数年前から「イキイキ計画」と題してコツメカワウソの展示場やエサを改良した様子をご紹介していました。狭くて古い展示場ですが、工夫を凝らすことで、カワウソも、見ている皆様も、仕掛け人の飼育員も、イキイキできる、そんな試みです。
以前に行なったものはこちら↓
その9
http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/nakamoto/blog201603.html
※他のブログと一緒になっているので、下にスクロールすると見ることが出来ます
今回の試みは名づけて「イキイキタッパー」です!
狙いは、前回と同様に採食時間(エサを食べる時間)を伸ばすことです!動物にとって食事の時間は一番楽しい時間です。その時間が長ければ、退屈な時間が減ります。また、人間もそうですが、ゆっくり食べることで、体に負担がかからず消化吸収できるという面もあります。
<作り方>
まずは透明の大きなタッパーを用意します。
余談ですが、タッパーってなんだろうと調べたら、タッパーウェア・ブランズ・コーポレーションというアメリカの企業が作っているプラスチック製の密閉容器のこと、だそうです。なので厳密には用意した容器はタッパーではありませんが、細かいことは良しとしましょう!
次に前肢が入る小さな穴をあけます。
以上で完成です。楽チン楽チン!
前回と同じく温めるのをサボったら割れてしまったので、歪な形の穴になりましたがその辺はご愛嬌!
<タッパー> <穴の形は・・・>
中に魚を入れていざ出陣!
数日間は次の日まで残っていることもありましたが、次第に慣れてくると盛んにチャレンジするようになりました。
イキイキ筒と構造は似ていますが、透明で奥行きがあるところが違います。
見えるけどなかなか取れないもどかしさが今回の狙いです。
<その2で作成「イキイキ筒」>
イキイキ筒だと10分くらいで食べるところを、2時間くらいかけて食べていました!
すぐ飽きてしまうカワウソが、ここまで執着したことに驚きです!
また、入れ物が透けていることで、コツメカワウソの器用さがより観察できるようにもなりました!
今回も大成功!
さて、イキイキ計画と題してこれまでコツコツと行ってきましたが、このあたりで終了に・・・なんてしません!
ですが、少しやり方を変えようと思います。
題して「みんなで作る!コツメカワウソのイキイキ計画」
これまでは私が考えたものを設置していましたが、その12からはみなさまに考えていただきたいと思います!
ただし、何でもかんでも実行できるということにはならないことはご了承ください。
では、ルール説明です!
1、コツメカワウソについてよ~く調べて下さい
→その動物を知らなければイキイキさせることはできません。どこに生息していて、何を食べて、どんな生活をしているのかなどを調べることが大切です!
2、カワウソにとって危険はないか
→動物に危険があってはいけません。かじる、たべるも考慮してください。
3、安価で簡単に作れるか
→基本は手作りです。壊されることを前提に簡単に作れて、更新しやすいものが好ましいです。
4、カワウソについて間違ったメッセージを発信しないか
→寒そうだからカワイイ服を着せてあげよう、なんてのは論外!彼らをキャラクターにしてしまうのはNGです。
以上の4つのルールをもとに色々と考えてみて下さい。
採用された方には素敵な記念品を差し上げます!
なお、イキイキ計画採用のお知らせは記念品の発送をもって変えさせていただきます。
応募方法は、下記のwordファイルをダウンロードして、住所、氏名、年齢、電話番号を明記の上、メール又は郵送で送って下さい。手渡しでももちろんOKです!
なお、今回の締め切りはとりあえず7月末とさせていただきます。
「コツメカワウソのイキイキ計画」計画書(ワード形式:186KB)
※用紙を横向きで作成していますので、縦向きでずれて表記される場合は用紙の設定を行ってください。
日立市かみね動物園 イキイキ計画係
住所:〒317-0055 茨城県日立市宮田町 5丁目2-22
mail:kaminezoo@city.hitachi.lg.jp
飼育員にとって動物のために何ができるか考えることはとても楽しい仕事です。彼らは仕掛けに対して様々な反応を見せてくれます。イキイキとした姿を見せてくれた時の喜びは一入です。
「動物園の動物は幸せですか」という質問を受けることがありますが、その答えは正直わかりません。
幸せかどうかは本人のみぞ知ることで、わたしたち人間はそれを幸せそうだとかそうじゃないとか想像することしかできません。その価値観も人それぞれです。
でも、人間の都合で動物を飼育している以上、少しでも幸せに生活できるように考え、努力する責任があると思います。だからこそ、この答えのない問いをイキイキ計画を通して、みなさんと一緒に考えていければと思っています。
たくさんのご応募お待ちしております!!
イキイキ計画は今後も続く・・・。
たまにカワウソ担当 中本