所で食べていました!>

竹設置 笹を食べるニホンザル

<大きい竹も設置しました!こちらはフルーツが無くなったころにやっと手を出していました>

チンパンジーもニホンザルも大きな竹にはあまり興味を示しませんでしたが、フルーツは大喜びの様子でした♪動物たちにとっても、嬉しい七夕になったかな?

さて、余談ではありますが、私たち飼育員の願いはというと…

職員の願い事<見えにくいですが…読めるかな?>

動物たちの声を直接聞くことはできませんが、少しでも動物たちがのびのび暮らせるよう、この願いを叶えるべく、これからも頑張りたいと思います!!

それでは、来年の七夕もお楽しみに~!

2022年7月25日

7月14日は世界チンパンジーの日

2022年7月13日

世界チンパンジーの日は2018年にスタート!

なぜ7月14日なのか?それは1960年にジェーン・グドール博士(野生チンパンジー研究の第一人者)が研究を目的としてタンザニアのゴンベストリーム国立公園に初めて足を踏み入れた日、という事を記念して制定されました。

野生および飼育されているチンパンジーの暮らしを支え、チンパンジーを守る人々を応援し、より多くの人々を魅了することを目的としています。

チンパンジーは野生下で生息地の破壊、病気の蔓延、密猟、密売など様々な理由が絡みあって数を減らしています。

ゴンべのチンパンジー ゴンべのチンパンジー

ゴンべのチンパンジー ゴンべのチンパンジー

以前担当者が訪れたゴンベの野生のチンパンジー達

世界中の人達に興味をもってもらい、保護や保全といったことについて考えてもらうきっかけの日でもあります。

チンパンジーは「複雄複雌」といってたくさんの仲間たちと群れで暮らします。

赤ちゃんは5年ほどお母さんに守られながらいつも一緒にいます。お母さんを通して群れの仲間たちとの過ごし方、生きていくのに必要なことを学びながら成長していきます。

メスは10歳前後のオトナになると自分の生まれた群れを出て新しい群れへと移籍し、オスは生まれた群れでずっと暮らします。

かみね動物園では現在11ヶ月の赤ちゃんから推定51歳のおばあちゃんまで8頭のチンパンジーたちが暮らしています。

ユウ

リーダー(αオス)のユウ

ゴヒチ

ユウとリョウマのお父さんのゴヒチ

ヨウ

最年長のヨウ

マツコ

リョウマのお母さんのマツコ

イチゴ

チヨのお母さんのイチゴ

リョウマ

思春期真っただ中のリョウマ

フク

昨年ズーラシアから来園したフク

チヨ

間もなく1歳のチヨ(現在非公開)

力強く、大きな声で騒ぐことも多いので、「凶暴なんですか?」と聞かれることもありますが、そんな事はありません!

群れで暮らしているためもちろんちょっとしたいざこざはありますが、喧嘩した後は仲直りをしますし、意味もなく暴力をふるったりはしません。

オス達はディスプレイといって「自分は強いぞ!カッコいいんだぞ!」とアピールするために、壁やガラスを叩いて大きな音を出したり、全速力で走り、大きな声も出すため危なく見えるかもしれませんが、それも誰かを傷つけるための行為ではありません。

抱き合ったり、お尻を見せたり、手を差し出したり様々な挨拶をし、グルーミング(毛づくろい)をし、笑いながら遊んでとてもコミュニケーションを大切にしています。

ユウとヨウ

お互いをグルーミングするヨウとユウ

チンパンジーたちの魅力はまだまだ尽きません。ぜひ動物園に足を運んで観察してみて下さい!

(チンパンジー担当 おおぐり)

2022年7月13日

マツコとチヨの関係は?その2

2022年7月12日

とっても久しぶりのブログです。待っている方がいましたら大変お待たせ致しました。

昨年の8月8日に生まれたチンパンジーのチヨちゃん。生後11か月をむかえ、来月には1歳になります。とても活発に動き、ミルクの量もかなり減り、果物から野菜まで何でも食べてくれます。

チヨちゃん

現在のチヨちゃん

チヨちゃん

高い位置にあるハンモックに乗ることもあります

お母さんのイチゴちゃんが上手に抱くことが出来ず人工保育となり、2月末には代理母候補のマツコちゃんと暮らし始めました。

ここまでは以前ブログでお伝えしていましたので良かったらご覧ください。

その1

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/blog202109.html

その2

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p098236.html

その3

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p100483.html

その4

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/blog202112.html

その5

日立市かみね動物園|イチゴちゃんがお母さんになりました!その5 (hitachi.lg.jp)

その6(最終回)

https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/p103883.html

マツコとチヨの関係は?

www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/ooguri/blog202203.html(新しいウインドウが開きます)

さて、現在の状況ですが未だにマツコちゃんに抱き着いていません…2月24日に同居を始め4か月以上。ここまで抱き着かないとは正直思っていませんでした。

2011年2月7日に生まれ人工保育となったゴウちゃん(現在はよこはま動物園ズーラシア)は母親のヨウちゃんと1,2時間といった短時間同居を7か月ほど続け、夜間も一緒にしてからは20日ほどで抱き着き、その後は親子としてずっと行動を共にしていました。

ヨウとゴウ

2015年のヨウ・ゴウ親子

2012年4月27日に生まれ人工保育となったリョウマ君は母親のマツコちゃんと生後10か月で初めて一緒にすると10分ほどで抱き着いてくれました。

マツコとリョウマ

2015年のマツコ・リョウマ親子

もちろん数年かかった事例もありますが、当園でのこの経験からすぐに抱き着いてくれるだろうと安易に考えていました。

マツコちゃんも最初は積極的に抱き着くように促し、夜間もいつもは高い位置にある寝台で寝ていますが、下に降りてきてチヨちゃんの横で寝てくれる様子も見られました。チヨちゃんも怖がる様子はなく楽しそうに遊んではいるのですが、何か不安なことがあった時にはマツコちゃんに向かうのではなくタオルや敷き藁を抱き込んでしまいます。

マツコとチヨ

近くで寝てくれるマツコちゃん

マツコと遊ぶチヨちゃん

追いかけっこをして遊んでいる様子

5月に入ってから現状を変えようといつもとは違う場所で藁を敷かずタオルも与えない状況で一緒にしてみると、不安なためかすぐにマツコちゃんに抱き着きました!「良かったー」と思っていたのですが、少しするとなぜか自分から離れてしまい、もう一度抱こうとするマツコちゃんに見向きもせず泣き叫び続けてしまいました…

マツコとチヨ

一度は抱きついたのですが…

(動画を切り取ったものなので画質が悪くてすみません)

これがきっかけとなりマツコちゃんも諦めてしまったのかイライラしている様な素振りが見られたため、少し距離を置くことにしました。

3週間ほど夜間の同居を一時中止にし、日中も一日置きの同居を繰り返すとリフレッシュが出来たのか積極的にマツコちゃんから遊びに誘う姿が見られました。

夜間の同居を再度始めると、大きな変化は見られませんでしたがチヨちゃんが遊んでいる中でマツコちゃんから遠ざかってしまうという様な姿は減り、少しずつですがマツコちゃんへの信頼が深まっている様子です。

マツコとチヨ

仲良くごはんを食べています

また、さらに状況を変えるため隣室にヨウちゃんに入ってもらい3頭での同居を目指しました。

格子越しでの攻撃的な様子などが見られなかったので6月12日に同居を開始しました。

この時チヨちゃんが驚いてマツコちゃんに抱きつかないかな?と期待していたのですが、ヨウちゃんの反応がほぼなく、チラッと横目で見て近づくこともありませんでした…

そこから現在に至るまでチヨちゃんは少しずつヨウちゃんとの距離を詰めていますが、ヨウちゃんからアクションを起こす姿は見られず、一緒の空間にはいるけど特に接触は見られない状態です。

ヨウとチヨ

ヨウちゃんを気にするチヨちゃん

以前のブログを書いた後、次のブログではマツコちゃんに抱きついている姿を紹介出来るかな、と思っていたのですが現在の状況だとまだ時間がかかりそうだなといった感じがしています。

普段仲良く過ごしていても揉め事が起き、大きな騒ぎになることが群れで生活をしていると日常茶飯事です。大人であれば上手に逃げたり対抗する事も出来ますが、小さなうちは抱きついて一緒に逃げたり、守ってくれる存在が必要となるため、今の状況ではまだ公開をするのは難しいなと考えています。もう少しの間お待ち頂ければと思います。

チヨちゃん

(7月14日は世界チンパンジーの日! チンパンジー担当 おおぐり)

2022年7月12日

動物にも人にもエンリッチメント

2022年7月11日

以前、採食時間を延ばしたい!ということでシマウマのエンリッチメントをご紹介しました。
なんじゃそりゃ?という方、時間つぶしに読んでみるか~という方、以下のリンクからどうぞ。
Part1: https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/900/p102079.html
Part2: https://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/900/p103803.html

今回は担当動物が変わったので、違う種類の動物のエンリッチメントをご紹介しようと思います。

その前に…

「環境エンリッチメント」という言葉を聞いたことはありますか?
動物園で飼育されている動物は野生とは違い、単純で単調な生活になりがちです。環境エンリッチメントとは動物の福祉や健康の改善のため、単調な環境に変化をつけ、行動や心理的に少しでも豊かで充実したものになるよう工夫をすることをいいます。最近では、動物園でよく使う言葉の一つになっているような気がします。

一言で「エンリッチメント」といっても種類は様々で、一般的には

・空間:その動物の特徴的な行動に配慮した空間をつくること
・採食:エサの種類や与え方を変え、野生下と同様に考えたり時間をかけてエサを得るようにすること
・感覚:視覚、嗅覚、聴覚など五感を刺激すること
・認知:複雑な遊具や装置を設置して、考えて使用してもらうこと
・社会的:群れでの飼育や他の動物と接触し、社会性を再現すること

の5つに分けられています。

ヤクシカ編

今回ご紹介するのは主に採食エンリッチメントです。

まずはヤクシカ。
今までは地面に乾草を置いての給餌がメインでしたが、野生に暮らすシカは下に生えている草以外に自分の背丈の木の葉や、少し背の高い植物も食べることがあります。
ということで、長めの枝が手に入った際には、ぶら下げてみたり、展示場中央の組んである木に入れ込んでみたり。
ヤクシカに木を吊り下げて与える ヤクシカに枝葉を与えている様子

その他にも、美味しく新鮮な草が手に入ったときは、少し難易度を上げるため、シマウマの時にも使用した園芸用ネットを使用したりしています。

雑草を食べるヤクシカ

アナグマ編

いらないから…といただいた自動給餌器を設置しました。

アナグマ用自動給餌器

人がいなくてもタイマーでエサが出てくるようになっています。最近は音がすると寄ってきますが、エサの入れ方が悪いためか、その時々で出てくる量に少し差があり、それはそれで今回はこんなに出てきた!今回は少ないの?と緩急をつけることができています。

そして、ミミズが大好きなアナグマたち。

毎日あげられるほどの量は確保できませんが、見つけた際には、展示場に撒いたり、土の中に隠してみたりと、「探す」「穴を掘る」という野生でもみられる行動を引き出すようにしています。

ミミズを探すアナグマたち 土の中にいるミミズを探すアナグマ

そして夕ご飯。基本的な夕食メニューは決まっていますが、いつもと違う果物が手に入ったときには、メニューが変わって少し豪華になったりもします。与え方もその時々で、皮をつけたまま与えたり、むいてみたり、切り方を変えたり、丸のまま与えてみたり。考えて食べてもらえるよう工夫もしています。

アナグマの夕ご飯

この日は七夕だったので、ハート型のサツマイモを入れました。七夕といえば星なのに、この時の自分はなぜ星形にしなかったのか…。

マーラ編

今悩んでいるのはこのマーラたち。
欲しいものリストでいただいた自動給餌器を使用してみましたが、中に入っているのが分かっているからか、その強靭な(?)前歯で給餌器を齧ったり、ひっくり返したりする個体が現れました。最初は上手に使っていたのに…。
マーラと自動給餌器

吊るしたり、ひっくり返したりしてみましたが、マーラのエサとの相性が悪く、上手く活用できませんでした。

今は食べられる葉っぱを切ってきては、時間を決めずに与えています。
クワの葉を食べるマーラ
この日はクワの葉。

マーラたちのために良いエンリッチメントないかな~と考える日々です。

終わりに

動物のために…と日々考えて作業をしていましたが、先日ふと、自分のボケ防止にもなっているなと感じました。動物のエンリッチメントが自分のエンリッチメントにもなっており、改めて動物たちに敬意を表さずにはいられなくなりました。動物のより良い環境づくりのため、そして自分自身のボケ防止のためにも、今後も新しいエンリッチメントを模索していこうと思います。

今回はわたしの担当動物のエンリッチメントをご紹介しましたが、自分の担当動物により良い環境を、と各飼育員いろいろ実践しています。展示場にどんなものが設置してあって、どんなふうに動物が使用しているのか、ぜひご注目ください。

飼育員 ところ

2022年7月11日