今年も繁殖を試みているチリーフラミンゴ。
彼らは自分で土を盛り上げて巣を作るのですが、そこにもっていくまでに
繁殖気分を作ってあげることが飼育員の腕の見せ所(?)なのです。
今年の3月から今まで、土を耕し続けて巣をつくりやすくして彼らの繁殖気分を盛り上げようとやってきました。
今はこんな感じ。例年に比べて遅いですが巣をつくり始めました。
順調に行けば8月には産卵・・・してくれると良いなあ~。
まだなんとも言えません。
さて、そんなフラミンゴ池では別の命が誕生していました。
さて、これは何でしょう?
池の隠れた人気者!ミシシッピアカミミガメです。野生ではアメリカに生息しています。
日本ではペットとして飼育している方が多い一方、捨てられることも多くいつの頃か私がここで働くずっと前からフラミンゴ池にも住み始めました(捨てられたか、導入されたかは不明)。
当園では毎年春~秋にかけて卵を産むところが見られたりいつの間にか孵化した仔ガメを発見することができます。
私はフラミンゴを担当して今年で6年目ですが今までさほど彼らの事を気にしていませんでした。
お恥ずかしながら種名看板も作っていません。
しかし、この間一見ほのぼのしたこちらの光景を見て違和感を感じます。
「あれ・・?こんなにカメいたっけ?」
そうなんです、明らかに数がふえてるんです。
ミシシッピアカミミガメはとっても繁殖力が強く、なんでも食べる雑食性で丈夫なので環境さえ合えばどんどんふえていきます。
それゆえ、現在日本中の川や池で本来そこに住んでいた生物が少なくなる、あるいはいなくなるいう事態が起こっています。カメたちが餌を食い荒らしたり繁殖場所を独占することでほかの生き物は住めなくなってくるのです。
こう言うとミシシッピアカミミガメは悪者のように思えますが、元々彼らはペットにするため外国から輸入されてきたもの。
小さなうちは可愛いのですが大きくなると飼育スペースの確保が難しくなったなどの理由で捨てられることが増えてしまったので、元をたどると原因は人間にあるのです。
今日本中の水辺で問題になっていることが、担当動物の回りでも起こっている・・・!と遅ればせながら意識した担当者は6年目にして種名看板を作りました。ミシシッピアカミミガメとクサガメです。
今後チリーフラミンゴとともに彼らの事もお伝えできればと思います。
このままふえていつか「カメ池」になってしまうのか??
ちょっぴり不安を抱えながら、皆さんとこの問題について考えていければと思います。
(飼育員 マリオカートはカメさん派いのうえ)