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staff blogスタッフブログ (スタッフブログ)

ちくっとしますよ、猛獣さん

2015年8月26日

役所内で年一回行われる健康診断ではじつに様々な方法で自分の体の状態を知る事ができます。
体重測定、視力・聴力検査、レントゲン検査、尿検査、血液検査・・・

これらは動物にも言える事で彼らにも様々な方法をもちいて、飼育員や獣医は健康状態を把握します。

麻酔銃 健康診断
  <麻酔銃を使って眠らせる>         <眠っている内に健康診断>

では、「猛獣」と呼ばれるトラやライオンはどのように健康診断したらよいのでしょうか?

これまでかみね動物園では全身麻酔をかけて眠らせ、採血、体温測定、体重測定、触診などを行ってきました。
ところがこれらはできても1~2年に1回程度。

直接話をすることができない彼らの健康状態を把握するには普段からの観察が重要になってきます。けれど何かおかしいと思ってもそれを調べるためにすぐ全身麻酔を・・・!というのはためらわれます。
なぜかと言うと体中に麻酔薬を巡らせて眠らせるというのは彼らの体にとても負担がかかる事だからです。場合によっては亡くなってしまう麻酔事故のリスクも考えられます。

ライオン、台に立つ 
      <台に乗る>

そこで現在かみね動物園では採血トレーニングを行っています。
まずは台に乗ってもらって・・・

ライオン、台で伏せる

伏せてもらいます。

ライオン、尾を出す

そして四角い穴から尾を出してもらいます。ライオンは自ら尾を出してくれます。

ライオンの尾 
    <血管はどこかなー?>

尾を触っているのは獣医さん。血管を探しています。

針を刺す

そして針を刺します。「はーい、ちくっとしますよ~」
ライオンは現在ここまでのトレーニング。
この「ちくっとする刺激」に対してじっとしてくれていたら、ご褒美に肉を与えています。
現在彼は尾を出すまでの行動を全て自ら進んで行ってくれます。

トラトレーニング  尾を引き出す 
    <トラも台で伏せる>         <フックを引っ掛けて尾を引き出す>

トラは少し飽きっぽいところがあるので、彼女の様子を見ながらトレーニングを進めます。
フックで尾を引き出してライオンと同じように針を刺して・・・。

尾をさわる 尾から血を採る

尾の血管はトラの方が分かりやすいです。

4月よりトレーニングを行ってきてようやく8月11日と12日に採血が成功しました。

まだ飼育員も獣医も動物も試行錯誤しながらやっているので百発百中で採れるわけではないのですが、トレーニングを続けながらこの方法を確立させていこうと思っています。

ライオン トラ

動物が自ら進んで行動を起こしてそれに対してご褒美をあげる。これはハズバンダリトレーニングといって、イヌやネコの躾など他の動物でも応用されている方法です。
猛獣はこれができたことにより定期的な血液検査というのが可能になります。
1か月に1回程度行えばホルモンの周期変化や各数値の上昇・下降など彼らの健康状態をより詳しく把握するうえで重要な手掛かりになるでしょう。

また、これまでは麻酔銃を見るだけで怒ったり逃げたりさせていたのですが、動物が自ら進んで行ってくれるので身体だけでなく彼らの精神面にも負担をかけずに済みます。

今後は採血のほか、体重測定や爪きり、口開けなどのトレーニングを行っていきます。
不定期でやっておりますので見かけたらそっと見守ってください(トレーニング中はあまりお話ができないので・・・。終わった後ならいくらでもお話できます!)。

(飼育員 いのうえ)

 

 

2015年8月26日

アナグマと落ち葉

2015年8月24日

皆さん、ニホンアナグマの展示場に落ち葉のプールがあるのをご存知でしょうか??

あなぐまと落ち葉プール

(アナグマたちの人気スポットです!!落ち葉入れ替え前の様子。)

 

このところ風に吹かれ、雨に流され、ふかふか感ゼロとなっていましたが…


やっと新しい落ち葉と入れ替えることができました!!!

ふかふかの落ち葉

(落ち葉入れ替え後。遅くなってごめんね!)

 

はじめは警戒してかなり様子をうかがっていましたが

最終的には喜んで活用してくれました!一安心!

落ち葉堀り

(落ち葉の中をもぞもぞ…)

 

野生のニホンアナグマは土に穴を掘りその中で暮らしています。

その時巣材として落ち葉が使われることもあるようです。

眠るはぎ

(気持ちよさそうに寝ています)

野生のアナグマもこんな感じで使っているのかな~??

 

さてこの落ち葉のプール、展示場の手前側にあるのでアナグマが少し見えづらくなってしまいます。

そんな時は手前側をのぞくための台がありますのでどうぞご利用ください!!

台1

(新たに台を設置!2ヶ所から見ることができます。)

 ※とって~も鋭い歯と、とって~も鋭く長いつめをもっています!! アナグマが近づいてきても手を出さないようご協力お願いします。

 

 ビックリすると奥の方に逃げてしまうことが多いので、そ~っとのぞいてみてくださいね!!

 

(ニホンアナグマ担当:木村加)

2015年8月24日

ケーキおいしかったかー

2015年8月23日

8月22日 シゲキ1才の誕生日会を開催しました

風景2 風景3
人の多さにキリンの家族が近寄ってきた(写真 左)
ホロホロチョウも騒ぎを嗅ぎつけ登場!
誕生日会前半、鳴きっぱなしだったね、汗(写真 右)

風景1 風景8
大勢のお客様が見守る中誕生日会が開催されました。
写真は、一年間の成長の様子を身振り手振りでベテラン飼育員が説明しているところです。

風景4 風景5
さて、次はケーキ作りの様子です。
ケーキの土台を作ってます。泥遊びではありません!!(写真 左)
土台の次は、トッピング!!
お祝いの気持ちをこめて葉っぱをさしてもらってます。(写真 右)
おいしそうかなー?

風景6 風景7
『ハッピーバースデー シゲキー  ♪♪♪~』 の歌と共に 手作りケーキのプレゼント!!
最初にケーキを食べたのは・・・
シゲキではなく、『キリナ』(写真 左)
その後は、家族でケーキをムシャムシャ(写真 右)

シゲキ0822 
父ちゃんに負けじとシゲキもモグモグ

これからも健康に育ちますように、ケーキに願いを込めて!

大勢のお客様にお祝いしていただきました♪
ありがとうございました。
是非、これからも シゲキの成長していく姿を観に来てくださいね!!

(飼育員 なかむら)
 

2015年8月23日

刈りたてをあなたに

2015年8月16日

 突然ですが、この機械は何に使うものでしょう?

草刈機

道を歩いているときに使っている人を見かけたことがあるのではないでしょうか?

動物園にもこれを使う人が現れました。

一体何をするのでしょうか?

草を刈る人

草を刈り始めました。

と、いうわけでなんとなく初めから答えは分かっていた気はしますが、正解は草刈り機です。

この時期、園内は雑草が伸び放題!

そのままにしておくと害虫が発生したり、なにより見た目がとても良くないので職員で手分けして刈ります。

草刈女 刈った後
   <日焼け対策はばっちり?>       <草刈りした後のフラミンゴ舎>

「草刈り女」の登場です。

出会ったら「焼ける・・・」とつぶやいて去っていきます。

草

草刈り女の目的はただ雑草を刈るだけでなくもう一つあります。

刈ったばかりの草をこんな風に置いて・・・

カバの朝ごはん風景 うまいっ
     <バシャン登場>            <勢いよすぎてぶれぶれ>

さあ、お食べ~!カバの朝ごはんとなりました。

新鮮な青草にカバは大喜びです。

実は諸事情により一時的に青草の搬入がストップしていたので

じゃあ自分で刈るか、という事で放置気味の雑草地帯に踏み込んだのでした。

ビタミン豊富で栄養満点な青草はできれば毎日与えたいですからね。

バシャンとチャポン
    <バシャンとチャポン>

朝刈りの草、喜んで頂けたでしょうか?

汗だくの作業の後にそんなカバを見ながら飲むビール・・・いやスポーツドリンクが最高に美味しいのです。

フィィィィィィィィンという音とともに現れる草刈り女。

都市伝説ではなくほんとにいるので見かけたら暖かく見守って下さいまし。

(飼育員 もー真っ黒いのうえ)

2015年8月16日

キリン成長のびのび日記(2)

2015年8月9日

シゲキ大きくなりました

こちらが 『現在のシゲキ』 !!そして『家族』 !!

シゲキ0809 家族08 
        シゲキ             母キリナ(左) 父シゲル(中央)
前回のシゲキ成長のびのび日記の更新から約7か月。。。
http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/nakamura/p039214.html
シゲキの顔つきや体格が全く違っています。
(当たり前ですね)
成長の様子を写真を多用して、ご報告できればと思いま~す。

・生後 -1日
キリナ0821 キリナ08212
観ての通り、お腹がハチキレンばかりにパンパン
このお腹の中に、キリンの赤ちゃんが入ってるんですよ。

・生後 0日
シゲル0823 シゲキ08232
 生まれすぐなのにこの大きさ!!
キリナのお腹の中に入ってたんですね!
あどけない表情でこちらを観てます。

・生後 5日
シゲキ08272 シゲキ0827
私がシゲキにあったのが、この日が最初でした。
(私自身の結婚式がシゲキが生まれた次の日にあったため、、、なんともタイミングが、ドンピシャ、、、)
ようやく会えた瞬間でした。
早くも木の葉に興味津々の様子。

・生後 1~2か月
シゲキ0921 シゲキ0929

首を長く伸ばして、シゲキの臭いを嗅いでいるのが父シゲルです。(写真 左)
キリナと一緒に、木の葉を食べています。(写真 右)

・生後 3~5か月
シゲキ11232 キリナ・シゲキ1222 

凛々しい顔つきになってきました。(写真 右)

はじめて、大きい放飼場に出ました。天気も良く落ち着いていました。(写真 左)

哺乳シゲキ11233

まだまだ哺乳中です。生後約14か月まで哺乳するといわれてます。(写真 左)

牧草も食べ始めました。(写真 右)

・生後 6~7が月
 シゲキ0219家族
お気に入りのキリン舎テラス下(写真 左)
寒い日もありますが、元気いっぱいに歩き回ってます(写真 右)

・生後 8~9か月

シゲキ シゲルシゲキ キリナ
前までは、キリナにべったりでしたが、
シゲルにくっついたりする様子が観られるようになりました。以前には全くなかった行動です。

・生後 10~11か月
シゲキキリナ06 シゲキキリナ07シゲキ07
キリナのエサをシゲキが舌を伸ばして横取り中(写真 左)
シゲキのエサをキリナがかるがる横取り中(写真 右)
無事にエサを確保!ちょっと欲張ってます。。。(写真 下)

・生後 1年
シゲキ08092
飼育員を発見すると近づいてきます。カメラも大好き!ちょっと寄りすぎ。。。

シゲキ1歳の誕生日会8月22日(土) に開催します。
シゲキにキリン専用ケーキをプレゼントする予定です!
是非、現地でシゲキの成長した姿を観に来てくださいね!!

※これまでの写真のとおり、キリンはあっという間に大きくなります。
この成長の早さの理由は、自然界では、捕食される側であることがあげられます。
早く大きくなって、力をつけることによって、ライオンなどから身を守ることができます。
しかしこのまま成長し、力をつけると、いずれ同じオスの父シゲルとネッキング(長い首と首をぶつけ合うこと)などで力比べをすることになります。
その行為を防ぐためにも、シゲキは将来的には他の動物園へ移動することが必要となるかもしれません。
(他にも理由はありますが、また別の機会にでも)
ですので、シゲキがかみね動物園にいる間にグングン大きくなっていく姿を観て頂きたいです。

以上、シゲキ成長の1年間楽しんでいただけたでしょうか。
もっと知りたい方は、かみね動物園にて、キリン担当者を捕まえてくださいね。

(飼育員なかむら)

2015年8月9日

自由研究のススメ

2015年8月8日

 この季節最大の敵、「紫外線」が勢いを増しています。

塗っても塗っても流れる日焼け止めに彼らを止めるすべは無。
私の二の腕は今アマゾンのネグロ川・ソリモンエス川の合流地点のようになりつつあります。分からない人は調べてみてください。

飼育員にインタビュー

   <飼育員にインタビュー>

さて、この季節になると増えてくるのが自由研究・自由課題のために動物園にやってくる小学生。

好きな動物について調べたり、「動物園」について書こうという子もいます。

ここで働く者からするととてもうれしいことです。

中には飼育員に直接会って話を聞きたいとメールや電話でアポを取る子もいます。事前に質問をFAXで送ってくる子もいます。

知らない大人と話をするのは本当に勇気がいること。そこに挑戦しようとする気持ちに心から拍手したくなります。

夏休みって色んなことに挑戦できるから、たくさんの経験をした子が新学期に少し大人びて見えるのかもしれません。私にはもう20年近く前の話になっちゃいます。ノスタルジック。センチメンタル

ライオン

ただこの「飼育員への質問」、気になることがあるんですよ。

それは質問の内容。

例えば、

・○○(動物の名前)はどんなところに暮らしているんですか?

よく、動物の生息環境をきかれます。

この質問、何が気になるか分かりますか?

私たちはこれにたいしてすぐに回答することができます。けれど実はその答えは本やネットなど自分たちで調べたものを皆さんにお答えしているだけなのです。

本

何が言いたいのかというと、つまり飼育員にきく前に自分で調べることが出来るということです。

私はライオン担当ですが、彼らが暮らすアフリカに行ったことはありません。本・インターネット・テレビなどで得た情報からライオンが暮らす環境について知りました。

ツキノワグマ クマの指の数 

   <クマの指は何本ある?>       <よ~く観察すると前脚には5本!>

また、こういった質問もあります。

・○○の指は何本ありますか?

動物の体に関する質問ですね。このような質問を受けた時、わたしはよく「もう動物は見てきた?」と逆に質問します。するとほとんどの子供たちは「まだ」と答えます。

指が何本あるか、すぐに答えることは出来るのですが折角生きた動物がいる動物園なのでまずは動物をじっくり観察してみましょう。その動物の耳はどんな形?尾に毛は生えてる?おなかの模様は見えるか?鳴き声は?動き方は?寝方は?

私たちが一言で答えを言うよりも遥かに多くの知識を得られます。

トラ

  <私の失敗談、お話します・・・>

ここまで書いたことは少し意地悪に聞こえるかもしれませんが、実は過去に失敗したことがありまして。。。

2年ほど前の夏、トラの自由研究をやりたいという小学生が私にたくさん質問をしてきました。

後日、嬉しいことにその自由研究ができたといって持ってきてくれたのです。私が答えたことが画用紙に色とりどりに書かれていてよくまとまっていたのですが、ちょっと?な部分がありました。

・食肉目 ネコ科 ベンガルトラ

・住んでるところ  ネパールやインドに広がる森

・食べ物  牛肉・鶏頭

何がおかしいか分かりますか?

野生のトラは森に棲んでいるシカやイノシシなどをとらえて食べます。

ところがこの自由研究には動物園で与えているエサのメニューがそのまま画用紙に書かれていました。

あくまで「動物園」で与えているエサ内容を答えただけだったのですが素直な小学生はそのままトラの食べ物と認識してしまったようです。

案の定「野生のトラは何を食べていると思う?」と聞くとその子は答える事ができませんでした。

その後、自由研究は直されたようですが小学生には悪いことをしてしまいました。

来園する子供たちに動物についてもっと知りたい、自分で調べたいという気持ちにさせてあげることも飼育員の仕事です。

「動物園では牛肉と鶏の頭だよ。でも野生では違うものを食べてるよ。何だと思う?」と興味のきっかけを作ってあげればよかったのです。

ニホンザル アジアゾウ

  <どうしてサルの顔は赤いの?>          <ゾウの鼻が長いのはなぜ?>

「研究」という言葉の意は「研ぎ澄まし、究めること」。ある特定のことについて徹底的に自分で調べあげるという事です。分からない事は人に聞きなさい、とご両親や学校の先生はおっしゃっているのかもしれません。けれど実は教えられた知識は間違っていた・・・なんてこともあるんですよ。最後に頼れるのはやっぱり自分自身です。

骨 クジャク看板

  <動物園にも資料館があります>    <飼育員手作りの掲示物もごらんください>

長い夏休み。友達と一緒に動物園に行って実際の動物を観察することができます。
図書館に行って興味のある事を徹底的に調べることもできます。

もし、それでも分からない事があればぜひ飼育員にきいてみて下さい。

私を含め、みんな喜んで自由研究のお手伝いをいたします。

(飼育員 宿題はイツモギリギリイノウエ)

 

 

2015年8月8日