×
閉じる

ページID
P045764

平成27年9月2日(水曜日)

ページID
P045764

ホンシュウジカのお引越し

平成27年9月2日(水曜日)

先日、HPでもお知らせしましたが、ついに新シカ舎がオープンしました!新シカ舎オープン

長い間、『整備中』の看板があった新シカ舎・・・エピソードは満載です。
 

新シカ舎が作られたのは、旧シカ舎の老朽化と2種のニホンジカの展示環境を高めるため。

この春からかみね動物園に仲間入りした私は、工事の様子をみられなかったのですが、
これがその様子です。

 工事 工事

影も形もないとこから、たくさんの方々のおかげで、素敵な新シカ舎ができました!


このままオープンできたら良かったのですが、
完成してみると、柵の高さや雨除け・ドアの開閉など問題が発覚してしまい・・・
試行錯誤の『新シカ舎整備中』の日々を過ごしていました。
 

ドアストッパー
(開きっぱなしにならないようにするドアストッパー)
※ドアが開いたままになっていたら、閉めていただけると幸いです。

 乾草・ペレットいれ 乾草・ペレット
(小屋の中に作った乾草・ペレット置き場)
※シカの盗食を防ぐ蓋付きで安心! 
 

脱走防止網
(少し高さが足りなかった柵に、脱走防止の網を張るベテラン獣医師)
※一年目の私には、決してマネできません。
 

このように、職員たちの手作りや再工事などでカバーし、
新シカ舎は、やっとの思いでオープンしたのです!


新シカ舎での生活が始まって間もないのですが、
すでにシカの凄さを感じたことが多々あります。


かなりの斜面に作られた新シカ舎。
私たち人間では、危なっかしくて、正直に言うと掃除も一苦労・・・
これはシカたちも転んでしまうかな~と思っていたら
 

・・・(゜Д゜;)

となるくらい、自由自在に駆け上がり、駆け下りてきます。
斜面

  あの細い脚からは想像もつかない脚力を見せつけてくれます。


さらに、彼らの食欲にもびっくり。

緑が生い茂っていた(ただのお手入れ不足です。ごめんなさい。)新シカ舎に引っ越して、
約2週間がたちましたが、
ふと気がつくと、あっという間に茶色です。

緑いっぱい 茶色
(引越し直後)   → → → →    (12日後)

動物園では乾草とペレット(シカ用ドッグフードみたいな食べ物)を与えていますが、
野生のシカは、地面に生えている草だけでなく、木の葉っぱや樹皮など、あらゆる植物を食べています。

半分食べられた木 食べられた樹皮
こんな風に、気持ちいくらい、容赦なく食べつくしていきます!

いま、日本では、野生のシカが増えすぎてしまって、シカの消費量に負けてしまっている問題があります。
森が枯れてしまったり、農作物が食べられてしまう“食害”といった問題です。
新シカ舎は、まさに、その縮図!

この話は根が深く、難しい問題なのですが・・・
原因としては、
シカを食べる動物(オオカミなど)がいなくなってしまったこと・減ってしまったこと、
狩猟を行う人が減ったこと・高齢化
など、さまざまなことが重なって、現在に至っています。
シカ肉の商品開発や、農業被害の対策について研究・実施はされていますが、道のりは長く・・・
※ブログが終わらなくなってしまうので、ちょっとこのお話はまた今度にしましょう!

 
このようにシカが生活する姿や、人間との関わりが見えてくる新シカ舎。乞うご期待。
(に添えるよう、がんばります!)

いまだけ見られるシカの姿としては、茶色のやわらかい角(袋角)から白い固い角に変化するところです!
袋角・固い角・メス
奥:茶色のやわらかい袋角
手前:白い固い角

白くて固く、立派な角は、強いオスの証。
この角は、これからの繁殖期に活躍するのですが、
動物園では、シカと人が密に接するので、安全のために切り落としてしまいます。
角が見られるのも、もう少し!

角と緑がなくなる前に、新シカ舎に遊びに来てください♪
(もうそのときは目前の予感・・・)

※注意:シカのエサやりは当分お休みします。あたたかく見守ってください。


(獣医/新シカ舎担当 あきば)



 

このページについてご意見をお聞かせください

この記事はいかがでしたか?

この記事についてのお問い合わせ

お問い合わせ先
産業経済部かみね公園管理事務所
代表電話番号
0294-22-5586
ファクス番号
0294-22-5596
メール
メールフォーム