ついにかみね動物園も!?と思ったみなさま、申し訳ございませんが今回のブログは温泉に「いれる」でも「いれた」でもなく、「いれない」というお話です!
<水ですよー>
読んだ後になーんだと思われそうなので先にお断りしておきますね!
さて、カピバラの担当をしていますと、かなりの頻度で「カピバラって温泉に入るんですよね」とか「かみね動物園のカピバラは温泉に入らないんですか」と聞かれます!
そして、いつも「うちは施設もお金もないのでいれてませんね~。」と答えます。
すると「そうなんだ!でも、オオア○イ水族館デハ・・・」と続いていきます。それに対する回答は後のお楽しみとして、このやりとり大袈裟じゃなく何十回と繰り返してきました!
それだけみなさまの中に「カピバラ=温泉」というイメージが定着しているのだと思います。
今回はこの動物園が抱えるイメージとの戦いについて少し書いてみたいと思います。
正直に言ってカピバラをお湯に入れるメリットはたくさんあります
・温かいお湯に入れることで寒さ対策になる
・お湯に入ることで乾燥から肌や毛を守れる
・冬でも水中にいるところを展示できる
・水中は彼らにとって安心できる場所であると同時に遊び場にもなる
お湯が用意できない動物園の飼育員は考えました。じゃあお湯に入れないメリットってなんだ?
・カピバラが本来温泉に入る動物ではないことをお伝えできる!
これしか思いつきませんでした。でもこれってすごく大事なことです。
世の中には動物に対するイメージというものがあります。
しかし、それが当てはまっていることもあれば間違っていることもあります。
動物園はその動物がどういう生き物でどこでどうやって暮らしているかなどを正確に伝えてこそだと思います。
だから「カピバラは暑いところに生息していて、お湯には入らない」という情報を発信するのです。
なので、先ほどの会話では「でもカピバラは熱帯地域に生息しているので、本来は暑いお温になんて入らないんですよ。アハハ」 と答えます。
余談ですが、おそらく外国の方に「カピバラって温泉に入るんだよね」と言えば「なにそれ!?」という顔をされると思います。(したことないのでわかりませんが、ぜひお試しあれ)
私が担当するカピバラエティハウスには色々なイメージがついている動物たちがたくさんいます。
アライグマ=手を洗う、ヤマアラシ=ハリネズミ、タヌキ=道路で死んでいる、カワウソ=怖い顔、ハクビシン=害獣・・・などなど皆様の声に耳を傾けていると様々なイメージが聞こえてきます。
心の中では「そうじゃないんです!」と叫びながらいつも作業を行っています。時間があるときは積極的に声をかけて説明したり、説明板でお伝えしたりもしています。
<ヤマアラシとハリネズミは全然違う生き物です!>
そんな中で新しい発見がありました!
みなさまのリアクションがはじめて知ったことに対しては「そうなんだ~」なんですが、自分が常識だと思っていたことが違うとわかったときは「そうなんだ!!!」になるんです!要するに人は自分の持つ先入観が覆されたときに、強く印象付けられるとういうことです。動物を知ってもらうには、興味を持ってもらうにはどうしたら良いかと毎日考えていますが、これは使えると思いました!
そんなわけで色々な動物の展示場で一句詠んでみましたのでぜひご覧下さい!
あなたの常識がかわるかもしれませんよ!
<シンガポール動物園のタヌキは完全室内で冷房完備のVIP待遇でした。たまげた!!>
お湯でない お金もないなら 知恵を出せ
中本 一茶