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サルの楽園今日この頃~ブラッザグエノン編~

2020年1月27日

サルの楽園今日この頃 ~ブラッザグエノン編~

 サルの楽園には8種類のサルが暮らしています。今回はその中から「ブラッザグエノン」についてお話します。

 まるでサンタのヒゲのような長い毛があごにあるのが特徴のブラッザグエノン、一応世界でもっとも美しいサルとも言われています。ちなみにかみね動物園には3頭のブラッザグエノンが暮らしていますので、少しご紹介。

ゴマ

ゴマ(♀)一番若く、とっても元気な女の子。

モモ

モモ(♀)のんびり屋です。何を考えているのか一番わかりにくい。

ピット

ピット(♂)唯一のオスです。年齢は今年で29歳!高齢です。

 メンバーは上記の通りです。ヒゲのような毛が生えているので「おじいちゃん」と言われることがよくありますが、メスでも、どんなに若くてもこのあごの毛は生えています。

 さて、こんなメンバーで和やかに暮らしていた彼らですが、ここ最近その関係性に微妙な変化がみられるようになってきました。

二頭仲良し

(ゴマ(左)とピット(右)で仲良く餌を探しています。穏やかに暮らしていた彼らに何が…?)

 ピットはそんなに老けて見えませんが、実は今年で29歳。飼育下の寿命が約30年と言われているため、こちらは見た目通りのおじいちゃんです。自分の強さをアピールするディスプレイ(壁をけって激しく音を鳴らしたりします)も最近めっきり減りましたし、動きも「よっこらせ」と、つい掛け声を入れたくなるような感じ。加齢に伴い行動にも変化が出てきたな~と思っていたら、彼の行動だけでなくともに暮らすメスにも変化が見られるようになりました。

 …なんと、自分より体の大きなピットに対して攻撃したり、追っかけまわしたりするようになってしまったのです。しかもしつこい。様子をみながら3頭で展示を続けていましたが、日を増すごとにピットへの襲撃は増える一方でした。あまりにもピットが一方的にやられるので、ここ最近は3頭ではなく、メンバーチェンジをしながら2頭ずつで展示をしています。3頭だと起きる闘争も、2頭であれば起きない、むしろ毛づくろいしたり穏やか過ごしているので不思議なものです。

和やかなぶらっざ

(ピット(右)に毛づくろいするモモ(左)。3頭一緒でも労わってくれたらいいのですが…。)

 3頭一緒に過ごせないのはさみしい気もしますが、一人で過ごしている時間もゆったりしているので、これはこれで彼にとってリラックスできる時間なのかな?とも感じたりします。と言うことで、ブラッザグエノンは当面入れ替えをしながら2頭での展示となりますので、ご理解いただけたらと思います(これが言いたかった…)。そっくりな顔で見分けがつきにくいと思いますが、展示場前に写真を載せとくので、頑張って個体識別にチャレンジしてみてください!

ピットアップ

(ちなみに私はピットです)

(ピットと同い年の飼育員 木村か)

2020年1月27日

飼育員、国際会議に行く~発表編~

2020年1月23日

 「国際会議に出席」その響きだけで何やらものすごく仕事ができる人のように感じますが、ここに書くのは大分背伸びして拙い英語で発表しちゃった飼育員の記録です。
 と、いうわけで行ってきました国際会議!その名も「第14回国際環境エンリッチメント会議」です。略称ICEE。International Conference on Environmental Enrichment.

6月22日から26日までの5日間京都大学で開催されました。

京大
 <初めて入った京都大学>

会議には世界中の動物園や水族館のスタッフ、並びに大学関係者や野生動物保護団体など様々な方が集まって環境エンリッチメントについての発表やワークショップが開催されます。

環境エンリッチメントEnvironmental Enrichmentとは「動物福祉の立場から、飼育動物の幸福な暮らしを実現するための具体的な方策(市民ZOOネットワークHPより)」のこと。動物にとって動物園での飼育環境は本来の生息地と比べると狭くて単調になりがちです。
この様な環境Environmentalを少しでも豊かで充実Enrichさせるための工夫を環境エンリッチメントと言います。
2年に一度開催されるこちらの国際会議、今年は日本開催との事でこれは国内並びに海外の様々な試みを聴けるチャンス!そしてどうせ出席するなら発表よね。口頭発表はみんなの前で英語で質問されたら答えられないから、なんとかなりそうなポスター発表にしよーっと、なノリで発表も決めちゃいました。

大学の研究室で 
 <小針先生の研究室で直し中・・・>

ポスターは私井上による「フラミンゴの繁殖ディスプレイ回数とお客様からの餌やりの関係性について」と西川飼育員の「ポニーとシマウマで行っているエンリッチメント」の2題がかみね動物園からは提出されることに。
国際会議なので要旨もポスターもメールでのやり取りも全て英語です。
発表に当たり北里大学の小倉先生や茨城大学の小針先生には大変お世話になりました。お世話になったというかほぼおんぶに抱っこだったと言うか・・・。締め切り直前まで指導して頂いた先生たち本当にありがとうございました。

ポスターと西川飼育員 ポスターと井上飼育員
 <西川飼育員はシマウマの発表。井上はフラミンゴの発表です>

ポスターを抱えていざ初京都大学!

到着して早々ポスターを貼ったら、聞きたい口頭発表の会場へ。期間中2つの会場で様々なお話が聞けます。どの話題を聴きたいかあらかじめ目星をつけて伺いました。

大牟田市動物園の発表 会議中
         <いろんな発表。もちろん、どれも英語です>

動物園・水族館だけでなく家畜の話題もたくさん出ていました。野生動物よりも研究が進んでいる家畜の環境エンリッチメントは実に興味深く動物園にも応用できるものがたくさんありました。どれもこれも行っている人の主観で「良さそう」ではなく行動学や生理学などを用いて科学的に検証されている事例ばかりです。
喋れない動物が本当に幸福かどうかをはかるにはとても大切なことです。

ポスター説明 ポスター説明
         <ポスター発表始まりました!>

刺激的な発表をたくさん聞いていたらあっという間にポスター発表の時間に。

サンドイッチとか
  <軽食も出されて和やかに開催>
会場内は夕飯が近いということもあってか軽食や飲み物などが用意されて皆食べながら思い思いにポスターを見ています。
発表者はこの時間基本的にポスターの前で質問者の応対をします。
日本人もたくさんいますがもちろん海外の方には英語で説明です。

ポスター発表
  <中央眼鏡かけてるのが私です>

有難いことにポスターに興味を持っていただき海外の方からもいくつか質問を頂きました。
今回私が発表したのは以前担当していたチリーフラミンゴのお話。
簡単に言うと、繁殖ディスプレイの回数にお客様からの餌やりが関係しているかどうか~という内容です。
変な汗が出ながら、英単語を必死に思い出してなんとか説明。なんとか通じてホッ。

鋭い質問も出て焦りましたが今後の調査に役立てそうなアドバイスも頂けました。分からないながらに毎日の飼育記録をまとめていて本当に良かった。発表して「はい終わり」ではなく次に繋げられるヒントを頂けたことが今回の収穫でした。

アイパッドで説明

西川飼育員はタブレット片手にシマウマのエンリッチメントツールの説明。動画を見せながら、こちらも多くの方に興味を持っていただけたようです。

私は現在フラミンゴ担当ではありませんがもしもまた担当につかせていただく機会があれば今回の発表と調査結果を生かしてより良い飼育に活かしていきたい。つかなかったとしてもフラミンゴの飼育におけるデータにはなったのでいつか役に立つかな。あ、他の動物でも応用できるデータと調査だったと思ってます。
とにかく英語で頑張って良かった、ノリだけどポスター出して良かったと思いました。

次はいつ発表するかな・・・

どうぶつ資料館

ちなみに私と西川飼育員のポスターは現在どうぶつ資料館にて絶賛貼り出し中です。英語ができる方は愛ある鞭を。できない方は雰囲気を味わってみて下さい。
次はワークショップ編です。やっぱり英語に大苦戦!?
お時間あればぜひ読んでみてください。

※写真は第14回国際環境エンリッチメント会議HP  www.iceekyoto.org/(新しいウインドウが開きます)、
茨城大学ーかみね動物園研究教育連携プロジェクトHP dklabo.wixsite.com/zoorep(新しいウインドウが開きます)より頂きました。

(出川Englishに勇気頂きました いのうえ)

 

2020年1月23日

12歳のお誕生日会☆

2020年1月8日

チンパンジーのイチゴちゃんが12歳になりました!

イチゴ

2008年1月5日に石川県の動物園で生まれ、かみね動物園には8歳の時にやってきました。

9歳からお祝いをしているので今回が4回目のお誕生日。

群れで暮らしているため「誰かが帰ってこない!」「主役が一番に出て行けない!」などのハプニングが起き、思ったようにいかないことの多いお誕生日会…

今回こそは!という事でイチゴちゃんには午前中お休みをしてもらい13:30の開催に備えてもらいました!

特製ケーキとプレゼント(段ボールの中にボールが入っており、その中にフルーツをいれてます)を準備し主役の登場を待ちます。

ケーキ

寒い中始まる前からたくさんの方が集まってくれ、一緒にお祝いをしてくれました♪

出てくると真っすぐにケーキに向かっていきましたが、いつもと違う雰囲気に少し戸惑った様子でウロウロ…それでも落ち着くとしっかり食べてくれました!

イチゴイチゴイチゴイチゴ

あまり器用ではないイチゴちゃんですがボールから中のフルーツを取り出し用意したプレゼントをしっかり堪能してくれました~!!

イチゴ

途中から他のメンバーが合流し少し騒がしくなりましたが、無事にお誕生日会は終了。

イチゴちゃんはお母さんが上手く子育て出来ず、人工保育でした。そのため他のチンパンジーたちとのコミュニケーションが最初上手ではありませんでしたが、最近では群れの一員としてみんなと一緒にいる場面が多くなりました。

ハラハラしたり、それはちょっと違うんじゃないの?と思う場面もありますが、他のメンバーも大目に見ているようでしっかりとした関係性ができていることが感じられます。

まだまだな部分もありますが、これからも群れの一員としていつかお母さんになる日がくれば良いなーと思う今日この頃です。

さて来年のお誕生日会はどうなるかな?一年後をお楽しみに~

(年々1年が早く感じ自分が今いくつなのかすぐに分からなくなってきたチンパンジー担当 おおぐり)

2020年1月8日