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staff blogスタッフブログ (スタッフブログ)

レッサーパンダのその後

2015年6月28日

繁殖を目指し飼育してきましたが、、、

前回のレッサーパンダに関するお知らせ
http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/003/p040337.html 
(繁殖目的で1カ月間オスのイチを隔離し、メスのサクラとの出会いの場を提供する内容です)

サクラ右・イチ右 サクラ
       イチ(右)・サクラ(左)                  サクラ

上記のとおり、出会いの場を提供したりと、試行錯誤してきました。
結果として、残念ながら交尾・妊娠を確認することができませんでした。
今年で イチ(♂)・サクラ(♀)ともに11歳と高齢個体の仲間入りです。
今後は、繁殖計画も引き続き進めていきますが、イチとサクラの元気な姿をお客様に観ていただけるよう、工夫していきます。

今後の予定としては、今年の秋から冬にかけて、放飼場の拡張を行う予定です。
イチとサクラが、のびのびできる空間を目指していきます。

今の時期は、比較的涼しい、朝と夕に外の放飼場に出ていることが多いです。
昼間は、冷房のきいた室内の展示場にいますので、少し観にくいかと思います。
レッサーパンダを観察するには、朝と夕方が狙い目です。

(飼育員なかむら)

2015年6月28日

イルカ問題を考える(これから編)

2015年6月25日

 これまで編から時間が経ってしまいましたが、イルカ問題と動物園の「これから」について考えていきたいと思います。(「これまで編」はこちらです→http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/blog/staff/nakamoto/p043362.html

ただし、この問題を考える上で、イルカの追い込み漁が良いか悪いかというのは論点が変わってしまうため、あえて触れませんのでご了承ください。

 どうぶつ

まず、押さえておかなれければならないことは、世界の動物園・水族館の流れとして野生から動物を調達するのではなく、自分たちで繁殖させて維持していくことが主流になっているということです。そのためにJAZAがありWAZAがあるのですから。

 現にアメリカでは繁殖技術の確立によって過去20年以上野生からイルカを入れていません。これは事実として受け止めなければなりません。じゃあ日本でもそうすれば良いじゃんと思うかもしれませんが、現実的にはかなり難しいです。イルカを繁殖させるにはそれ相応の施設と技術が必要になります。

新しいことを始めるにはヒト(飼育員や専門職員)モノ(施設や機材)カネが必要です。

 

例えば

日立市では全国で唯一ウミウを捕獲しています。そしてかみね動物園でもそのウミウを展示しています。展示が見づらい上に、繁殖もしたことがありません。(あくまで例ですからね)

そこで、新しく施設を作り直すこととなり、以下の2つの案が出されました。

 1、水槽でウミウが泳いで魚を捕まえる姿を見られる施設

2、ウミウの繁殖を目的とした非公開施設

 さあ、利用者としてはどちらの施設を作って欲しいですか。さらに、自分が経営側だとしたらどちらの施設を作りたいですか。

 ウミウ 鵜取り場

       (ウミウ)                 (鵜捕り場)

1を考えると、利用者としては満足度アップ、経営側としては来園者の増加が期待できるので文句なしですね。2では、特に満足度も来園者数も変わらない。むしろ、見られなくなってしまいます。う~ん良いことないですね。でも、ウミウを繁殖させることができれば野生からの調達に頼らなくて良くなります。さらに研究が進み繁殖技術が確立されることによって、万が一野生のウミウが絶滅の危機に瀕した時にウミウを増やすことに貢献できるかもしれません。

 

極端な例ではありますが、以上を踏まえていかがでしょうか。多くの方が1を選ぶと思います。現実でも2は難しいでしょう。なぜなら日本の動物園・水族館は観光施設、レジャー施設であるからです。施設の評価としても、入園者数が増えたか、それに伴い収入が増えたかに重点が置かれているのが現状です。もちろんそうじゃない部分もたくさんありますが。

そこで、みなさまにはイルカ問題を通して今一度「動物園って何のためにあるのか」を考えてもらいたいのです。JAZAは動物園の役割を「教育」「種の保存」「研究」「レクリエーション」であるとしています。1の案は「教育」と「レクリエーション」に重点が、2の案は「研究」と「種の保存」に重点が置かれています。その意味ではどちらの施設も正しいのです。両方作るに越したことはありませんが、限られた予算の中ではあれもこれもというのは難しいのが現実です。

今の日本の動物園はレクリエーションに特化しています。(その要因は様々あるので詳しい話しは別の機会にしたいと思います。)「動物園=楽しい」これは世界共通認識です。ただ、本当にそれだけでいいのでしょうか。レクリエーション以外にも役割はあります。でも日本の社会にはあまり浸透していませんし、必要とされていません。私たちは日々葛藤しているのです。

 どうぶつ

これから動物園・水族館は変化をしていくことになるでしょう。しかし、その時に私たちだけが変わっても意味がありません。みなさまと一緒に、社会と一緒に動物園・水族館が変わっていくことが必要なのではないでしょうか。
はっきり言ってこのイルカ問題は規模が大きすぎて、一飼育員がどうこうできる話ではありません。また、様々な事情が入り混じっているので、問題自体を語ることは難しいです。しかし、だからと言って、現状を嘆いたり、傍観しているだけで良いとは思いません。だからこそ、自分にできることはなんだろうと考えた時に、みなさまと一緒に動物園・水族館を考えるきっかけにしたいと思い、このブログを書きました。動物園が50年後も100年後もみなさまに愛され、必要とされる施設であり続けるためにこれからもがんばります!!最後まで読んでいただきありがとうございました。

飼育員 中本

 

2015年6月25日

カピバラニュース盛りだくさん

2015年6月18日

ここ最近、カピバラ誕生やグラウンド開放などカピバラ周辺では話題がてんこ盛りです!

カピバラグラウンドデビュー

11日に生まれた子供たちですが、順調に成長し、最近では草も食べるようになりました。

足取りもしっかりしているので20日にグラウンドデビューさせたいと思います。

お楽しみに!

カピバラ カピバラ

6月20日(土) 11:00~ 

※天候や体調によっては中止とさせていただきます

草原の主カピバラ現る

先日のグラウンド開放ですが、例年通りカピバラたちは大はしゃぎでした!

悠然と下草を食べる姿は草原の主と呼ぶにふさわしい姿でした。

緑化 りょくか

何回も楽しめるように現在はグラウンドを封鎖しています。

また緑が復活したらグラウンドを開放しますので、その際はホームページにてお知らせします。

 オス群れを作りました

当園ではカピバラの繁殖が成功し、これまで29頭もの子宝に恵まれてきました。

が、母親ハナの体力の消耗が激しく、獣舎のスペース的にも余裕がなくなってきたので、ここで繁殖をお休みしようと思います。

去勢や避妊という手段もありますが、今後繁殖を再会させることも考えて、オスとメスを分けることにしました。

父親のコタツと昨年10月に生まれたおもちとおはぎの3頭を特設グラウンドに移しました。

落ち着いた様子で、特に大きな問題もないのでこのまま展示していく予定です。

実はオスの展示場には秘密があります。その秘密はもう少し環境に慣らしてからお披露目したいと思います。

おす オス

引っ越し  おす 

2015年6月18日

イルカ問題を考える(これまで編)

2015年6月11日

さてみなさん。突然ですが、今イルカをめぐって日本の動物園と水族館を揺るがす問題が起こっているということを知っていますか。連日テレビや新聞のニュースで取り上げられているのでご存知の方も多いと思いますが、簡単に言うと、「日本の動物園・水族館」が「世界の動物園・水族館」からNOを突き付けられているのです。

この問題を皆様と一緒に考えていきたいのでブログでご紹介します。

 ただし、いっぺんに書くととても長くなってしまうので「これまで編」と「これから編」に分けてお伝えしていきます。
 いるか 

まずは、日本の動物園・水族館と世界の動物園・水族館ってなんぞやというところからご説明します。

様々な報道で「JAZA・じゃざ」とか「WAZA・わざ」なる言葉が飛び交っていますが、あまりなじみのない言葉だと思いますのでそこからお話しします。

動物園で動物を飼育し、繁殖させ、維持していく上では単独の園館では限界があります。

そこで、日本の動物園と水族館が集まって日本動物園水族館協会(Japanese Association of Zoos and Aquariums )の頭文字を取って「JAZA」)という組織を作りました。園館同士でネットワークができることで、動物や情報を交換したり、研究会を開催したりと横の繋がりができ、1つの園館ではできない大きな活動ができるようになりました。

ただし、日本には動物園が何かを決める法律がないために、誰にでも動物園を名乗ることができます。極端な話、皆様が近所の方々にご自身のペットを見せて動物園と言えば、それも動物園になります。

そのため、日本には市立や県立、財団法人、私立、個人経営など様々な形態の動物園があり、JAZAに加盟していない動物園・水族館もたくさんあります。今回の問題はJAZA加盟の園館が対象になるので、非加盟の動物園・水族館はいったん置いておいてください。

どこが加盟園館かを知りたい方はJAZAのホームページをご参照ください。→ http://www.jaza.jp/

 ありくい ごりら

それに対して、世界動物園水族館協会(World Association of Zoos and Aquariums の頭文字を取って「WAZA」)は世界の動物園と水族館が集まって作る組織です。ざっくり言うとJAZAの世界版がWAZAだと思ってもらえれば結構です。JAZAとの違いは、WAZAは個別の園館だけでなく組織として参加している場合もあることです。日本でもJAZAとして加盟しています。(千葉市動物公園やアクアマリン福島など個々で加盟している園館もあります)そして、JAZAに加盟しているかみね動物園も間接的にWAZAに加盟していることになります。その他にもアメリカの動物園で作るAZA(あざ)、ヨーロッパの動物園・水族館で作るEAZA(いあざ)なども組織として参加しています。

動物園 動物園

 もう英語と漢字で呪文のようになってしまい、読む気が失せてしまいそうですがグッと堪えて続きをご覧ください。簡単に言うと日本の動物園が集まって作る「JAZA」と世界の動物園が集まって作る「WAZA」があるとだけ覚えてもらえれば問題ありません!
 

さて、いよいよ本題に入ります。今年に入り、WAZAがJAZAに対して除名するぞと通告してきました。その理由は「追い込み漁で捕ったイルカを動物園や水族館で使っていることが倫理規定に違反している」ということです。

皆様も耳にしたことがあると思いますが、和歌山県の太地町では伝統的に野生のイルカを追い込み漁という手法によって捕獲しています。そのほとんどが食として利用されていますが、一部のイルカを動物園や水族館が購入して使用しています。(もちろん、水族館のイルカ全てではありません)

WAZAいわく、追い込み漁はイルカにとって苦痛を伴うので、その方法で捕ったイルカを動物園や水族館で使うのはダメということです。これは今に始まった話ではなく以前から、日本のイルカ問題は取り上げられていました。2004年にはWAZAが捕獲イルカを使用するJAZAへの非難決議を採択しました。そして、今年に入り、追い込み漁で捕獲したイルカを日本の動物園や水族館が使い続けるならWAZAからJAZAを除名することが決定しました。
 すいぞくかん いるか

それを受け、JAZAでは「WAZAに残留し捕獲イルカの使用をやめるのか」か「WAZAから離脱して捕獲イルカを使うか」かを加盟している動物園(89園)・水族館(63館)で多数決を取りました。

その結果、残留99、離脱43、棄権10となり、WAZAに残ることが決定しました。それと同時に今後捕獲イルカを導入することができなくなりました。

さあ、ここまで感情論を抜きに起こったことを書いてきましたが、なんとなくでもわかりましたでしょうか。この出来事を踏まえて動物園の「これから」について次回ブログでお伝えしたいと思います。

2015年6月11日