×
閉じる

staff blogスタッフブログ (スタッフブログ)

ぼくちゃん半端ないって!

2018年7月11日

動物園に新しい仲間が増えました!君の名は・・・、ぼくちゃん1号!

あ、ちなみに動物は一切出てこないブログなのでご了承ください。笑

これまでゾウ担当者には長年の悩みがありました。それはベビーカー問題。

ゾウのおやつタイムはゾウに直接おやつがあげられる、かみね動物園の人気イベントの一つです。ふれあいゲートから超至近距離でおやつがあげられる迫力満点のイベントで、水曜日を除く毎日開催しています。

おやつタイム おやつタイム

       <お鼻にどーぞ>              <大盛況> 

安全のためにベビーカーの乗り入れはお断りしていますが、そのまま入ってきてしまう人が後を絶ちません。ベビーカーに乗ったままエサをあげると鼻で引っ張られてしまう危険がある上に、ゲート内は広くないので混雑の原因にもなってしまいます。そのためにベビーカー置き場を用意しているのですが、なかなか利用してもらえていませんでした。

ベビーカー置き 

     <ベビーカー置き場>          

看板を設置したり声かけをしたりあれこれやっていたのですがどれもイマイチ。みなさんの利用の仕方をよく見てみると「ベビーカー置き場に気づかない」「気づいたとしても使い方が分からない」という2つの原因が見えてきました。

そこで考えた対策は2つ。

1、ベビーカー置き場を目立たせる

2、使い方をわかりやすくする

さて、やってきたのは動物園の裏にある廃材置き場です。

廃材置き場

   <廃材置き場改めお宝置き場>

何か良いものはないかなと物色していたところ目に飛び込んできたのは古びたパイプイス。ほうほう。次に目に入ったのはペンキの空き缶。なるほどなるほど。さらには、どこかで使われていたであろうフィーダー(エサを入れる遊具)のブイ。むむむ。さらにさらに、朝にチラッと見かけた誰かが捨てた長靴。ぎょぎょぎょ。最後にどこからか現れた後輩。なにしてんすかー。

パイプイス ペンキ

       <パイプイス>             <ペンキの空き缶>

ブイ ながぐつ

      <使用済みのブイ>             <捨てられた長靴>

こうはい

       <現れた後輩>

それらが奇跡的に出会った2時間後、完成したのが「ぼくちゃん1号」です。

ぼくちゃん

    <ぼくちゃん1号です!>

ぼくちゃん1号 ぼくちゃん

        <正面>                 <右側>

ぼくちゃん ぼくちゃん

       <後頭部>                  <左側>

もともとベビーカーを作って置けば目立つし、使い方も分かるだろうというイメージはありました。作っていくうちにどんどんアイデアがあふれていった結果ぼくちゃんが誕生しました!自分としては最高の仕上がりだったのですが、通りがかる職員からは不気味だと軒並み不評でした。

そんなことには負けないといざ設置してみたところ・・・。

ベビーカー ベビーカー

          <ベビーカーの展示会かと見紛う程の光景が!>

ぼくちゃんの活躍によってビックリするくらいベビーカーが入ってくることがなくなりました。みなさまからは「こわい」とか「うける」とか様々な声が聞こえてきますが、目立っていることは間違いなさそうです!これにて一件落着。私には愛おしくて仕方ないですが、不快に思う方もいると思いますので苦情が10件になったら撤去しようと思っています。(まだ0件ですよ!!)むしろ、目指せ1万いいね!

全国広しと言えどこんな(素晴らしい)人形を設置している動物園は無いと思います。動物園によっては、掲示物は手書きにするだったり、園内で統一されたフォーマットで作る、業者に外注といったルールがあることは珍しくありません。専門のデザイナーがいるところもあります(欧米では主流です)。もちろん園全体がビシッと揃っているのもかっこいいですが、かみね動物園はバラバラなのがルールなんです!というのは私が勝手に思っているだけですが、人によって絵が上手い、字が上手い、パソコンが得意、工作が得意など様々な個性があります。その個性を活かして仕事をすればそれはそれでありなんじゃないかと思います。その中で大切なことは、「想いが伝わる」ということだと思います。とある落語家さんの講演の中で、「伝える」と「伝わる」は全く別物である。というお話がありました。ぼくちゃんはパッと見て確かに不気味かもしれませんが、彼のおかげでこちらの意図は伝わっていると思います。

ぼくちゃん 

    <この愛らしい表情!>

ぼくちゃんはたまたま一例でしかありませんが、園内には飼育員が想いを込めた個性豊かな掲示物や制作物が数多く設置されています。次回ご来園の際には、ぜひそういったところにも注目しながらまわってみると面白い発見があるかもしれません!!インスタ栄えのぼくちゃん1号もいっぱいアップしちゃってください!

けいじぶつ 掲示

     <手書きのサイン>       <字だけでも結構読んでもらえています>

いす 制作物

   <ゆっくり観察して欲しい>        <ツイッターを模しているそうな>

2号は受注生産だと言っているが依頼が来ない 中本

2018年7月11日

人気物件は屋根付き1R?

2018年7月7日

かみね動物園のクジャク舎にはインドクジャクと共に11羽のニワトリが飼育されています。

ウコッケイ♂ ウコッケイ♀
     <ウコッケイ♂>               <ウコッケイ♀>

クロウコッケイ 茶色ニワトリ
 <黒いウコッケイもいます>           <茶色いニワトリ。雑種の♀>

 採れたて卵
    <朝、採れたてですよ~>

お客さんによく聞かれるのが

「産んだ卵はどうするんですか?」

特にウコッケイの卵は普通の卵に比べて栄養が豊富という事で気にされるお客さんが多いです。
養鶏場ならともかく動物園で飼育するウコッケイにも栄養はあるのか?と疑問には思いますが、卵は1日に3~5個ほど取れます。

ゆで卵
   <マヨネーズつけて食べたい>

これらは動物園の調理室に持っていって茹でられ、主にサル類のごはんになっています。
動物園動物にとって卵は重要なたんぱく源。飼育員がこっそり頂戴するなんてことはしてませんっ!

犬小屋

卵に栄養があるかどうかよりも私が気になるのは彼らが卵を産む場所。
以前より犬小屋が設置されておりここで産むニワトリがほとんどです。
壁に囲まれて落ち着くのかもしれないけど、板張りだし床堅そうだし、産む場所がもう少し選択出来たら良いかな~と思って今年から2か所新たに「卵産みどころ」を増やしてみました。

引き出し

使わなくなった引き出しに砂と落葉を敷いたもの。

卵

水をはる用のたらい?に砂を入れたもの。こちらは大きいのでクジャクも使用可能なはず。
新たに用意した2か所はもちろん雨風が入ってこない場所です。

ニワトリ2羽

さあ、どうだー!?と思って日々見ていますがやはり人気物件はあの犬小屋。
多いときは5羽ほど中で身を寄せ合っています。
一番人気ないのが引き出し。ここからは卵はまだ1度しか採卵できていません。

ウコッケイ 

深さのあるたらいはそこそこ人気。
最近は特に2羽のウコッケイが気に入ってくれたようです。
たまにクジャクも入って3羽でぎゅうぎゅうになっているところも見られます。
床材よりも周囲が囲われてるというのが人気の秘密なのかなあ、と現在は考えています。
引き出しも周りを囲ってあげたら使うようになるかな?

あたしはココ!
     <ここがいいの!>

鳥もヒトと同じで居心地の良い場所は自分で選択してる様子。
色んな動物に安住の場所を増やしてあげたいですね。 

(飼育員 自宅にGが出て安住できないいのうえ)

2018年7月7日

どうぶつえんの音楽会♪

2018年7月3日

6月17日に「どうぶつえんの音楽会」を開催しました。
当日は快晴!今年は屋外のカバさんひろばで開催しました。
今回も、トランペット、コルネット、トロンボーン、ホルン、チューバの金管楽器5重奏バンド 、素敵な”おやじバンド”『ベストブラス』と『打楽器担当のお姉さん』が、動物にちなんだ楽しい音楽を演奏してくれました。

 ベストブラスの皆さん   
       <ベストブラスの皆さん>         

午前、午後とたくさんのお客さんが聞きに来てくれました。子どもたちには、思い思いの楽器を持ってもらって音楽に合わせて一緒に演奏してもらいました。ノリノリで踊っている子たちもいて、思い思いに楽しんでもらえたと思います。

沢山のお客さん   踊る子

    <たくさんのお客さん>              <ノリノリでした>

 大人も子どもも一緒に演奏!   ノリノリ飼育員  

   <大人も子どもも一緒に演奏♪>          <ノリノリ(飼育員)>

『どうぶつえんの音楽会』、とにかくみなさんに楽しんでいただくことが一番なのですが、実は「音楽という身近な分野から動物への興味をもってもらう」という壮大?なテーマがあります。
今回は『ゾウさん』の替え歌を作ろう!です。

  『ぞーうさん、ぞーうさん、おーはなが長いのね~そーよ母さんもなーがいのよー』を、

  ゾウさんの特徴は『お鼻が長い!』だけではないよね?という事で、ゾウさんの特徴をみんなに出してもらって替え歌を作ってもらいました。

  替え歌作り    色々出ました
    <ゾウさんの特徴を出してもらいました>          <色々特徴が出ました>

『体が大きい』とか、『耳が大きい』とか『ウンチが大きい』とかとか、たくさん特徴が出ました。これをゾウさんの歌に入れていくのですが、ここは『かみね』なので『かみねのゾウさん』にしました。かみねには、ミネコとスズコの2頭の♀のアジアゾウがいます。

  『ゾ~ウのミーネコかーらだが大きいね。そーよスズコもでーかいのよー』といった感じです。

皆さんから、たくさんの特徴を出していただけたので、いっぱい!替え歌を作ることができました!!!
それをみんなで合唱しました。とっても楽しかったです(これは私の感想です…)。

みなさんも楽しんでくれたかな?

ノリノリ  ノリノリ

みんなが知っている曲ばかりだったので、楽しめたのではないかと思います。飼育員もノリノリで盛り上げていました。午後の最後には、アンコール!がかかりフィナーレを迎えました。

来年も開催できればと思っています。興味のある方はぜひ参加してみてください。

(獣医 いいだ)

2018年7月3日

イキイキ計画発表会を行いました!!

2018年7月2日

ブログの更新が遅くなってしまいましたが、6月2日にコツメカワウソの「イキイキ計画発表会」を行いました。

イキイキ計画ってなに?

数年前から「イキイキ計画」と題してコツメカワウソの展示場やエサを改良した様子をご紹介しています。狭くて古い展示場ですが、工夫を凝らすことで、カワウソも、見ている皆様も、仕掛け人の飼育員も、イキイキできる、そんな試みです。

以前のものは下からご覧になれます。

その10

http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/nakamoto/p051189.html

その11

http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/nakamoto/p052598.html

その12

http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/nishino/p065573.html

<以前のイキイキ計画の様子>

今までは飼育員がいろいろ考えていましたが、今回は皆様に考えていただきたい!ということでHPなどで募集しました。

〆切り間近になってもなかなか集まらないという事態にイキイキする前にドキドキしてしまいましたが、期間内になんとか集まりました。どれもおもしろいアイディアだったのですが選考の結果、2つにしぼらせていただきました。スミマセン。。アイディアは今後の獣舎設計の際の参考にさせていただきます!!

そしてこの発表会を「世界カワウソの日」にからめて6月2日に行ったというわけです。

世界カワウソの日ってなに?

イギリスにある慈善団体がコツメカワウソを含むカワウソ亜科の野生での現状を広く知ってもらうために毎年5月の最終水曜日に定めた日です。今年2018年だと5月30日が「世界カワウソの日(World Otter Day)」になります。

ポスター       ぽすたー

<立派な各動物園ごとのポスター>  <こっちはかみね動物園オリジナルバージョン>

イキイキ計画発表会

まずは普段から行っているイキイキ計画をちょこっとご紹介。実際に見てもらいながら、ナゼこのような取り組みをしているかをお話しました。

            発表会1

                <イキイキタッパー登場!>

そして今回応募のあったイキイキ計画の登場です!!

まずはペットボトルにスーパーボールをいれた「イキイキ・ウキ浮き」!!

水面をスーパーボールがプカプカ浮かんでいることでコツメカワウソの興味を引くのが狙いです!ただ、スーパーボールを浮かべるだけだと飲み込んでしまうかもしれないということでペットボトルに入れたという誤飲防止の配慮付です!

では、いざ投入!!

            浮きうき1

                  <水面をプカプカ>

しかし初めて見るものだったので警戒してなかなか近づかず、近づいてもなかなか遊んでくれず。。。うーん、これは遊び方に気づくまで少しかかりそうだな。といった感じでした。

            浮きうき2

               <最後までこんな調子でした。>

さぁ気を取り直して次のイキイキ計画!名前から想像付きますね♪「アジ食い競争」

パン食い競争のようにエサのアジを吊るしちゃおう!というものです。これは計画書を見た瞬間にコツメカワウソが遊んでいる姿が目に浮かぶくらいビビッときました!

計画書ではエサのアジと書いてあったんですがちょっと手を加えてペットボトルに入れて氷付けにしてみました。これでアジに辿りつくまでの時間稼ぎにもなるし、暑さ対策にもなります。

では、いざ設置!!

            つるし1

                <まさにアジ食い競争♪>

氷漬けのアジはあげたことがあったのですぐに飛びつきました。しかしなかなかアジは食べられず噛んだり、引っ張ったり、水の中から引き込もうとしたり。いろんな行動を見せてくれました!あまりにもイキイキとした姿だったので飼育員もしゃべるのも忘れて見入ってしまいました。ゴメンナサイ。

            つるし2

                 <これぞイキイキ♪>

しばらく頑張っていると吊るしていた紐から氷が取れてしめしめと持っていくことができました。なんと設置してから食べ終わるまでに約一時間ほどかかっていました。狙いだった採食時間の延長と運動不足の解消ができていましたのでこれは大成功と言っていいでしょう!!

つるし3 つるし4

<大きな氷の塊ごとくわえて器用に泳ぐ>     <運動後のアジの味は格別♪>

こうして大成功に終わったイキイキ計画発表会でした!!

しかし、少し心残りが。そう「イキイキ・ウキ浮き」です。

なんとか遊んでる姿をブログに載せたいと継続的にプールに入れていたある日、やっと慣れたのか好奇心旺盛なオスの方が前あしで遊んでいる姿を撮ることができました!これで一安心。今後はこれを参考に水面に浮いているもので遊んでくれるような工夫を考えていきたいと思います。お楽しみに!

浮きうき3 浮きうき4

              <前足で器用にパチャパチャ>

ここから先は少し難しい話になりますが、、、

このようなイキイキとした姿を見せてくれるとても魅力的なコツメカワウソ。実は野生では数を減らしているという事実をみなさんは知っていましたか?その原因は様々あります。生息地の環境の変化、餌となる食べ物の減少、そして密漁や狩猟などです。特に日本人に関係が深いのは「密漁」です。最近よくテレビなどで目にすることが非常に増えたこのコツメカワウソですが、本来は東南アジアの水辺に生息しています。ペットとしての需要が高まり、高値で取引されるようになりコツメカワウソの密漁が増加してきました。最近のニュースで「生きたカワウソを東南アジアから日本に密輸しようとして摘発される例が増えている。2017年には現地で押収されたのは45頭。その内日本向けだったのが32頭もいた。」というのを目にしました。ちなみに15,16年には14頭が押収されたがどれも日本向けではなかったそうです。すこし前にもスーツケースの中にカワウソを持ち込もうとしていた日本人のニュースなんかもありましたよね。

国内で繁殖された個体や、ちゃんとした輸出許可書があって輸入された固体は法律上は問題ないのですが、上のように正規のルートではないものに関しては国際条約違反になります。そしてこのニュースも氷山の一角かもしれません。

このような問題はコツメカワウソに限った話ではありません。羽や毛皮がきれいな動物、角や牙が加工品や薬として取引されるもの、希少性の高い動物などなど。。。「ワシントン条約」という言葉を検索してみるといろいろな情報が出てくると思いますので興味のある方はぜひ調べてみてください。

「世界カワウソの日」をきっかけに少しでもカワウソを取り巻く現状を知っていただき、自分達に何が出来るのか?という難しい問いを一緒に考えていただけると幸いです。

さて、大成功に終わったイキイキ計画発表会。今後も続けていきたいと思いますのでお楽しみに♪

              動物は普段の顔よりエサを食べている顔の方が好きな飼育員 西野

2018年7月2日