毎年3月12日はカバ担当者がホッとする日。
なぜかと言うと国内最高齢カバ「バシャン」の誕生日だからです。
今年も無事にこの日を迎えられた、と思うと冬の間張りつめていた気持ちが雪解けのように溶けていきます。
彼女たちにとって冬はとても過ごしにくい季節。
水温が冷たくて外のプールに入れず、皮膚が乾燥に弱くひび割れ易くなるのです。
そこで寝室のプールにお湯をはったりワセリンを体に塗ってあげたりします。
それでも今年はあかぎれを全ては防ぎきれず尾の先が切れて血が滲んでいたこともありました。
ほんっと、はやく春になれ~!と願い続けていたんですよ。
でも旺盛な食欲は冬も変わらず。たくさん食べる姿は担当者をホッとさせます。
そんなバシャンも52歳。彼女が生まれた年の出来事を調べてみると、日米初のテレビ中継実験が成功したとかアニメ「鉄腕アトム」が放映開始されたとか。
セーラームーン世代の私にはかなり時代を感じさせます。
大先輩なんですね。担当になってから3年が経ちますが、彼女から学ぶことはたくさんあるんですよ。
<ケーキ作りに集まってくれた皆さん> <今年も芸術的なデザインになりました>
先輩の誕生日会には多くの方が参加してくれました。
恒例おからケーキにハッピーバースデーの歌。
そして末娘のチャポンと一緒にケーキを食べる。
<左がバシャンで右がチャポン>
毎年あまり変わらない誕生日ですが、1年に1回この日を迎えられることを飼育担当者は本当に嬉しく思っています。
そしてバシャンがまたこんなに美味いものは無いって顔でおからケーキを食べるんですよね~。
これまでの国内最高齢カバは2009年に亡くなったいしかわ動物園の58歳のデカさん。
これを聞くと出来れば60歳まで。。。と思いますが、彼女のペースで1日1日を過ごしてもらえるのが大事ですよね。
また多くのお客さんとバシャンと一緒に春を迎えられることを嬉しく思う担当者なのでした。
(飼育員 いのうえ)