×
閉じる

staff blogスタッフブログ (スタッフブログ)

厄介者と救世主

2019年8月7日

この季節に動物園を悩ませているのが雑草です。その中でも蔓を張る植物は特に厄介で、「ヤブカラシ」と「クズ」には非常に頭を悩まされてきました。

やぶらからし

ヤブカラシ(ブドウ科ヤブカラシ属) 藪を枯らしてしまうほどの繁茂力からその名がついた。 

クズ

クズ(マメ科クズ属) 葛餅や漢方薬として馴染みのある植物。その繁茂力は旺盛で国際自然保護連合(IUCN)が定めた世界の侵略的外来種ワースト100に入る。

かぴばら やまあらし

    <カピバラのフェンス>           <ヤマアラシのフェンス>

<厄介ポイント>

その1 刈るのが大変

蔓がフェンスなどに絡まっているので除草作業は下草よりも大変です。

その2 成長がめちゃくちゃ早い

刈っても刈っても恐ろしいスピードで生えてきます。

その3 動物の脱走原因にも

蔓はお互いに絡まりながら丈夫なロープになります。

その4 美味しくない

シカやカピバラなど草食動物が食べてくれないので伸び放題になります。

その5 ハチの住処に

ヤブカラシの花にハチが蜜を取りにきたり、葉に巣を作ったり、さらにはそれを狙ってスズメバチが飛んできます。


そんな厄介者に頭を悩ませている中、救世主が現れました!その正体は昨年オープンしたはちゅウるい館に集結した「リクガメ」たちです!

けづめりくがめ ゾウガメ

      ケヅメリクガメ              アルダブラゾウガメ

これがもう気持ち良いくらい食べる食べる!毎日数キロもあるヤブカラシとクズをぺろりとたいらげてしまいます!これまでは小松菜や青梗菜、キャベツなどを与えていましたが、むしろ雑草への食いつきの方がいいです!これによって、エサとして毎日刈るので園内もきれいに保つことができます。もちろんエサ代の節約にもなりますし、処分の手間もなくなりました!!ありがとうリクガメ!!君達は救世主だ!!

雑草

      <収穫完了!>

実はアルダブラゾウガメは来園してから環境の変化から体調を崩してしまいました。もともと、ゾウガメは野生下でも環境が合わないと体の活動を抑えて1年くらいは断食できると言われていましたが、数ヶ月も排便がなくエサもあまり食べていなかったのでさすがに心配にしていました。もちろん気温が上がってきたこともありますが、雑草をあげるようになってからは食欲が一気に回復し、数ヶ月ぶりに排便したかと思うと、今では毎日数回は出るようになりました。ゾウガメにとっては厄介者の雑草がむしろ救世主になりました。

ゾウガメ

   <一心不乱に食べるゾウガメ>

ところで、最近TVやネットで「厄介な生物」「危険な生物」「迷惑な生き物」などを取り扱っているものをよく見かけます。その番組の中では、カミツキガメやアライグマなどの外来生物がクローズアップされ、退治すべし、駆除すべしといった具合に、いかにも悪者といった論調で語られます。でも厄介な存在になってしまった原因や今後そういった厄介者を作らないようにするためにどうしたらいいかといったことはあまり語られません。ましてや、彼らの生物としての面白さや魅力なんてものは伝わってきません。展示場の前で皆さまの会話に耳を傾けても、「カミツキガメだ!凶暴なんだよねこいつ!?」「アライグマってやばい外来種なんでしょ」「ハクビシンって畑を荒らす厄介者なんだよね」などなど。だからこそ、動物園は厄介者としても、その理由も、生物としての魅力も伝えていきたいと思います!!だって、動物に罪はありませんから。

カミツキガメ

   <迫力満点のカミツキガメ>

少し立ち止まって考えると、厄介者とは全部私たち人間にとってという前置きがつきます。人間にとって厄介で、人間にとって危険なのです。最近、海外で放射線と細菌を使って蚊を根絶する方法が開発されているというニュースを見かけました。蚊は刺されると不快である上に、深刻な病気を媒介するので根絶するそうです・・・。
なんてだいぶ横道に逸れてしまいましたが、色々と思うことがあってあえて厄介者という言葉を使ってブログを書きました。厄介者を生み出すのも人間、厄介だから駆除するのも人間、駆除して自然を守ろうとするのも人間、それぞれに立場があり、考えがあります。動物園は答えを提示する場所ではなく、皆さん自身が考え、行動するためのきっかけを作ったり、材料を提供しているに過ぎません。どういう地球、どういう世界、どういう社会になってほしいですか。

雑草にいるカメムシの臭いが一番厄介 中本

2019年8月7日

動物たちのお願い!

2019年8月4日

今年も「どうぶつえん七夕祭り」を行いました。ところがどっこい、雨雨雨雨飴雨雨・・・。困った事にずーっと雨。天気に振り回されながらも大いに盛り上がったイベントをご報告します!

ここ何年かは皆様から動物園で叶えてみたい願い事を募集し、実際に叶えるという企画を行っていましたが、今年は趣を変えて「動物たちの願いを叶えよう」ということで、動物たちの願いを叶えることになりました!ただし、動物たちが自分でお願いを言うことはできないので、担当者が動物の代弁者となって願い事を考えました!

集まった願い事は10個!その中から皆様に投票していただき最終的に3つの願い事を叶えることになりました!

お魚踊り食い編

これは複数の飼育員の合作で、自然界で魚を捕まえて食べている動物たちに生きた魚をプレゼントしようという願い事です!

動物園ではふところ事情と防疫上の理由で生きた魚は滅多にあげることがありませんしあげても少量です。

そこで今回は特大ドジョウ2キロを用意しました!来て見てビックリの20cmの極太ドジョウ!

ドジョウ ドジョウ

ドジョウを与える動物は、アライグマ、カメ、コツメカワウソ、ウミウです。

アライグマ!

アライグマ アライグマ

アライグマは雑食性で自然界では水辺の生き物が大好きで魚も大好物の一つです。そのつかまえ方が特徴的で、器用な前あしを水の中に入れ、岩や泥、水草のすき間に隠れている生き物を触った感覚だけで探し当てます。今回の土壌、あ、ドジョウも顔を水に付けることなく、前あしで器用につかまえていました!まさにマジックハンド!

生きている魚に大興奮のアライグマたちでした!

アライグマ

  <アライグマはうんたらかんたら>

カメ!

はちゅウるい館にいる魚を食べるカメたちにドジョウをあげました。水辺に生息しているカメのほとんどが、肉食性が強い雑食性で、魚や甲殻類、貝類などが大好物です。泳いで追いかけたり、待ち伏せしたりと捕まえ方もそれぞれです。

が、薄々予想はしていたのですが、カメたちの反応が悪いこと悪いこと。ほとんどがカメも生まれてから生きた魚など食べたことがなければ見たこともないメンバーだったので、そもそもエサだという認識がありませんでした。唯一フラミンゴ池から移籍してきたアカミミガメが池にいたころ魚を追いかけていたようで、追いかけてくれたのが救いでした。他のカメたちもしばらくすると追いかけはじめましたが、経験不足からなかなか捕まえられません。それでも、普段はじっとしているカミツキガメが俊敏に泳いで魚を追いかけている姿には感動しました!

カミツキガメ スッポンモドキ

   <危険なポッキーゲーム>         <おいかけて・・・いるかな?>

カワウソ!

カワウソは言わずと知れた名ハンターです!これまでもドジョウをあげたことがありましたが、今回は量が大量なのとガラス水槽を使っているのがポイントです!

かわうそ

手始めに、プラスチックの容器に少しだけドジョウを入れてみたところ、すぐに反応して捕まえてくれました!テンションがあがったカワウソたちは食べるよりも、捕まえては逃がし、捕まえては逃がし、と遊びだしてしまい、なかなか本番の水槽に行ってくれないという一幕もありました。

最初は水槽を警戒していた2頭も最後は中に入ってドジョウを捕まえる姿を見せてくれました!

かわうそ かわうそ

      <中に入って>              <つかまえた>

ウミウ!

最後はウミウです。日立市の鳥に指定されており、日本の動物園では現在はかみね動物園でのみ飼育されています。このウミウを使った伝統的な漁が鵜飼いです。ウに紐ををつけて船や川岸から鵜匠の指示でウミウに魚を捕まえさせます。ウミウは4本の指の間の水かきをつかって巧みに泳ぐことができます。ただ、ドジョウをあげたことがなかったので、食べてくれるかだけが心配でした。

うみう うみう

     <ドジョウ投入!>             <泳ぐ二羽>

心配をよそに、ウミウは自慢の泳力を惜しみなく発揮し、魚を見事に捕まえていきました。それはもう圧巻という他ありません。

私も含め見ていた全員が釘付けとなりました!写真が微妙なものしかなくてお伝えできないのが悔しい・・・。

同じ魚を捕る動物でも、種類によって反応や捕まえ方が様々で見ていてとても面白い願い事となりました。

動物達も、普段は食べられないエサを目の前に活発に活動していたので、良い刺激になったことだと思います。

お魚踊り食い!これにて叶いました!

長くなってしまったので、残りの2つのお願いは後日別のブログにて御紹介しますのでお楽しみに!

 

2019年8月4日