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staff blogスタッフブログ (スタッフブログ)

アイアイってどんなサル?~音楽会を終えて~

2017年11月29日

11月18日に「どうぶつえんの音楽会」を開催しました。
当日は朝から寒くて雨も振ってきたためお客さんの入り具合がとても心配だったのですが
多くの方が会場にきてくれました。

ベストブラス   カホンとお姉さん
   <素敵な”おやじ”五人衆>         <カホンを叩くお姉さん>

今年演奏してくれたのは主に日立市内を拠点に活動するベストブラスの皆さん!
トランペット、コルネット、トロンボーン、ホルン、チューバの金管楽器5重奏バンドです。
皆さんお酒と音楽をこよなく愛する素敵な”おやじバンド”です。
今回はパーカッション(打楽器)担当のお姉さんも一緒に来てくれました。
カホンというペルー発祥の楽器で座りながら叩いてリズムをとります。
写真がぼやっとしてますけど・・・。かっこ良かったー!!

サル説明
<皆さんの「おさるさん」のイメージは?>

今年で5回目になる音楽会。
動物園で行うからには何かしら動物の魅力を伝えられるものにしたいと思い、
音楽から動物のことを考えてもらえる企画をしています。
今年は「アイアイ」をテーマに飼育担当者達から様々なサルのお話をしてもらいました。

アーイアイ♪ アーイアイ♪ おさーるさーんだよー

のフレーズで有名な歌ですが一体どれくらいの人がアイアイを見たことがあるか聴いてみました。
結果はほぼおらず・・・。
それもそのはず。アイアイは国内では上野動物園でしか飼育されておらず、また夜行性のため
暗い施設の中にいるのでじっくりとその姿を見たという人は少ないかもしれません。

アイアイ
<東京動物園協会公式HPより>
どどん!実はこのような「おさるさん」です。
この写真を見せてもピンとくる人は少ないようでした。
サル担当よりアイアイの生態や生息地について簡単におはなし。
みんな意外な姿のサルに興味津々でよ~く聞いてくれました。

サルの紹介
 <一言で「サル」って片づけないでね☆>
また、アイアイはいませんがかみね動物園ではあらゆる種類のサルを飼育しているので
その紹介もしました。
一言でサルと言ってもその姿形、暮らしぶりは大きく違います。
「アイアイ」をきっかけに彼らの違いを動物園で発見してくれたら私達飼育員も嬉しいです。

 楽器を鳴らします 演奏の様子
    <シャンシャンシャン♪>        <金管楽器の音色が響きます>

音楽会はまだまだ続きます。みんなでタンバリンや鈴も持って好きに音を鳴らします♪
音楽は楽しいのが一番!
全員で笑顔になれました。

演奏の様子
      <みんなで楽しく演奏♪>
また、飼育員も前に出て小さな世界や赤鼻のトナカイなどを一緒に演奏しました。
音にも様々な種類があり、サイレンの音など気持ちを不安にさせるものもありますがこのような音楽会で奏でる音はヒトを自と笑顔にさせてくれます。
動物たちにも仲間が呼ぶ声など、種によって安心したり楽しくなったりする音があり音と共に彼らも暮らしています。
あまりに身近すぎて忘れがちですが、ヒトも動物も居心地の良くなる音をこれからも動物園で奏でていきたいなあとしみじみ思ったのでした。
要は楽しく学べる動物園作るぞ!って事なんですけどね。


あらゆる面から動物の魅力を伝えたり興味を持ってもらえるようなイベントにこれからも取り組みます。
ベストブラスの皆様ほんとうにありがとうございました。
ぜひまた動物園で素敵な音色を聴かせて下さい。

(飼育員 元吹奏楽部いのうえ)

2017年11月29日

飛び出せ動物園!ボルネオ編part2

2017年11月22日

 スカウ:サイチョウの洗礼

 

飛行機からの風景
<右上に写る山はマレーシアの名山キナバル!>
コタキナバルの街から飛行機で島東部のサンダカンへ。そしてそこから車に揺られること約2時間半。
ボルネオ2日目。友人と私は「スカウ」という場所に到着しました。川沿いのロッジが今夜の宿です。

散策 川                  <ロッジの周りを散策>           <部屋から見える風景>

ここは人間による森林の開発で森が小さくなり、川岸の残った森に動物たちが食べ物を求めて集まるようになりました。そのため、皮肉な話ですが動物との遭遇率がとても高いといわれています。

キナバタンガン川 
     <キナバタンガン川>

川の名はキナバタンガン川。全長560km。ジャングルで暮らす多くの生き物の命を繋ぐ大きな川です。
後で船に乗りながら川沿いの生き物観察をする予定。
ロッジに到着した私たちは荷物を置いてふうと一息。

すると・・・

ゴン!ゴン!ゴン!ゴンゴン!

という音が2階から聞こえてきました。

ロッジにいるのは友人と私の2人のみ。
「・・・なに?」
そ~っと2階に上がると、カラスみたいな鳥が窓ガラスを嘴で叩いてるのでした!

ムジサイチョウ

こっそり撮ったのであまりはっきり写ってませんが後から調べたらムジサイチョウのようです。
すごいすごいすごい!ボルネオに来たんだなあ!!一気にテンションが上がる私たち。

サイチョウは南アジアとアフリカ大陸に分布する大型の鳥。ボルネオ島には8種類が暮らしています。ムジサイチョウはその内の1種。
彼らは嘴の上に突起物をもっておりそれがサイの角を連想させることがその名の由来です。

サイチョウ

リバークルーズで見たサイチョウ。全長約1m。翼を広げると1.5mほどになります。

飛ぶサイチョウ 飛ぶサイチョウ2

飛んでる!大きい!

日本の動物園でもサイチョウを見たことはありますが、ここまで大きな翼で空を飛ぶのは初めて見ました。

プレゼント

こんな場面も。雄が雌にイチジクの実をプレゼントしています。
これは繁殖前に見られることが多い行動の一つです。

飛び立つサイチョウ

この後実をくわえて2羽とも飛び立っていきました。

キタカササギサイチョウ

キタカササギサイチョウ

クロサイチョウ

クロサイチョウ

今回の旅では4種のサイチョウに会うことができました。

マレーシアのお金
  <図柄とすかしにサイチョウが!>

実はサイチョウはマレーシアの国鳥です。ボルネオ島に住んでいる人からするとサイチョウはよく見られる鳥で生活の一部となっているようですが、日本から来た私たちからするとジャングルに来たんだなあ!と思わせてくれる動物なのでした。

 おまけ

夕食

旅の間のごはんは全て絶品!これは魚のフライ、カニと卵の煮込みみたいな料理。

そして欠かせないのがTiger Beer。東南アジアでよく飲まれているビールです。
人によっては日本のより味が薄いという人もいますが私は美味しかったです。

(飼育員 いのうえ)

2017年11月22日

飛び出せ動物園!ボルネオ編part1

2017年11月18日

 飼育員の井上です。

子供のころから動物が好きで大学を卒業してからこの業界に入り、気づくと現在10年目。
トラ、ライオン、カバなどを担当していますが、実は昆虫が好きです。

センチコガネ
   <家に来たオオセンチコガネ>

ハラビロカマキリ
 <ビーバー舎にいたハラビロカマキリ>

虫捕りに行ったり、川で生き物を探したり自然の世界が大好きです。
しかし、今はいわゆる「動物園」という人が作った場所で働いています。

人間はわざわざ生息地に行かなくてもゾウやキリンを見ることができるようになりました。
けれど動物はどう思っているのでしょう。お客さんには彼らの事どれくらい伝わってるの?
「そもそも私も野生動物のこと本やネットで得た知識しか無いや」

大好きな自然の素晴らしさをいろんな人に伝えたいと思いながらも時々もやっとしていました。
ならば(ちょっと強引ですが)、実際に彼らが暮らす場所に行ってみよう!

・・・と、いうわけで2014年8月に私は友人と共にボルネオ島へ行きました。

ボルネオ地図 ボルネオ地図アップ

ボルネオ島はインドネシア、マレーシア、ブルネイの3つの国が統治する島。

ちなみに私が担当する動物にボルネオ島で暮らす種はいません。
ではどうして行ったのか?

実はかみね動物園で働く以前に横浜の動物園で働いており、そこでオランウータンに関するワークショップに参加しました。

ズーラシアのオランウータン
 <ズーラシアのオランウータン>※よこはま動物園ズーラシア公式HPより

ボルネオの森にはオランウータンを始めとするそこでしか見られない動植物がたくさんあってそれら生き物の息づかいや暮らしを間近に見られる。動物園で暮らす動物の「野生」の息づかいをジャングルの中で感じられる。そういった話を先輩から聞いて、ボルネオにいつか行こうと思い続けていたのです。

担当してるライオンの事を知るならケニアやタンザニアに行くべきですが、やっときた憧れの地!!!「野生」を見るという点では私の仕事にもきっと役に立つはず。

飛行機から見たボルネオ島
 <あこがれのボルネオに来たーー!!!>

何もかもが新鮮。初日はマレーシアサバ州の州都コタキナバルのホテルに宿泊。
街の熱気に包まれながら眠りにつくのでした。

 おまけ

街の市場
   <エビやカブトガニ!?>

街の市場では自分で食材を選んで調理してもらうお店もありました。
売ってる食材にはカブトガニのようなものが・・・。焼くの?蒸すの?茹でるの?
今思うと頼めばよかった。どんな味だったのかしら。

 

(飼育員 いのうえ)

2017年11月18日