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平成27年10月24日(土曜日)

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衣替えはお済みですか?

平成27年10月24日(土曜日)

もうすっかり秋も深まり、肌寒い日が続いていますね~
動物園の動物たちも、冬支度をはじめています。
 

私の担当動物のホンシュウジカも、夏毛から冬毛に衣替え真っ最中です。

夏毛
背中の水玉模様は夏毛の証。
この水玉、ただのおしゃれってわけじゃないんです。
 

本来、シカは、森の中に住んでいます。

夏の森は、木の葉が生い茂っていて、太陽の光がまばらに差し込みます。いわゆる“木漏れ日”ですね。
 

木漏れ日 
※http://kabegami.mobi/lib/nature/plant/02564_240x320.html 引用

シカの背中の水玉は、この“木漏れ日”の景色にとけこむことができ、敵から見つかりにくくなっているんです。

一方、秋・冬になると、木の葉が落ちて茶色い森になりますね。

 冬の森
※http://www.myoko.org/doc/otomiko/blognplus/index.php?e=214 引用

そうすると、背中の水玉は、森の景色にとけこめず、逆に目立ってしまいます。
だから、背中の水玉をなくして、茶色い毛にすることで、茶色の森の景色にとけこむわけです!
冬毛

この、周りの景色にとけこむ体色や模様のことを『保護色』とか、『カムフラージュ』といったりします。


さらに、色や模様だけでなく、夏毛は涼しくすごせるように、冬毛は暖かくすごせるように、毛の量や質も変化します。
私達と同じく衣替えをするんですね~

そして、冬毛の写真をご覧の皆様はお気づきでしょう…

そう!年に一度の角切りを、先日、行いました!
角きり後
(すっきり、丸坊主…)

ニホンジカの角はオスだけにあります。
この角、毎年生え変わり、野生では2月頃に角が落ちます。
動物園のシカも同じで、何もしなくても2月頃に角は抜けます。

では、どうして、わざわざ角切りをするのでしょうか?
 

シカにとっての角は、強さの象徴です。
食べものやメスを奪い合うとき、オスたちは角を突き合わせて競い合います。
シカの繁殖期は秋なので、この角を突き合わせる行動が非常に多くなるんです。

この角突き、シカ同士でやっていてくれればいいものの、
彼らの生活空間に入る飼育員にも向かってきてしまいます。

でも、私達には角がないですし、戦うすべがありません。シカの角に刺されてしまったら…
ぞっとしますね。
振り返るシカ

かといって、私達が給餌や掃除を怠ると、動物園のシカたちは元気に暮らせなくなってしまいます。


つまり!!!
お互いの幸せのために、角切りをしているんです。

見た目はなんだか寂しい気がしますが…
そういうわけで、かみね動物園のシカたちは、冬の間、すっきり丸坊主頭で過ごしています。
また春になったら角が生えてくるので、楽しみにしていてください♪

冬支度、真っ最中の動物たちに会いにきてくださいね~



(新シカ舎担当/獣医師・あきば)

 




 




 

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