動物園に新しい仲間が増えました!君の名は・・・、ぼくちゃん1号!
あ、ちなみに動物は一切出てこないブログなのでご了承ください。笑
これまでゾウ担当者には長年の悩みがありました。それはベビーカー問題。
ゾウのおやつタイムはゾウに直接おやつがあげられる、かみね動物園の人気イベントの一つです。ふれあいゲートから超至近距離でおやつがあげられる迫力満点のイベントで、水曜日を除く毎日開催しています。
<お鼻にどーぞ> <大盛況>
安全のためにベビーカーの乗り入れはお断りしていますが、そのまま入ってきてしまう人が後を絶ちません。ベビーカーに乗ったままエサをあげると鼻で引っ張られてしまう危険がある上に、ゲート内は広くないので混雑の原因にもなってしまいます。そのためにベビーカー置き場を用意しているのですが、なかなか利用してもらえていませんでした。
<ベビーカー置き場>
看板を設置したり声かけをしたりあれこれやっていたのですがどれもイマイチ。みなさんの利用の仕方をよく見てみると「ベビーカー置き場に気づかない」「気づいたとしても使い方が分からない」という2つの原因が見えてきました。
そこで考えた対策は2つ。
1、ベビーカー置き場を目立たせる
2、使い方をわかりやすくする
さて、やってきたのは動物園の裏にある廃材置き場です。
<廃材置き場改めお宝置き場>
何か良いものはないかなと物色していたところ目に飛び込んできたのは古びたパイプイス。ほうほう。次に目に入ったのはペンキの空き缶。なるほどなるほど。さらには、どこかで使われていたであろうフィーダー(エサを入れる遊具)のブイ。むむむ。さらにさらに、朝にチラッと見かけた誰かが捨てた長靴。ぎょぎょぎょ。最後にどこからか現れた後輩。なにしてんすかー。
<パイプイス> <ペンキの空き缶>
<使用済みのブイ> <捨てられた長靴>
<現れた後輩>
それらが奇跡的に出会った2時間後、完成したのが「ぼくちゃん1号」です。
<ぼくちゃん1号です!>
<正面> <右側>
<後頭部> <左側>
もともとベビーカーを作って置けば目立つし、使い方も分かるだろうというイメージはありました。作っていくうちにどんどんアイデアがあふれていった結果ぼくちゃんが誕生しました!自分としては最高の仕上がりだったのですが、通りがかる職員からは不気味だと軒並み不評でした。
そんなことには負けないといざ設置してみたところ・・・。
<ベビーカーの展示会かと見紛う程の光景が!>
ぼくちゃんの活躍によってビックリするくらいベビーカーが入ってくることがなくなりました。みなさまからは「こわい」とか「うける」とか様々な声が聞こえてきますが、目立っていることは間違いなさそうです!これにて一件落着。私には愛おしくて仕方ないですが、不快に思う方もいると思いますので苦情が10件になったら撤去しようと思っています。(まだ0件ですよ!!)むしろ、目指せ1万いいね!
全国広しと言えどこんな(素晴らしい)人形を設置している動物園は無いと思います。動物園によっては、掲示物は手書きにするだったり、園内で統一されたフォーマットで作る、業者に外注といったルールがあることは珍しくありません。専門のデザイナーがいるところもあります(欧米では主流です)。もちろん園全体がビシッと揃っているのもかっこいいですが、かみね動物園はバラバラなのがルールなんです!というのは私が勝手に思っているだけですが、人によって絵が上手い、字が上手い、パソコンが得意、工作が得意など様々な個性があります。その個性を活かして仕事をすればそれはそれでありなんじゃないかと思います。その中で大切なことは、「想いが伝わる」ということだと思います。とある落語家さんの講演の中で、「伝える」と「伝わる」は全く別物である。というお話がありました。ぼくちゃんはパッと見て確かに不気味かもしれませんが、彼のおかげでこちらの意図は伝わっていると思います。
<この愛らしい表情!>
ぼくちゃんはたまたま一例でしかありませんが、園内には飼育員が想いを込めた個性豊かな掲示物や制作物が数多く設置されています。次回ご来園の際には、ぜひそういったところにも注目しながらまわってみると面白い発見があるかもしれません!!インスタ栄えのぼくちゃん1号もいっぱいアップしちゃってください!
<手書きのサイン> <字だけでも結構読んでもらえています>
<ゆっくり観察して欲しい> <ツイッターを模しているそうな>
2号は受注生産だと言っているが依頼が来ない 中本