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staff blogスタッフブログ (スタッフブログ)

スズコさんのその後

2016年8月25日

先日(もうだいぶ前になってすいまいましたが)アジアゾウのスズコさんが鼻をケガしてしまうという出来事がありました。

(http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/003/p052674.html )

その後は更新がなく、来園者の方やFacebook等でも「スズコさんの鼻は大丈夫ですか?」と声をかけていただきました。

ご心配をおかけしてすみませんでした。

今では2頭そろって運動場に出ている姿が見られます。

鼻の傷口もすっかりふさがり、自分の鼻を使ってごはんをモリモリ食べています!

スズ 餌

おいしい♪おいしい♪

そしてリハビリを続けていたおやつタイムも復帰いたしました!

ケガの影響で以前のように器用にはつまめないようですが、彼女なりにつまんでいるようです。

二頭 エサ

☆2頭そろってのおやつタイム☆

様子や体調を見ながらなので今後も急遽1頭だけのおやつタイムになることがあるかもしれません。

その時はごめんなさい。

普段はとても仲の良いスズコさんとミネコさん。

2頭が健康でいられるように、担当飼育員も試行錯誤していきます。

これからもよろしくお願いします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

最後に少しだけ。

今年4月からかみね動物園の飼育員になりました西野です。

まだまだ至らない点が多く、頼れる先輩方に指導していただいています。

動物たちの素晴らしさを伝え、興味を持ってもらえるように努力していきますのでよろしくお願いします。

(よくシカのおやつを補充している飼育員 にしの)

2016年8月25日

単調でないタンチョウの暮らし

2016年8月22日

かみね動物園の一番奥側はサイやカバ、キリンなど動物園の人気者がひしめくエリアです。
その中で意外とお客さんからの視線を集める(※担当者の主観)動物がいます。

タンチョウ

タンチョウです。
やはり日本人に馴染みがある動物だからでしょうか。

くちばしに土ついてますよ

ここでタンチョウについて少しお話します!
かみね動物園で飼育しているタンチョウはオス2羽。
彼らを見るお客さんの会話を聞いているとこんな事がよく聞かれます。

「あ!ツルだ!」

「違うよ、ツルじゃないよ、タンチョウって書いてあるよ」

???

この会話、聞くたびに??となるのですが、種名看板には「ツル目ツル科タンチョウ」とあるのでどちらの呼び名も正解です。実は「ツル」という鳥は世界に15種類います。

3種のツル

アネハヅル、ホオカザリヅル、ホオジロカンムリヅルなど・・・
彼らは皆「ツル」の仲間です。どの種もくちばし、首、足が長く大きな鳥です。

タンチョウはその中の一種。中国や朝鮮の河川などに生息していますが、北海道の釧路や十勝地方でも見ることが出来ます。

日本では現在北海道にしか生息していませんが、大昔は関東地方にも飛んできていたそうです。
とても大きく、優雅に見えるので日本人はツルをめでたい事の象徴として愛してきました。
ツルにまつわる昔話やことわざなどがたくさんあるのもその証です。

殺風景なタンチョウ舎

日本人なら誰しも知っている鳥なのにかみね動物園におけるタンチョウの展示はなんだかとても殺風景。

元々チンパンジー舎付近のもっと広い場所で飼育されていたのですが、チンパンジー舎を新設するにあたり移動。たまたま空いていたこの獣舎に入ったのでした。

うーん、これは今一つ。他の職員からも「タンチョウはここに入れるべきではない」なんて声が上がりまして・・・。
ただ彼らを移すことができる施設は今無いため、この獣舎をリフォームする事にしました。

砂を入れる

と、いうわけでまずはコンクリ地面を無くすべく先輩職員にも手伝って頂いて砂を敷きます。偉大なる先輩Y内さんはこの時「痛風」をおして手伝ってくれました。だ、大丈夫ですか?ありがとうございます。

砂を入れる

コンクリ地面だった頃に比べたら見た目は少し良くなりましたかね・・・?
これで後植物が生えていれば良いのですが。
現状はこんな感じ。

雑草生えてます
<雑草生えてます※著者の携帯撮>

ちょぼちょぼ生えてるところもありますが、種を撒いたり雑草を抜いて植え替えたりしてます。

引っこ抜いてます

雑草はご覧のとおり嬉々として引っこ抜いています!
まあこれはこれで喜んでくれているようだしいっか。

 

狭い檻の中がエセ匠の技により劇的ビフォーアフターを遂げるのか?

日々単調でないタンチョウの暮らしを目指します。

皆様に「なんということでしょう」と言わせるその日まで。

 

(飼育員 お肌ツル鶴も目指すいのうえ)

2016年8月22日

草原にカピバラ

2016年8月14日

7月31日に緑化計画のために封鎖していたカピバラのグラウンドを開放しましたので、その様子をご紹介します!

緑化 カピバラ

     <緑のグラウンド>              <待ちぼうけ>

現地では草原の主と呼ばれているカピバラですが、恐ろしい食欲によって、草が生えてきてもすぐに食べてしまうので、なかなか緑の中で展示することが出来ません。

そこで、毎年グラウンドを一時的に閉鎖して、緑化する試みを行っています。

今年は「紅白クローバー合戦」と銘打って、赤クローバーと白クローバーの2種類の種をまいて、どちらが好きか見てみようと考えました。

たね クローバー

     <黄色の粒粒が種です>         <見事なクローバー畑>

愛情をこめて育てた甲斐あってクローバーはすくすく成長し、後は赤と白の花が咲くだけだと見守っていました。

が、しかし。花が咲く気配はなく、それどころかクローバーが枯れ始め、その他のたくましい雑草たちが大きくなってしまいました。

かろうじて赤クローバーの花が咲いた程度で、白クローバーは全滅でした。なぜだー。

緑 赤い花

  <クローバーはいずこへ・・・>            <赤い花>

もっとクローバーがきれいなうちに開放すればよかったと後悔しながらも、緑だからオッケーということでオープンしました!

かぴばら かぴばら

かぴばら かぴばら

カピバラたちは待ってましたと、一目散にグラウンドで草を食べていました。

結果、赤と白どちらが好きかは分かりませんでしたが、とにかく草が好きということは再認識できました。(当たり前か。)

メスの後はオスの番。だいぶ食べ散らかした後でしたが、残った草を食べてくれました。

行ってきます オス

    <おにぎり行きまーす!>          <オスにもオスソワケ>

2時間後 1週間後

      <2時間後・・・>              <1週間後>

カピバラの成長と共に食べる量も増え、今年は3日と持ちませんでした。カピバラの食欲恐るべし。

カピバラの生活環境の向上と、緑を駆け回るカピバラを見ていただくことを目的に始めてたこの企画ですが、だんだんマンネリ化してきたので来年はやり方を変えてみようと思います。

題して「カピバラの草原植緑祭」!毎年チンパンジーの森で行われている植樹祭を真似て、苗木や植物の種を皆さんと植えて草原を作っていこうと思います。

詳しくはまた来年ご説明します!

次の春をお楽しみに!!

とは言いつつも来年はカピバラ担当なのだろうかと心配な 中本

2016年8月14日

母は偉大なり!

2016年8月6日

先日、HPでもお知らせした、フンボルトペンギン「アッキー」の誕生!

プールデビューも果たし、今では親鳥たちと仲良く暮らしています。
アッキーのプールデビュー
 

(http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/003/p052988.html )

(http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/003/p053378.html


アッキーは、生まれてまだ4ヶ月にもかかわらず、波乱万丈な人生(ペン生?鳥生?)を過ごしてきました。

アッキーのおかあさんは、子育てがあまり上手ではなく、
当園でも、ここ最近、ペンギンがうまく育っていませんでした・・・

親ペンギン
(アッキーのおかあさんとおとうさん)


個体群の維持もひとつの目的に、確実にこの命を繋げようということで、
アッキーを人工保育で育てることになりました。

孵化 

(嘴打ちをして孵化する途中のアッキー)


”人工保育”:動物のおかあさんの代わりに、人間がおかあさんとなって子どもを育てること
 

動物の赤ちゃんを人が育てるなんて、なんて素晴らしいこと!絵になる話だな~!さすが飼育員!

と思われがちですが、良い面も、悪い面も存在するのが事実なのです・・・

手乗りヒナ
(孵化直後のアッキー。目も開いておらず、私の手のひらに収まる大きさ。)


”人工保育”をすることで、


・命を確実につなげる!

→確実に栄養を与える・体温を維持することで、目の前の命を確実に救える!
 
 
・本来の生態を損なってしまう危険性がある・・・

→人が育てることで、他の個体との関わり方や育児の仕方がわからなくなってしまう


・良い意味でも悪い意味でも、人に慣れる

→その子にとって少ないストレスで、近くで観察できたり、検査したりできる!

 一方で、いつまでも人の後をついてきたり、人がいないと不安・ストレスになってしまう・・・


・弱い・小さい個体になってしまう可能性がある・・・

→母乳や母からもらう餌と、人から与える餌はちょっと違くなる

 免疫力の低下する、ビタミン・ミネラルが不足する、本来とは違う腸内細菌を獲得する可能性がある


などなど、(ちょっと難しいお話もしてしまいましたが)

動物の”人工保育”は、いいことばかりではないのが現実です。


アッキーを人工保育する上でも、温度や環境、日光浴、ビタミン、消化酵素などいろんなことに気をつけていました。

ザルの上 ザルの上
(足が開いて変形してしまわないように、一定期間、ザルの上で過ごしてもらっていました)

日光浴
(骨を上手に作るために、こまめな日光浴はかかせません!)


ヒナの時には、親鳥が消化した魚を与えてもらって育っていきます。
そのため、私たちもそれを真似して、流動食をつくって注射器で与えていました。

さし餌


レシピは・・・

(1)アジ

(2)オキアミ

(3)消化酵素粉末

(4)ビタミン剤粉末

(5)ブドウ糖液

(1)~(5)を、ミキサーでガーっと混ぜます。
 

ちょっとペンギンの体が大きくなってきたら、魚を食べられるように、だんだん慣らしていきます。
初めは、小さく切って口に入る大きさに。

魚馴致

ペンギンがもっと大きくなったら、親鳥と同じように魚の丸呑みを目指します。


言葉では簡単に説明することはできますが、これが一筋縄ではいかない・・・


流動食は自分から進んで食べてくれるのに、魚は食べてくれない
切った魚は食べられるのに、大きな魚は食べたがらない
人の手からは魚を食べるのに、地面やプールにある魚は食べてくれない

食べたくない日もある 
(こんな風に、なんだか食べたくない気分の日もあるみたいです…)

など、苦悩は今でも続いています。
そのたびに、母の偉大さを感じるわけです。
 

命が生まれることはすばらしい!
ですが、
命が”ふつう”に成長することはもっとすごい!


ということを、改めて、アッキーに学ばさせてもらいました。
 

親鳥泳ぐ
 最近は、ペンギン村で親鳥達と元気に泳ぐアッキーをみて、よかったよかった~と一安心♪

したいところですが、見た目はペンギンなのに、中身がペンギンらしくないことに、
切なさを感じることも多くあります。

まだまだ課題は山積みです。

アッキーの人生(ペン生?鳥生?)は、始まったばかり。
この先、ペンギンらしい一生を過ごしてもらえることを祈るばかり。
見守ることも含めたサポートは、一生、続きます。


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クッキーも順調に成長中!
(http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/003/p053904.html )

あっという間にアッキーよりも大きくなりました~
最近では、プールで同居練習も始めています!

クッキーとアッキーの対面
(大緊張…ペンギンどうし初対面 左がアッキー、右がクッキー)
 

クッキーとアッキー
(プールで再会♪ 左がクッキー、右がアッキー)

ペンギン村、にぎわってきました~


(最近おふくろの味を欲してやまない獣医・あきば)

2016年8月6日

国内最高齢と呼ばれて

2016年8月4日

先日嬉しい光景を見る事ができました。

カバ2頭出る カバムシャムシャ
             <2頭で仲良くあさごはん!>

カバのバシャンが約6か月振りに外に出たのです!
久しぶりの母仔展示。お互い寄り添うようにプールで寝ています。

外に出た!と書きましたが、彼女は出たがらなかったわけではなく「出せない」状態だったので担当者と獣医で長期に渡る「室内展示」をやむなく判断しました。

その理由についてはこちらをご覧ください。

www.city.hitachi.lg.jp/zoo/003/p051837.html(新しいウインドウが開きます)

あかぎれ

バシャンは毎年冬場に体調を崩すことが多いのですが、今回は私が担当になってから最も辛そうでした。
体にワセリンを塗るも、新たなあかぎれ箇所が増え状態はひどくなる一方。

春になって気温が上がれば代謝も良くなり回復するかなと思っていたのですが一向にその気配は無し。陸に上がるのも億劫らしく日中のほとんどを水中で過ごす日々。
獣医と一緒に彼女に何をしたら良いのか考えました。

水かさの違い

まず、プールから上がるのが辛そうなのでこれをなんとかしてあげたいと思いました。

階段を上がる際、足を出したり引っ込めたり躊躇する様子が見られたのできっと痛むのでしょう。推定1.5tの体重を支える足にはかなりの負担がかかっているはずです。

段差をスロープにしてあげたかったのですが、自分たちではできず業者を呼ぶにも時間と費用がかかるのですぐに行うことができません。
そこでオーバーフローを塞いでプールの水かさを上げました。
こうする事で浮力を使って少しでも階段を上りやすくする作戦です。

階段を上がる

この作戦は彼女のニーズに合っていた様子。以前に比べてぐっと階段を上がる時間が短くなりました。
上手に浮力を使って昇れるようです。

背中 おしり
    <背中から腹にかけて>              <おしり>

次に見た目に痛々しい皮膚の治療です。
早急に治すことが重要と判断して外用薬を塗る事にしました。
しかし皆さんご存知の通りカバは水中で暮らす生き物。
ただ塗っただけでは流れ落ちてしまい効果が薄れてしまいます。
ヒトのあかぎれは薬を塗った上に手袋などをして防ぐことができるのですがカバの場合は?
悩んでいたら、その時相談にのって頂いた大学の先生から「ワセリンを上から塗ってみては」とアドバイスを頂きました。

確かに、ワセリンは簡単に水で落ちる事は無く薬の上から塗れば水落を防ぎそう。

カバに薬をぬる 

そこで外用薬を塗った上にワセリンを塗る2重塗布を始めました。

幸い食欲は旺盛で、初めは体にベタベタ薬を塗られることを嫌がっていたバシャンも大好きなペレットを食べている間はそれを許してくれるため改善を信じて塗り続けました。

大きな体全体に傷が広がっているため、薬はすぐに無くなります。
獣医さんが追加でいくつも購入してくれました。

     <BEFORE>              <AFTER>

 カバ背中2 カバ背中                     

ビフォー尾 アフター尾

ビフォーアフター!

傷が塞がり元の皮膚に戻りつつあります。
気温が上がり湿度が高くなったことも関係していると思いますが、最も傷がひどかったお尻の部分はほとんど傷が分からない状態に。

アドバイス頂いた先生にはもちろん、塗っている間動かないでいてくれたバシャンにも感謝です。

カバトレーニング

カバは元々群れで過ごす動物。
野生下では互いにコミュニケーションを取り、寄り添う姿がよく見られます。
バシャンを長期室内展示にした時、娘のチャポンと離れ1頭で過ごす時間が多くなりました。

そこで担当者がチャポンの替わり・・・になるのは無理ですが、少しでも時間が空いたら声をかけたり簡単なトレーニングでコミュニケーションを取るようにしました。

白い部分にタッチしたらおやつをあげるよ~という遊びです。
のんびりと担当者も楽しみながらやっています。

バシャン

現在国内最高齢の53歳で本やテレビの取材を受ける事も度々あります。 

正直に言うと年をとり重い体を必死で支えて生きるバシャンを見て、人の都合で長生き「させる」ことに疑問を感じないと言えば嘘になります。

今までやってきた事も探り探りなので全てが正しかったとは思えません。

しかし、20年以上連れ添っている娘と一緒に眠ったり力強く口を開けてエサをねだる姿を見ていると少しでも彼女が楽しく幸せに過ごせる環境を作ってやらなければ、という気持ちになります。

最期を迎える時にこの動物園で過ごして良かった、と思ってもらいたいです。
これも人のエゴかもしれませんが。。。

カバ53歳誕生日

よく「目指せ60歳!」と言われるのですが、そんな先の事分かりません。

「明日を今日よりも少し良く」がモットーです。

バシャンは様子を見ながら外に出したり室内で展示したりしています。
お客様から「息してますか?」と聞かれることもありますが、安心してください。息してます。
のんびりぷかぷか浮かぶバシャンに是非会いに来てくださいね。 

※この場を借りて色々とアドバイス頂いた慶応大学橋本先生、いしかわ動物園の方々、そして職場の皆様に御礼申し上げます。これからも相談にのって頂くことがあるかと思いますがよろしくお願いいたします。

 

(飼育員  カバ担当4年目いのうえ)

 

 

2016年8月4日